16 9月, 2014

セリエA第2節 パルマvsミラン

 インザーギ監督としての初戦、開幕戦を白星で飾りいいスタートを切ったミラン。このままいいシーズンにすることができるのか。第2節はアウェー、スタディオ・エンニオ・タルディーニでのパルマ戦です。

パルマFC

  • GK
  • 83 ミランテ
  • DF
  • 13 リストフスキ
  •   6 ルカレッリ
  • 19 フェリペ (77'退場)
  • 11 デ・チェリエ
  • MF
  • 30 アックア
  • 21 ローディ
  • 80 ホルケラ
  •  → 88 コーダ (73')
  • FW
  •   5 ゲザル
  •  → 17 パッラディーノ (65')
  • 99 カッサーノ
  • 10 ベルフォディル
  •  → 20 ビダウィ (79')

ACミラン

  • GK
  • 23 ディエゴ・ロペス
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 33 アレックス
  •  → 13 ラミ (62')
  • 25 ボネーラ (58'退場)
  •   2 デ・シリオ
  • MF
  • 16 ポーリ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • FW
  • 10 本田
  •  → 17 サパタ (62')
  •   7 メネズ
  •  → 19 ニアン (86')
  • 28 ボナヴェントゥーラ

 ミランは開幕戦とほぼ同じメンバー。トーレスは早速怪我をしてメンバー外のためデビューはおあずけとなりました。エル・シャーラウィに代わって左サイドに入った新加入のボナヴェントゥーラがどのような動きをするのかが注目です。

Parma 4 - 5 Milan - legaseriea.it

 パルマは序盤こそ積極的に出てきていたものの、途中からはミランにポゼッションは預けてくれました。ラインを低くして、ボールを奪ったら前線のサイドに当ててためを作る形がチーム全体で共有できています。うまく縦のギャップを作ったところでカッサーノが自由に動いてボールを捌くことでいい攻撃ができていました。

 ミランも相手のブロックができないうちに早くボールを運ぼうという意識は統一されていて、メネズが積極的に降りてきてボールを受ける姿勢を作り他の選手がそこに絡んでいく形を作ろうという意図が見られました。
 さらに両SBのアバーテとデ・シリオが高い位置をとり、機を見てペナルティエリア近くまで入っていったのも昨シーズンまでにはなかった動きでインザーギ監督のやり方なのでしょう。インザーギが現役でプレーしていた頃のミランのサイドバックはカフー、ジョルジーニョなど攻撃的な選手が多かったのであの頃のような形を期待してしまいます。
 この試合ではこれがうまくはまり、先制点と2点目は共にアバーテがデ・チェリエを引っ張ってサイドに流れたことでうまく本田のところにボールが入ってきました。昨シーズンから引き続き右サイドの縦の関係は非常にいいですね。

 開幕戦に引き続きロングカウンターでの攻撃もキレがあり、メネズ、デ・ヨングによる追加点で大量5得点。しかし、守備の方も4失点とかなり厳しい戦いを強いられてしましました。失点シーンはボールウォッチャーになっている選手が多くかなり改善していかなければいけないのではないでしょうか。ボネーラが退場してしまったことを考慮してもひどいと言わざるを得ません。
 何はともあれ開幕2連勝ということで結果は出ていますが、既に課題が山積みなっているミラン。このまま連勝が続くことはないでしょうが、悪い試合でも勝点をとって上位に入っていって欲しいと思います。

02 9月, 2014

セリエA第1節 ミランvsラツィオ

 昨シーズンは7位に終わりヨーロッパの舞台への切符を失ってしまったミラン。サッカーの質、資金力ほか諸々の面で停滞期となって久しいですが、クラブのレジェンドの1人、フィリッポ・インザーギが監督に就任しました。ピッポもトップチームでの監督ははじめてなので過度な期待はできませんが、なるべく長い目でクラブの成長の流れを作ってもらいたいです。セードルフのような離れ方はもう見たくありませんし。

ACミラン

  • GK
  • 23 ディエゴ・ロペス
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  • 33 アレックス
  • 25 ボネーラ
  • MF
  • 16 ポーリ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  •  → 15 エッシェン (67')
  • FW
  • 10 本田
  •  → 27 アルメロ (77')
  •   7 メネズ
  •  → 19 ニアン (82')
  • 92 エル・シャーラウィ

SSラツィオ

  • GK
  •   1 ベリシャ
  • DF
  •   8 バスタ
  •   3 デ・フライ
  • 27 カナ
  • 26 ラドゥ
  • MF
  • 16 パローロ
  • 20 ビリア
  • 19 ルリッチ
  •  → 6 (73')
  • FW
  • 87 カンドレーヴァ
  • 11 クローゼ
  •  → 9 (59')
  • 14 ケイタ
  •  → 7 (60')

 インザーギ新監督のシステムは4-3-3が基本となり、プレシーズンマッチの映像などを見ていると中盤の3枚は補完し合う形でセンターハーフの役割、3トップはセンターフォワードと両ウイングといった配置になっています。新加入選手はディエゴ・ロペスとアレックス、メネズが早速先発出場しており、どのような活躍をしてくれるか楽しみです。反対にモントリーヴォとデ・シリオは怪我のため開幕欠場。今シーズンはなるべく怪我で離脱する選手が少なくなることを願うばかりですね。

Milan 3 - 1 Lazio - legaseriea.it

 立ち上がりから縦への意識の強いラツィオに対してミランは中盤をコンパクトにしてボールの出所を潰していこうという狙い。そこでボールを奪えればエル・シャーラウィが走れば勝てるという計算なのか積極的に前に蹴っていきます。サイドから数的優位を作って崩したいラツィオにこのカウンターがはまり、前半7分にはボネーラのパスからエル・シャーラウィが抜けだし本田が今シーズン初ゴール。3人とも非常にレベルの高いボールタッチを見せてくれました。
 試合全体のペースとしてはミランサイドでラツィオがボールを持っている時間が長いのですが、最後のところで合わせきれずに前半は両チーム共にシュート数が2本に終わります。後半も基本的な流れは変わらず、とにかく相手の守備が整わないうちに個人の打開で打ち切ってしまいたいミランが開幕戦で3点を挙げて勝利となりました。

 サパタ、アレックスのCBコンビ、そして本職ではないボネーラがSBをやっていることにかなりの不安はあるものの、新加入のディエゴ・ロペスはいままでのミランのGKにはない期待を見せてくれましたし、あれだけゴール前でプレーされながらなんとか最後のところで身体を寄せて1失点に抑えたところは評価できます。
 攻撃の方はポゼッションからの崩しがまだ整備されていない状態ではドリブラーの才能に頼った高速カウンターをやっていくしかないのか。移籍市場が終了していないためメンバーも不確定な状態では何とも言えないのですが、はやくピッポのチームの形を見たいです。この試合ではラツィオが前に人数をかけてきたためにかなり効果的でしたがゴール前を固めてくるプロヴィンチャ相手では通用しないでしょうし。
 何はともあれきつい時間帯を耐え開幕戦を勝利で飾ったミランを今シーズンも応援していきたいと思います。

