リーグ首位はユヴェントスに明け渡したものの、リーグ最少失点と独創的な攻撃で今シーズン未だ無敗を続けているローマ。トッティの怪我による離脱で勝ちきれない時期もありましたが大きな脅威となる相手を迎えての第16節です。
ACミラン
- GK
- 32 アッビアーティ → 55 ガブリエウ (46')
- DF
- 2 デ・シリオ
- 17 サパタ
- 25 ボネーラ
- 28 エマヌエルソン → 81 ザッカルド(89')
- MF
- 16 ポーリ → 9 マトリ (66')
- 34 デ・ヨング
- 4 ムンタリ
- 18 モントリーヴォ
- 22 カカ
- FW
- 45 バロテッリ
ASローマ
- GK
- 26 デ・サンクティス
- DF
- 13 マイコン
- 17 ベナティア
- 5 カスタン → 29 ブルディッソ (44')
- 3 ドド
- MF
- 16 デ・ロッシ
- 4 ブラッドリー
- 6 ストロートマン
- FW
- 8 リャイッチ → 24 フロレンツィ (81')
- 22 デストロ → 10 トッティ (64')
- 27 ジェルヴィーニョ
怪我とそれに伴うコンディション不良からアッビアーティが復帰しました。また試合前の予想フォーメーションによるとモントリーヴォが中盤の底ではなく高い位置での先発となるようです。
Milan 2 - 2 Roma - legaseriea.it
序盤から高い位置でのボール奪取を狙ってきていたローマに対してミランはロングボールで前線のバロテッリに当ててカカと2人で攻撃を作っていく形。ただやはりバイタルエリアを人数をかけて固めてくるローマの厚い壁を単独で崩すのは難しいですね。
守備に関してはいつもの中盤3枚に加えてモントリーヴォがバランスをとってパスコースを消し、ローマの組み立ての部分で数的優位を作ろうとしていました。他にも攻撃にアクセントを加えられる選手がいる中でモントリーヴォを選んできたアッレグリの意図はうまく機能していると言えそうです。こういう守備面でのはめこみは本当にうまい監督ですよね。フリーランをしている選手をよく見送ってしまうモントリーヴォにとってもやりやすい位置なのかもしれません。
ただそういう対策をしても穴ができてしまうのがいまのミラン。サイドから深い位置までえぐっていくローマ得意の形で先制されてしまいました。今シーズンの失点シーンによく見られる傾向ですが、裏に抜けたストロートマンへのケアが遅れ、数人が吸い寄せられてしまったがために中で待っていたデストロにフリーでシュートされてしまうよくないパターンです。
デストロ以外にも下がった位置でもらおうとしていたブラッドリーや逆サイドのジェルビーニョもフリーとディフェンスラインの中での受け渡しができていないいろいろおかしい守備になっています。あれだけチーム全体の中で中盤の守備を作るのがうまいアッレグリですがここ数年ゴール前での守備は不安視せざるを得ないのが難しいところですね。
CKから同点にしたものの2点目をとってからは引いて守るローマに対して前線の動きがあまりにも少なくこれじゃ崩せませんよね。マトリ投入でターゲットは増えたものの効果的な形でボールに触ったシーンはほとんどなかったと言っていいんじゃないでしょうか。サイドでの追い越しをやろうという意図はあると思うんですがもう少しバロテッリかマトリが流れて絡んで欲しいところですし、単なる放り込みで競り勝てるほど甘い相手でもありません。
得点シーンはバロテッリに当ててうまくディフェンスを引きつけたところにムンタリが走り込んでくる形でしたがああいうのがチーム全体で作れるようになると得点も増えると思うんですが。ローマは人が動いてスペースを作り出しボールを動かして何度もチャンスを作っていましたしね。もっと言うとローマはシーズン前からゼロトップにおいて唯一無二の存在のトッティとドリブル突破に優れたサイドアタッカー、運動量とロングボールの質に優れた中盤を揃え明確な意図を持って今シーズンに臨んできたからこその無敗なのでしょう。
今のミランのごたごたを見ていると現場とフロントの乖離もありますしチームのやりたいことも一貫していませんし結果が出ていないのも納得かな、と。今年の試合は次節ミラノダービーで終わりますがローマから2得点で引き分けという勢いをなくさないような試合を期待したいです。