14 6月, 2014

FIFAW杯 スペインvsオランダ

 前日に行われた開幕戦の余韻も冷めやらぬ中、グループステージの初戦で前回大会決勝の組み合わせです。

スペイン

    GK
  •   1 カシージャス
  • DF
  • 22 アスピリクエタ
  •   3 ピケ
  • 15 セルヒオ・ラモス
  • 18 ジョルディ・アルバ
  • MF
  • 16 ブスケツ
  • 14 シャビ・アロンソ → 11 ペドロ (62')
  • 21 ダビド・シルバ → 10 セスク・ファブレガス (78')
  •   8 シャビ
  •   6 イニエスタ
  • FW
  • 19 ディエゴ・コスタ → 9 トーレス (62')

オランダ

    GK
  •   1 シレッセン
  • DF
  •   3 デ・フライ → 13 フェルトマン (77')
  •   2 フラール
  •   4 マルティンス・インディ
  • DF
  •   7 ヤンマート
  •   8 ジョナサン・デ・グズマン → 20 ワイナルドゥム (62')
  •   6 デ・ヨング
  •   5 ブリント
  • FW
  •   9 ファン・ペルシー → 17 レンス (79')
  • 10 スナイデル
  • 11 ロッベン

 スペインは今シーズンアトレティコ・マドリードで大活躍を見せたディエゴ・コスタをセンターハーフに置く4-3-3の形。2010年のワールドカップ、2012年のユーロで優勝したものの説得力のあるストライカーがいなかったこのチームにフィットすることはできるのでしょうか。
 オランダは3バックの前に4枚並べる形の3-4-3。スペインの攻撃に対して前線の3人まで含めてどのような守備ブロックを作ってくるか注目です。

2014 FIFA World Cup Brazil™: Spain-Netherlands - Overview - FIFA.com

 オランダは3バック試合前の予想通り7枚でバイタルエリアを埋めていく狙い。ただ単純にウイングバックを下げて5-2ではなく、近くにいる選手に対してはエリアをまたいでついていってボールが入るとかなり厳しくアタックしていました。特にイニエスタのポジションチェンジに対してはデ・フライをはじめ常に誰かがチェックして前を向かせない意図が感じられます。さらにファン・ペルシーやスナイデルもスペインのDFがオーバーラップした際にしっかりとついてきているためにさらにスペースがなくなっていく悪循環。
 ただ中盤で潰すために最終ラインはかなり高めに保っており、ここでディエゴ・コスタの裏を狙う動きが有効に働いてきます。先制点につながったPKもDFラインの間を斜めに切った形でオランダの目論見を崩す形になりました。

 先制されて前に出ざるを得なくなったことでオランダは序盤ほどコンパクトな陣形を作れなくなり、さらにスペインのペースに。ロングカウンターでシュートまでもっていくスペインを見るのはわりと珍しい気もします。ただその流れを断ち切ったのがファン・ペルシーのヘディングシュートでした。スペインの守備もオランダのビルドアップに対する人数は揃っていたのですが、セルヒオ・ラモスが完全においていかれてしまいカシージャスのポジションまで見切った完璧なゴールです。
 ファン・ペルシーのすごさもさることながら、動き出しを見逃さずにクロスをあげたブリントもすごいです。センターライン付近でも簡単に蹴らせてはいけないということでスペインはより早いプレッシャーが必要になってきます。

 ただそのプレスをさらに上回ったブリントは53分にも低い位置からのロングボールでロッベンの追加点をアシスト。FWの動き出しを見ながらダイレクトであんなボールが出せるとか脅威以外の何者でもありませんね。もちろんきっちりトラップして2人かわしてゴールに叩き込んだロッベンの得点能力は言うに及ばず、中盤からの守備にリソースを割いても個人でこれだけ持っていければ十分です。
 スペインもペドロとトーレスと投入し前線の動きの活性化を図りますがオランダのバイタルエリアは閉じられたまま。サイドから放り込むという選択肢を持たないスペインは徐々に手詰まり感が出てきてしまい逆に5失点という最悪の展開になってしまいました。

 オランダは90分を通してイニエスタをはじめスペインのポジションチェンジに対してかなり研究して対策をしてきた印象です。ポゼッションサッカー対策は各チームが近年様々な形で行っていますが、この試合のオランダもその集大成と言えるのかもしれません。もちろん前線に個の力で点の取れる選手とそこに正確なボールを出せる選手がいてこそのスピードに乗ったロングカウンターなのですが、その狙いがうまくはまったオランダが初戦を大勝で飾りました。

13 6月, 2014

FIFAW杯 ブラジルvsクロアチア

 サッカー王国ブラジルで開催される4年に1度の祭典FIFAワールドカップ。普段はクラブ中心であまりナショナルチームの試合を見ることはないのですが、やはり世界最大のスポーツイベント、1カ月間がんばって早起きして見てしまう生活になりそうです。

ブラジル

    GK
  • 12 ジュリオ・セーザル
  • DF
  •   2 ダニ・アウヴェス
  •   3 チアゴ・シウバ
  •   4 ダヴィド・ルイス
  •   6 マルセロ
  • MF
  • 17 ルイス・グスタヴォ
  •   8 パウリーニョ → 18 エルナネス (63')
  •   7 フッキ → 20 ベルナルジ (68')
  • 11 オスカル
  • 10 ネイマール → 16 ラミレス (88')
  • FW
  •   9 フレッジ

クロアチア

    GK
  •   1 プレティコサ
  • DF
  • 11 スルナ
  •   6 ロヴレン
  •   5 チョルルカ
  •   2 ヴルサリコ
  • MF
  • 10 モドリッチ
  •   7 ラキティッチ
  •   4 ペリシッチ
  • 20 コヴァチッチ → 14 ブロゾヴィッチ (61')
  • 18 オリッチ
  • FW
  •   9 イェラヴィッチ → 16 レビッチ (78')

 ブラジルの先発メンバーは1年前のコンフェデレーションズカップでもお馴染みだった構成。抜群の安定感とネイマールのアイドルっぷりで地元優勝を期待されています。対するクロアチアは個々の選手はクラブで見ているもののチームとしてどういうサッカーをするのかは勉強不足にて全く知りません。まあこれからそんな国はたくさん出てくるのであまり気にしないでください。

2014 FIFA World Cup Brazil™: Brazil-Croatia - Overview - FIFA.com

 ブラジルはまずボールを保持して積極的に先制点を狙っていきますが、クロアチアも自陣に入ってから中盤でしっかりと潰す形を作れているために簡単にはシュートまでいかせてくれません。プレスポイントがはっきりしていて前線に入れるグラウンダーのパスを許しませんでした。そこで2列目の3人の位置を入れ替え崩しどころを探っていたところでマルセロのオウンゴールでクロアチアが先制。
 ブラジルの両サイドバックが高い位置をとるのはどのチームも織り込み済みですが、開幕戦からあんなに綺麗に裏をとられるとは思っていませんでした。それまでも何度か狙っていたところでしたが中での人数は足りていましたし付き方も悪いわけではなかったのですが仕方ないですね。

 先制はされましたがブラジルはまだ余裕を持って組み立てていけます。フッキが左に流れネイマールが中央に、マルセロとの3角形を起点にしようというのがひとつ。さらにオスカルが右サイドに張ってダヴィド・ルイスと2人でサイドチェンジや裏のスペースを狙っていくのがひとつ。パウリーニョのボールの受け方も変化をつけて中盤のとりどころをずらしていこうという意図も見えますし、試合中にこれだけ修正してこれるチーム力はすごいです。
 待望の同点ゴールは中盤のつぶし合いを制したネイマールがドリブルで運んでそのままゴール右隅に決めました。執拗な右サイドでの裏狙いの影響か、クロアチアのDFラインが少し下がりはじめたところでネイマールには十分すぎるくらいバイタルエリアがあいてしまいましたね。

 後半はブラジルがサイドバックの上がりを抑え、右サイドのオスカルを起点にする崩しを増やしていきます。前半の左サイドとは違う形でコンビネーションを作っていき1対1の場面では確実に相手DFを外せるテクニックはさすがとしか言い様がありません。クロアチアの左サイドバックに入っているヴルサリコも前半はで耐えていましたが、オスカルの足元に的確なパスが入って前を向かれると止めるのは至難の業です。
 クロアチアのニコ・コバチ監督は中盤のコヴァチッチに代えてブロゾヴィッチを投入。その直後にスコラーリはエルナネスとベルナルジを相次いで入れ中盤を制する戦いになります。このあたりブラジルはもちろんですが、クロアチアも自分たちのやり方にある程度自信を持っているんだなあということがうかがえます。モドリッチもブラジルのはやいチェックに負けずしっかりとした組み立てを見せていましたし、前線にマンジュキッチが入ればさらに出しどころも増えてくるんじゃないでしょうか。

 PKによる勝ち越し点が入ってからは前に出るクロアチアと迎え撃つブラジルという構図に。そして途中交代で元気なベルナルジを中心とした左サイドからの崩しがまた出始めます。試合中意図的に重点を置くサイドを2度も変えてくるチームとかほんと嫌ですね。そこからのカウンターでさっきまで右サイドで起点になっていたオスカルが追加点。
 オスカルは去年のコンフェデではなかなかコンディションが上がらず苦しそうでしたがW杯にはしっかり仕上げてきました。この試合ではある意味ネイマールよりも重要なポジションで結果を出したんじゃないでしょうか。といってもセレソンの照準は確実に決勝に合わせてきてるはずなのでこれが1カ月保てるかはまだ疑問ですが。

 というわけで開幕戦は開催国のブラジルが順当に勝利。内容も素晴らしく今大会の優勝候補筆頭であることはやはり間違いないですね。
 PKの判定については直後から世界中で賛否両論というか主に非難があがっていますが、まあ主審の判断の範囲内なんじゃないかという感想に留めておきます。これで西村さんが決勝トーナメントに登場しなければやはりとるべきでなかったファウル。もし決勝で吹くことになったら賞賛されるべきいい裁定だったとFIFAが判断したということでしょうから。

27 5月, 2014

UEFA CL決勝 レアル・マドリードvsアトレティコ・マドリード

 今シーズンも各国リーグが終了し、残すはヨーロッパの頂点を決めるCL決勝のみとなりました。CLの形式になってからは初の決勝ダービーマッチ、さらに舞台はリスボンということでイベリア半島内で収まってしまう形の今シーズンですが、運動量とスピードで対戦相手を凌駕してきた両チームによる最高峰の戦いが期待できます。

レアル・マドリード

    GK
  •   1 カシージャス
  • DF
  • 15 カルバハル
  •   2 ヴァラン
  •   4 セルヒオ・ラモス
  •   5 ファビオ・コエントラン → マルセロ (59')
  • MF
  • 19 モドリッチ
  •   6 ケディラ → 23 イスコ (59')
  • 22 ディ・マリア
  • FW
  • 11 ベイル
  •   9 ベンゼマ → 21 モラタ (79')
  •   7 クリスティアーノ・ロナウド

アトレティコ・マドリード

    GK
  • 13 クルトワ
  • DF
  • 20 フアンフラン
  • 23 ミランダ
  •   2 ゴディン
  •   3 フェリペ・ルイス → 12 アルデルヴァイレルト (83')
  • MF
  •   8 ラウール・ガルシア → 24 ソサ (66')
  •   5 ティアゴ・メンデス
  • 14 ガビ
  •   6 コケ
  • FW
  • 19 ジエゴ・コスタ → 7 アドリアン・ロペス (9')
  •   9 ダビド・ビジャ

 レアルはシャビ・アロンソが出場停止、ぺぺがベンチスタートと要所を押さえる選手がいないものの、ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドという世界中の監督がうらやましがる攻撃陣は健在。アトレティコは怪我で出場が危ぶまれていたジエゴ・コスタが先発出場とリーガで優勝した勢いそのままのメンバーです。

UEFA Champions League 2014 - Real Madrid-Atlético – UEFA.com

 前半9分で早々にジエゴ・コスタが退いてしまうというアクシデントはあったものの、レアルが攻め手を探っていく中でアトレティコがしっかり守備を機能させチャンスを作らせないというどちらも自分たちのやり方で押していくような形。ボールを持った選手が誰でもクオリティの高い攻撃を仕掛けていけるレアルに対してアトレティコはボールホルダーに前を向かせないという力業で対抗していました。
 レアルの伝家の宝刀であるスピードに乗った突破は一度抜かせてしまうとファウル覚悟でなければ止められないので、どのチームもやっていきたい戦術ではあると思うのですが、やはりプレスを回避して配球できるシャビ・アロンソの欠場が響いているのかここまでしっかりと抑えられてしまう試合は珍しいのではないでしょうか。前半縦のドリブル突破はベイルとディ・マリアの1度ずつくらいとなってしまいました。

 攻撃のポイントを抑えられさらに先制されてしまったことで流れを変えたいレアルはアトレティコの疲れを待つのではなくマルセロとイスコを投入。間違いなく攻めの起点を増やそうという交代で、これによってセンターからの展開のバリエーションが増し左サイドではロナウドがポジションをあけても高い位置で勝負できるようになりました。
 対するアトレティコもラウール・ガルシアに代えてソサを入れて中盤の運動量を確保し速いチェックを継続。徐々に押し込まれる時間帯となっていきますが4-4の守備ブロックに加えてアドリアン・ロペスとビジャまでしっかりと引いて守り確実に数的優位を作ってしのぎます。それでも個で仕掛けられるレアルもすごいのですが。

 後半ロスタイムまでアトレティコが守り切ってもうこのまま終了かと思われましたがこちらもまたCKからセルヒオ・ラモスが同点弾。最後まで流れで崩されなかったあたりアトレティコもがんばったのですがここまででした。延長戦は案の定一方的なレアルペース。もう仕方のないところではありますがビジャしかレアル陣地内でボールを持てないアトレティコに得点の気配はありませんでした。
 ベイルのフィジカルを見せつけるヘディングに続いて途中出場でスタミナが有り余っているマルセロのゴール、ついでにこの日全く仕事をさせてもらえなかったロナウドのPKと公式記録で終わってみれば4-1でレアルが10度目のビッグイヤーを掲げました。アトレティコは89分までリードしほぼゲームプラン通りに勝利を手にしかけていましたが初の栄冠には届かず、シメオネ監督が試合中にもかかわらずピッチ内に入って審判に抗議するなど残念な結果になってしまいました。

 120分で点差はつきましたがいずれにしてもレアル、アトレティコ両チーム共に自分たちのサッカーを高いクオリティで実践し90分間ハードワークできるチームであったことは間違いありません。守備をさぼるFWが許されるのは1人までというのはもはや常識ですし、ボールを繋げないセンターバック、攻撃時に脅威になれないサイドバックもこのレベルになると一段落ちて見えてしまいます。
 組織守備からのカウンターが持ち味と評されているアトレティコにもジエゴ・コスタをはじめ個で勝負できる選手は必要ですし、銀河系軍団レアルも(ロナウドはともかくとして)前線からのベンゼマのチェイスや中盤の選手による囲い込みは不可欠です。アンチェロッティもシメオネも自分のカラーを持ち選手を組んでいくタイプだとは思いますが、この両チームと準決勝で敗れたチェルシーやバイエルンとの違いは極端にどこかに振れるのではなく高いレベルでバランスがとれたチームだったのかなというのを強く感じた大会でした。

19 5月, 2014

セリエA第38節 ミランvsサッスオーロ

 散々だった今シーズンもこの試合で終わりとなります。対する相手は前回の対戦でベラルディの大爆発を許してしまったサッスオーロです。前節破れたことで難しい状況になってしまったEL出場権もまだわずかな可能性を残していますし、最後まで勝点3を求めていきたいですね。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ (89'退場)
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス (68'退場)
  • 21 コンスタン → 81 ザッカルド (63')
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ → 92 エル・シャーラウィ (59')
  • FW
  • 23 ターラブ
  • 11 パッツィーニ
  • 22 カカ → 45 バロテッリ (73')

USサッスオーロ・カルチョ

    GK
  •   1 ポミーニ
  • DF
  • 33 メンデス → 26 テッラノーヴァ (78')
  •   6 アリアウド
  • 28 パオロ・カンナヴァーロ (86'退場)
  •   3 ロンギ
  • MF
  • 45 チブサー → 14 マスッチ (73')
  •   4 マニャネッリ
  •   7 ミッシローリ → 16 ビオンディーニ (46')
  • FW
  • 25 ベラルディ
  • 10 ザザ
  • 17 サンソーネ

 今日はトップにバロテッリではなくパッツィーニが先発。中盤は前節に続いてモントリーヴォ、デ・ヨング、ムンタリの3人をセンターに並べていますが、前線のメンバーが代わっています。前節でほとんど機能しなかった攻撃をどのように作っていけるか。さらにこ今週からミランの下部組織に所属していた15歳のマストゥール君がプロ契約をしてトップチームに登録されベンチ入りしました。おそらく出場機会はないかもしれませんが注目の選手ですね。

Milan 2 - 1 Sassuolo - legaseriea.it

 試合開始前に余談ですがこの試合はシーズン最終節ということで、定番となっている来シーズンのユニフォームのお披露目ともなっています。最大の特徴は胸のエンブレムがミラノ市の象徴であるサンジョルジョの十字になっている点。バルバラが進めているマーケティング面での改革の一環として、クラブのエンブレムが変更されるのではないかとの噂もありますがそれと関係があるのでしょうか。
 映像で見ていると肩のラインが白になり、縦縞の数も減ったことで全体的には今シーズンよりもシンプルな印象です。ここ数シーズン必ず入っているイタリア国旗の3色は背中のベンチレーション部分に採用されていますがやはりアップにならないと目立たないですね。ただ注意深く見ていくと襟のボタンやフォントが変更された背番号など細かいディティールも凝っていてかっこいいと思います。

 そうこうしているうちに試合開始早々ムンタリの豪快なミドルシュートで先制しさい先のいいスタート。ボールを保持して相手に攻撃をさせないことには成功していますが、例によって相手に引かれてしまうとなかなかゴール前を崩せない展開。逆にいいテンポでシュートまで持っていければ可能性を感じる場面は多かったですし、サッスオーロの両サイドには比較的スペースがあったのでコンスタンやデ・シリオのオーバーラップも効果的でした。
 追加点はデ・ヨングによるゴール正面30メートルくらいの位置からのフリーキック。普段プレースキックを蹴る選手がモントリーヴォを除いて軒並みベンチにいる中でデ・ヨングとラミが準備していたのでどう蹴るのかと思いましたが相手の壁に当たってうまくコースが変わる幸運にも助けられて安心できる追加点となりました。

 後半も安定感のある試合運びで要注意のベラルディも単発の攻撃に抑えることができました。エル・シャーラウィを投入してからは若干守備のブロックがあいてしまう場面もありましたし、メクセスの退場によって少し前への重心が薄れた感はあったものの危なげなく時間を使っていけたのはいいところですね。89分にデ・シリオのPK献上と退場によって少し後味は悪くなってしまいましたが、シーズン最終節を勝利で終えられたのは素直に喜ばしいです。

 他会場の結果によってEL出場圏内である6位はパルマに決定しミランの最終順位は8位。来シーズンヨーロッパの舞台には立てなくなりました。全て今シーズンの結果の積み重ねであり自業自得なので受け入れるしかありません。ここ数年ずるずるときてしまったつけを払うためにもまずはクラブの収支面での改善、そしてフリートランスファーの選手を漁るのではなく将来まで見据えたチーム作りのための選手構成を考えるいい機会でしょう。
 今回マストゥールが盛大なプロモーションと共にトップチーム入りしたのはマーケティング的な理由が大きいのでしょうが、エル・シャーラウィ、デ・シリオを筆頭にペターニャ、クリスタンテといったプリマヴェーラ育ちの若手が今後のミランを担っていってくれることを願わずにはいられません。さらにバロテッリやモントリーヴォ、もちろん本田も含め各国代表に選出されたいま世界のトップを走っているメンバーはW杯で活躍しクラブにもいいフィードバックをもたらしてくれると信じています。

12 5月, 2014

セリエA第37節 アタランタvsミラン

 来シーズンもヨーロッパの舞台で戦うために、残り2試合を連勝で終えなければならないミラン。ダービーに勝利したことで希望は見えているのでこの試合でも勝点3を狙っていきたいです。

アタランタBC

    GK
  • 47 コンシーリ
  • DF
  • 77 ライモンディ
  • 29 ベナルアン
  •   6 ベッリーニ
  • 28 ブリービオ
  • MF
  • 17 カルモナ
  • 21 チガリーニ
  • 18 バセッリ → 8 ミリアッチョ (74')
  • FW
  • 11 モラレス → 23 ブリエンツァ (87')
  • 19 デニス
  • 10 ボナヴェントゥーラ → 91 ジュゼッペ・デ・ルカ (68')

ACミラン

    GK
  •   1 アメーリア
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ → 23 ターラブ (76')
  • 10 本田 → 92 エル・シャーラウィ (46'HT)
  • FW
  • 45 バロテッリ
  • 22 カカ → 11 パッツィーニ (80')

 この試合はひさびさに中盤に3枚並べる4-3-1-2のフォーメーションとなっています。セードルフ監督は今シーズン限りというのがもっぱらの噂ですが、このシステムも来シーズンを見据えた首脳陣の指示なのでしょうか。4-2-3-1も機能してきたところだと思うのですがどうなんでしょう。先発メンバーは出場停止のアッビアーティに代わりアメーリアが先発。トップ下に本田、2トップにバロテッリとカカという顔ぶれとなっています。

Atalanta 2 - 1 Milan - legaseriea.it

 センターハーフを3人並べるフォーメーションは人数をかけてバイタルエリアを埋め、相手の攻撃を封じるための守備のシステムととらえられがちですが、前線の人数が少ないだけに勝利を重ねて行くには攻撃時の工夫が大事になります。
 アンチェロッティはピルロを相手のプレッシャーの少ない位置に置いて守備の負担を軽減させることでFWに正確なパスを届け、アッレグリは、ノチェリーノ、ムンタリ、そしていまは監督となっているセードルフを次々と前線に飛び出させることで攻撃に厚みを持たせてきました。

 そしてこの両方でスクデットをとったシーズンで重要だったのが劣勢の時ひとりでも試合を決めることができるシェフチェンコやイブラヒモビッチといったFWの存在でしょう。カウンター1発で相手を置き去りにできるスピード、味方のあがりを待ってボールをキープできる力といったものがないと安定して上位をキープするために必要な負けないチームにはなれない気もします。
 バロテッリは当然その役割を期待されていますが前述したストライカー達のような活躍は見せられていません。その結果としてミランは低迷しアッレグリは解任、セードルフは就任時から4-2-3-1の採用を公言し勝率を上げていることを考えると現状で3センターを採用する意図がよくわからなくなってしまいます。

 今シーズンの総括のような内容になってしまいましたが、この試合に負けたことで上位への進出はほぼなくなってしまいました。ミランの攻撃の時間が少なかったわけではないのですがこれといった形が作れず、最後のブリエンツァによる劇的なスーパーゴールはもう相手を褒めるしかないようなものなので仕方のないところでしょう。
 エル・シャーラウィの復帰やカーサ・ミランのお披露目、新スタジアムの話も進捗があるようですしピッチの中でも外でも今後に向けて長い目で見ていく必要がある時期です。数年後に振り返って13-14シーズンが上昇のターニングポイントになるようにしていきたいですね。もちろん次のサッスオーロ戦にはいい形で勝利して気持ちよくシーズンを終えましょう。

04 5月, 2014

セリエA第36節 ミランvsインテル

 まさに絶対に負けられない戦いであるダービー、もといデルビー。間違いなく世界で最も注目を集める1戦が日本でも大きく取りあげられています。ミランの本田、インテルの長友とそれぞれに日本人が所属し対戦するなんてやっぱり少し前には信じられないことですからね。
 ただ今シーズンのミランはまさに崖っぷち。残り3試合を残してEL出場圏内の5位インテルまで勝点差6なのでそういう意味でも必ず勝っておかなければいけない試合です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン → 20 アバーテ (86')
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 18 モントリーヴォ
  • 16 ポーリ → 4 ムンタリ (72')
  • 22 カカ → 11 パッツィーニ (76')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 23 ラノッキア
  • 25 サムエル
  • 35 ロラン
  • MF
  •   2 ジョナタン → 11 リカルド・アルバレス (78')
  • 10 コヴァチッチ
  • 19 カンビアッソ → 13 グアリン (70')
  • 88 エルナネス
  • 55 長友
  • FW
  •   8 パラシオ
  •   9 イカルディ → 22 ディエゴ・ミリート (82')

 怪我明けの本田はベンチスタートとなっていますがこの試合に合わせてデ・シリオが復帰、そしてエル・シャーラウィがベンチ入りしています。

Milan 1 - 0 Inter - legaseriea.it

 インテルはいつも通りウイングバックを最終ラインまで下げて5-3-2の形で守り、ボールを奪ってから前線のパラシオまではやく運んでシュートまで持っていこうとしてきます。パラシオ、イカルディまでが守備に参加してくるとどうしても攻撃のスペースは消されてしまうために崩しのアイデアが必要ですね。
 カカとターラブが入れ替わってみたりバロテッリが降りてきたりとここ数週間はいろいろと試行錯誤をしているのですがやはり厚い壁に跳ね返される展開。結局シーズンを通して最終的に武器となる形は確立されなかったように思います。

 前半はミランがボールを保持する時間が長かったのですが、後半は早々からインテルがラインを高めにして攻撃に出てきます。それでもデ・ヨングを中心にスピードに乗った攻撃を許さずしのいでいたので徐々にペースも取り戻し両チーム共に大きなチャンスを作るのが難しい時間帯が続きました。
 ミランは前線で停滞してしまうと個人での打開頼みに、インテルは相手の守備ブロックができてしまう前に打ち切らないとゴールに迫れないという弱点が大きく現れた試合になりましたが、やはりこのあたりがミラノのチームがスクデット争いに加われない理由なのか唯一の得点はセットプレーからでした。バロテッリは最近シュートだけでなく人に合わせるボールも高いクオリティで蹴れるようになっているのが素晴らしいですね。

 内容はともかくダービーで勝利したということはまずかなり喜べる材料です。本田の出場がなくあまりレベルの高い試合ではなかったことで日本ではいろいろと批判もありそうですが、なによりも勝点3を獲得して今シーズンの順位に希望が持てただけでも御の字でしょう。残り2試合しっかりと勝ちきってEL出場への切符をつかみ取りましょう。

28 4月, 2014

セリエA第35節 ローマvsミラン

 5連勝で2位ローマとの戦いを迎えたミラン。目標であるEL出場権の獲得に向けて5位インテルとの勝点差は5、さらに来週にはインテルとのダービーも控えておりまさに大一番となる一戦です。

ASローマ

    GK
  • 26 デ・サンクティス
  • DF
  • 13 マイコン → 35 トロシディス (83')
  •   2 ラファエウ・トロイ
  •   5 カスタン
  •   3 ドド
  • MF
  • 15 ピアニッチ → 11 タッデイ (86')
  • 16 デ・ロッシ
  • 44 ナインゴラン
  • FW
  • 27 ジェルヴィーニョ
  • 10 トッティ → 24 フロレンツィ (77')
  •   8 リャイッチ

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ → 15 エッシェン(58')
  • 10 本田 → 7 ロビーニョ(80')
  • 22 カカ
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ → 11 パッツィーニ(69')

 本田が3試合ぶりに怪我から復帰し先発出場しているほか、右サイドバックにはボネーラが入っています。ローマ

Roma 2 - 0 Milan - legaseriea.it

 試合が始まってまず感じたのがモントリーヴォ、ムンタリが攻撃時に非常に高い位置をとっていることでした。最近はロビーニョやターラブといった2列目のサイドの選手が中に絞ってサイドバックが上がっていくことが多かったのですが、この試合の序盤ではサイドに張ってボランチの2人がバイタルエリアに入り、そのスペースはボネーラかコンスタンが埋めていました。
 ローマはとにかく両サイドからの突破とバイタルエリアの使い方が素晴らしいチームなので、選手の起用も含めてサイドバックがあまり上がっていくリスクを冒したくないという判断だったのかもしれません。ただそうなると今度はDFラインがボールを持ったときに中盤から降りて顔を出す選手がいなくなってしまい、ビルドアップがほとんどできなくなってしまうことに。ロングボールはデ・ロッシをはじめ中盤で中を固めている選手がきっちりとフィルターを作っているためになかなか通りませんし難しいところですね。

 前線まで運べないミランに比べてローマは攻め手の多彩さが際立っていました。前線で人もボールも動くサッカーをやっているチームというのがすごくよくわかります。ポゼッションもでき仕掛けるための動きもでき、さらに個人で打開できる選手もいる非常におもしろいチームですね。
 それでも前半はかなり耐えていたのですが、43分にピアニッチの文句のつけようのないドリブルから先制されてしまいました。体重移動と足先だけでモントリーヴォとメクセスを抜き去ったドリブルは見事と言う他ありません。アッビアーティもよく反応して触っていましたがあそこまで突破されてはどうしようもないですね。

 後半も有効な攻め手がないままローマのポゼッションで試合が進み、ジェルビーニョがゴール前でつめて追加点。いい位置でボールを受けることができなかったバロテッリに代わってパッツォが入るもリーグ最少失点のローマ守備陣に仕事をさせてもらえず。カカとターラブのドリブルが止められてしまうと得点の気配がなくなってしまいますね。
 5連勝でいい試合をするようになってきたとはいえ、まだまだ上位相手には全く通用しないところがありありと出てしまいました。これでユーヴェ、ナポリに続いてCL圏内のチームには全て完敗。次節はEL圏内を争っている相手でもあるインテルが相手ですが、ダービーという意味だけでなくここで勝てなければ上位進出の目は完全にたたれてしまうわけで絶対に勝って欲しいです。

20 4月, 2014

セリエA第34節 ミランvsリヴォルノ

 4連勝と今シーズンなかったくらいに波に乗っているミラン。といっても既に今シーズンも残すところ5試合となり、EL出場権内という目標に向けてひとつも落とせない試合が続きます。相手のリヴォルノも残留争いの最中で必死になってくることが予想されるだけにつまずかずにいきたいですね。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 34 デ・ヨング → 4 ムンタリ (66')
  • 18 モントリーヴォ
  • 23 ターラブ
  • 22 カカ → 11 パッツィーニ (74')
  •   7 ロビーニョ → 8 サポナーラ (82')
  • FW
  • 45 バロテッリ

ASリヴォルノ・カルチョ

    GK
  •   1 バルディ
  • DF
  • 33 バレンティーニ
  • 77 リナウド
  •   7 カステッリーニ
  • MF
  •   2 ピッチーニ
  • 24 ベナッシ → 21 ベルフォディル (82')
  • 11 メスバー → 26 シリガルディ (57')
  • 19 グレコ
  • 41 ダンカン
  • FW
  •   9 パウリーニョ
  • 20 エメガラ → 14 モスケラ (73')

 セードルフ監督が就任してから出場機会の減っていたロビーニョがひさびさに先発メンバー入りしています。使いどころの難しい選手ではありますがいい形でボールを持てれば違いを作り出せる存在だけにここで結果を出してセードルフの頭を悩ませて欲しいですね。そしてリヴォルノには昨シーズンまでミランに在籍していたメスバーがいます。前節のキングスレー・ボアテングといいこういう選手にも頑張って欲しいと思ってしまいます。

Milan 3 - 0 Livorno legaseriea.it

 試合開始早々からフィールドプレーヤー全員が自陣低い位置に下がって守備を固めるリヴォルノ。ボールを奪ったらエメガラに預けてとにかく縦へといういかにもプロビンチャな戦術です。
 ただセリエのクラブにゴール前を固められるとこじ開けるのが難しいのも事実で、簡単な放り込みではなかなかいい形でシュートまで持っていけません。サイドからえぐっていったり斜めに入り込む動きでチャンスを作れそう気配はあるのですが、システマチックにそういう動きをする選手が少ないために個人のアイデアで単発の攻撃になってしまいました。

 そんな試合で効いてくるのがやはりバロテッリの存在でした。攻撃が手詰まりになりそうなところでコンスタンからのクロスを身体能力でゴールまで持っていってしまう様はさすがですね。この人がもう少しDFラインをかき回す動きをしてくれたら、または狭いエリアで自由にボールをコントロールできたら、と思うところもなくはないですが非常にストライカー然としたゴールで試合の雰囲気を作ってくれました。

 後半開始早々にターラブの追加点で引き離すとリヴォルノに反撃の力は残っておらず、残りの時間をゆっくりとミランペースで進めることができ、まさに力を見せつけた試合で安心して見ていられました。デ・ヨングが次節出場停止となったのは痛いですがムンタリも復帰しコンディションは悪くなさそうですし、ローマ戦に向けても弾みがつきます。ここまで下位のチーム相手に5連勝と絶好調とも言える状態ですが上位相手にどこまでやれるか、ローマに対してここ数試合やってきたようなポゼッションサッカーはできないでしょうし守備の穴は確実についてくるでしょうから正念場となりそうです。

14 4月, 2014

セリエA第33節 ミランvsカターニア

 3連勝で波に乗ってきたミラン。本田のリーグ初ゴールも大きいですがなんと言っても3連勝が今シーズンまだなかったということの方が驚きです。やはりひどいシーズンですがとにかく勝点5差のEL圏内に向けて残り試合を勝ち続けないといけません。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン → 28 エマヌエルソン (78')
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  • 16 ポーリ → 20 アバーテ (74')
  • 22 カカ → 11 パッツィーニ (87')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ

カルチョ・カターニア

    GK
  • 21 アンドゥハル
  • DF
  • 24 ギェンベール
  •   3 スポッリ
  •   5 ロリン
  • 18 モンソン
  • MF
  • 15 リナウド (79'退場)
  • 10 ローディ
  • 11 レト → 19 カストロ (59')
  • 28 バリエントス
  •   8 プラシル → 13 イスコ (77')
  • FW
  •   9 ベルヘッシオ → 23 キングスリー・ボアテング (82')

 本田が足首の負傷で欠場していること以外はここ数試合固まってきた先発メンバー。チームもうまくまわっていますし無理に変える必要はないですね。デ・シリオ、エル・シャーラウィといった怪我人が戻ってくればまた新たな要素となりそうなのでそれはまた楽しみなところです。

Milan 1 - 0 Catania - legaseriea.it

 前節のジェノア戦に続いてミランも攻めているのですが相手に攻め込まれるシーンも多い立ち上がり。カターニアの攻撃のクオリティも現在最下位とは思えないいいものでしたが少し攻め込まれすぎではないでしょうか。
 特に前線の選手がプレッシャーをかけてロングボールを蹴らせているのに、後ろの選手がしっかりとついていないためにそのまま攻められてしまったところなんかはチームとして機能しているとは言い難いです。まあアッレグリ監督時代からずっと前線でのプレッシャーを基本にした守備なんてやっていなかったのでこれからの部分なのかもしれませんが。

 中盤の守備の問題点はわりとモントリーヴォに顕著だったのですが、逆に攻撃面では彼の持ち味である視野の広さとボールタッチが活きていました。デ・ヨング、エッシェン、ムンタリといったハードワークを信条とする選手達とは一線を画すプレーは前節ジェノア戦でも見られましたがここにきてやはり存在感があります。得点シーンもボールが少し流れてしまったような感じに見えましたがしっかりと振り抜いてゴール左隅に決めてきました。

 その1点が決勝点となり、最後はしっかりと時間を使い切ってひさびさにウノーゼロでの勝利。カターニアは結果が出ていないからかいらだつ場面が多く自滅のような形でもありました。ようやく連勝で自分たちのいいリズムを作れていますし2週間後のローマ戦、そしてその翌週のダービーに向けて次節リヴォルノ戦も結果と内容共にいい流れを継続していきたいですね。

12 4月, 2014

セリエA第32節 ジェノアvsミラン

 シーズンも残り10試合を切ったあたりでようやく上昇しはじめたミラン。あまりにも遅すぎるスタートですが来シーズンのEL出場権獲得という目標も見えてきたのでこのまま今シーズン初となる3連勝を見たいところです。

ジェノアCFC

    GK
  •   1 ペリン
  • DF
  •   8 ブルディッソ
  •   4 ドゥ・マイオ
  • 15 マルケーゼ
  • MF
  • 21 マルコ・モッタ
  • 69 ストゥラーロ
  • 91 ベルトラッチ
  • 13 アントネッリ → 77 コナテ (83')
  • FW
  • 18 フェトファツィディス → 16 カライオ (82')
  • 11 ジラルディーノ
  • 10 スクッリ → 26 セントゥリオン (69')

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 18 モントリーヴォ
  • 10 本田
  • 22 カカ → 16 ポーリ (88')
  • 23 ターラブ → 14 ビルサ (83')
  • FW
  • 11 パッツィーニ → 45 バロテッリ (74')

 モントリーヴォが怪我から復帰し、メクセスが出場停止明けで先発メンバーに入りました。連勝中でいい流れなので基本的なメンバーは変えたくないところですがバロテッリがコンディション不良ということでベンチスタートとなっています。

Genoa 1 - 2 Milan - legaseriea.it

 ミランは連勝中ということで立ち上がりから積極的に前から仕掛けていきます。ジェノアも中盤より前でプレッシャーをかけてきていたので序盤からテンションの高い試合となりました。その分ジェノアのエリアにはスペースがあり、うまくそこに入って後ろからパスをもらえれば前を向いてチャンスを作ることができました。モントリーヴォなんかはプレスをかわしていいパスを出せる技術を持っていますし5バックで引いて守られるよりは攻撃の形を作りやすかったかもしれません。
 ただ前半は先制したもののジェノアがボールを保持する時間が長く、浮き球でジラルディーノに当てる形が機能していたために危ないシーンも多く作られてしまいました。ジラルディーノの強さとアイデアもさることながら、まわりの選手をしっかりと見て落としたりセカンドボールをきっちり拾っていたところはミランからすると対策しなければならないところじゃないでしょうか。

 後半も本田のリーグ初ゴールでリードを広げ楽になったかと思いきや依然としてジェノアのシュートシーンが目立つ展開。ゴール前に人数をかけてスペースは潰しているものの最後のところで寄せ切れていないためにしっかりと打ち切られてしまっていました。結果としては勝利で終えられたのでよかったですし、こういう試合でも勝ちきれるようになったという見方もできますが、攻撃がうまくまわりはじめただけに守備の面でも改善していって欲しいですね。

31 3月, 2014

セリエA第31節 ミランvsキエーヴォ

 アウェー2連戦を1勝1分けで終えセードルフ監督の首もなんとかつながった状態。前節はいい形で終えられましたし連勝でこの勢いを継続していきたいところです。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  • 81 ザッカルド
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 34 デ・ヨング → 16 ポーリ (60')
  •   4 ムンタリ → 15 エッシェン (45')
  • 10 本田
  • 22 カカ → 7 ロビーニョ (74')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ

ACキエーヴォ・ヴェローナ

    GK
  • 25 アガッツィ
  • DF
  • 17 サルド
  • 21 フレイ
  •   2 ベルナルディーニ
  •   3 ダイネッリ
  • 93 ドラメ → 12 ツェサル (68')
  • MF
  • 56 ヘテマイ → 23 グアレンテ (77')
  •   9 ベンティヴォッリョ
  •   8 ラドヴァノビッチ
  • FW
  • 10 オビンナ → 77 テレオー (63')
  • 43 パロスキ

 厳しい日程ですが前線のメンバーは前節と変わらず。メクセスとコンスタンが累積警告により出場停止なので試合終了間際に守備固めで投入されたザッカルドがひさしぶりの先発となっています。

Milan 3 - 0 ChievoVerona - legaseriea.it

 試合開始早々の4分にラミからのクロスをバロテッリが見事なボレーシュートで先制。強烈なキック力のある選手ですがしっかりと当てるだけのシュートも落ち着いて決めてきました。さらには本田の綺麗なクロスから完全にフリーになったカカが追加点を決め素晴らしいゲームになりそうな予感。どちらも右サイドからのアシストでしっかりと相手のウイークポイントを突いていきました。
 本田がバロテッリからのボールを外したシーンに関してもボールを奪ってからの縦の意識が相手よりも速かったですし、1点目も3点目も一度跳ね返されてからしっかり拾ってシュートまで持っていったことによる得点なので形としても評価できるんじゃないでしょうか。試合終盤でロビーニョが入ってからも前線の選手が近い位置で絡んでキエーヴォの最終ラインを混乱させていました。最後に与えてしまったPKもこういった試合では盛り上がり要素として見ていられます。

 なにはともあれ24節ボローニャ戦以来の連勝、さらにカカのミランでの公式戦300試合目というということでひさびさに気分のいい週末となりました。そして長らく離脱していたエル・シャーラウィの復帰の時期が徐々に近づいてきたということで好材料もありますしシーズン終了までこの連勝をしっかり伸ばしてなんだかんだでEL出場権を確保してしまったりするのを期待しています。

29 3月, 2014

セリエA第30節 フィオレンティーナvsミラン

 前節引き分けで連敗は止まったもののいまだ上昇の兆しの見えないミラン。ミッドウイークのリーグ戦はシーズン前半で完敗を喫したフィオレンティーナのホームに乗り込んでの1戦です。

ACFフィオレンティーナ

    GK
  •   1 ネト
  • DF
  • 40 トモヴィッチ → 27 ヴォルスキ (67')
  •   2 ロドリゲス
  • 15 サヴィッチ
  • 23 パスクアル → 4 ロンカリア (18')
  • MF
  • 14 フェルナンデス
  • 21 アンブロジーニ
  • 20 バレロ
  • FW
  • 11 クアドラード
  • 32 マトリ
  • 17 ホアキン → 30 マトス (79')

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • 10 本田
  • 22 カカ
  • 23 ターラブ → 14 ビルサ (79')
  • FW
  • 45 バロテッリ → 81 ザッカルド (89')

 今日の前線はバロテッリをトップに右から本田、カカ、ターラブ。ここのところファーストチョイスとなっていたポーリの出場停止もありますがあまり結果が出ていなかった組み合わせだけにどう変化させてきているか期待ですね。さらにラツィオ戦で負傷交代したデ・シリオはメンバーから外れ、ボネーラが右サイドバックで先発しています。
 フィオレンティーナには昨シーズン限りでミランを退団したアンブロジーニに加え、今シーズン途中で移籍したマトリが先発とおひさしぶりの顔ぶれが見られました。

Fiorenatina 0 - 2 Milan - legaseriea.it

 序盤はターラブによる積極的な仕掛けとカカの降りて受ける動きからの展開が目立ちます、フィオレンティーナの方もサイドからのクロスを中心にいい形を作ってきていたため安心はできませんでしたが停滞することなくテンポのいい立ち上がりとなりました。

 攻撃に関しては前線の選手のプレーエリアが目に見えて変わってきたような印象で、自分のポジションに固執することなくスペースに入っていく選手が増えてきたような気がします。主に本田とターラブですがやはりセンターに入ってきたときの方が怖い攻撃ができますし、バロテッリとカカも意図的にバイタルエリアをあけるような動きをしていました。
 しかし、その分守備の面でも難しいところが出てしまい、中盤の守備に関してはフィオレンティーナにうまく運ばれてしまう場面も多く見られました。デ・ヨング、ムンタリのコンビは後ろを向いてボールを受けた相手に対しては安定感があるのですが、彼らが相手の中盤の選手が降りていくのについていった後のスペースを誰も見ていなかったり、サイドから斜めに入ってきた選手に対してしっかりついていかなかったりと、失点こそなかったもののミランのバイタルエリアもうまく使われてしまっていましたね。本田もポジショニングが悪かったり少し遅れてのタックルが目立っていたような気がします。

 ワントップのバロテッリがそのプレースタイルも考えると守備への貢献が期待できないので、中盤の選手に関しては守備の献身性も求めていきたいところですがまだそこまでしっかりと整備できる状況ではないのでしょうか。監督の指向としても守備ブロックの構築に手腕を発揮したアッレグリに比べてセードルフはもう少し緩い気もしますし。
 ただこれまでの試合に比べて攻撃の形が機能してきたのは間違いなく、好調のフィオレンティーナに対して完勝をあげたことは喜ばしいです。シーズンも終盤になってきて最終順位を見据えた追い上げを期待しましょう。

24 3月, 2014

セリエA第29節 ラツィオvsミラン

 CL敗退に続いてリーグでも3連敗ともはや内容とか言っていられない状態のミラン。あいかわらず怪我人も多い状態ですがなんとか上を向いていきたいところです。

SSラツィオ

    GK
  •   1 ベリシャ
  • DF
  • 29 コンコ
  • 20 ビアーヴァ
  • 85 ノヴァレッティ
  • 26 ラドゥ
  • MF
  • 15 アルバロ・ゴンサレス → 6 マウリ (87')
  • 24 レデスマ
  •   5 ビリア → 23 オナジ (79')
  • FW
  • 87 カンドレーヴァ
  • 34 ペレア → 19 ルリッチ (54')
  • 14 ケイタ

ACミラン

    GK
  • 32 アメーリア
  • DF
  •   2 デ・シリオ → 20 ボネーラ (84')
  • 13 ラミ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 15 エッシェン
  • 10 本田 → 45 バロテッリ (54')
  • 16 ポーリ → 4 ムンタリ (75')
  • 22 カカ
  • FW
  • 11 パッツィーニ

 アッビアーティが前節での退場により出場停止、モントリーヴォとアバーテが負傷により欠場とこの試合もまた先発メンバーが安定しません。前線のパッツォ、本田、ポーリ、カカの組み合わせにも注目です。

Lazio 1 - 1 Milan - legaseriea.it

 高い位置で張っている3トップを警戒してか、立ち上がりは慎重なミラン。特にカンドレーヴァのサイドに関してはコンスタントエッシェンがかなりポジショニングを気にしていたような印象です。さらに最終ラインでボールを持ったときもペレアをはじめ積極的にプレッシャーをかけてきていたのでなかなかビルドアップができない状態。つないでいこうという意思は見られるもののメクセス、ラミともにそこまで足元がうまいわけではなく、中盤の底にモントリーヴォもいないのでいいボールが速く前線に届けられる場面はほとんどありませんでした。

 ラツィオはまず前線に預けて中盤が上がっていく攻撃を仕掛けてきていたので全体の距離が伸びていても問題はないのですが、ミランはパッツィーニひとりにそこまでのキープ力は期待できず。自然とカカが絡んで縦に速いカウンターが主体となっていきます。先発メンバーの選択を考えても守備を重視した試合だということを感じられましたがシュート本数も少ないですしバランスが難しいところですね。

 後半にはバロテッリを中盤で投入、さらにあまりボールに絡めなかったポーリに代えて運動量のあるムンタリを投入しますが前線を安定させるまでにはいたらず。結局1-1での引き分けとなりました。内容を考えればある程度意図したとおりの試合でしたし悪い結果ではないのでしょうが、現在の順位や監督解任の報道に対して結果で答える形にはなりませんでした。今週はミッドウイークにアウェーでのフィオレンティーナ戦と日程的にも厳しいところですし、途中交代したデ・シリオの状態も気になります。まだしばらくは安心して試合を見ていられる環境ではないですね。

 

17 3月, 2014

セリエA第28節 ミランvsパルマ

 アトレティコ・マドリードに2戦合わせて1-4という完敗を喫しヨーロッパの舞台から姿を消したミラン。来シーズンのCL出場はもはや絶望的、ELの出場権ですら高いハードルという状況ですが、ひとつでも順位を上げていかなければなりません。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ (7'退場)
  • DF
  • 20 アバーテ
  •   5 メクセス
  • 25 ボネーラ → 11 パッツィーニ (66')
  • 28 エマヌエルソン → 13 ラミ (53')
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 15 エッシェン → GK 1 アメーリア (7')
  • 16 ポーリ
  • 18 モントリーヴォ
  • 22 カカ
  • FW
  • 45 バロテッリ

パルマFC

    GK
  • 83 ミランテ
  • DF
  •   2 カッサーニ
  • 19 フェリペ
  •   6 ルカレッリ
  •   3 モリナーロ
  • MF
  • 30 アックア → 24 ムナーリ (80')
  • 32 マルキオンニ → 20 オビ (72')
  • 16 パローロ
  • FW
  • 23 スケロット
  • 99 カッサーノ → 11 アマウリ ('63)
  •   7 ビアビアニー

 この試合はモントリーヴォがトップ下に入り両サイドにポーリ、カカが入っています。4-2-3-1を基本としながらもなかなかメンバーが定まらない今のミランですが、良くも悪くもリーグに集中できる状況になったことでこのあたりも今後注目していきたいところです。

Milan 2 - 4 Parma - legaseriea.it

 今日もメンバーをいじってきたセードルフ監督ですが、試合開始早々にアッビアーティが退場したことでモントリーヴォのトップ下起用は短い時間で終わってしまいました。その後はデ・ヨングを中心に置いてモントリーヴォとポーリがセンターで自由に動き、カカが高い位置で攻撃に絡んでいくような形。モントリーヴォ、ポーリには守備のタスクが課されているような印象でしたが、カカは常に高い位置を保っていたのでそこから攻撃のスピードアップを狙っていたのでしょうか。

 試合開始直後の失点でまたずるずるといってしまうのかという雰囲気にはなりましたが、前線の選手がよく動いてパルマの守備ブロックのスペースを突いていったことで徐々にミランの動きもよくなってきました。カウンターからサイドをえぐられて2失点目を喫したものの、ラミが投入直後にセットプレーからのヘディングで1点を返すとさらにはこの日よくサイドに開いていたモントリーヴォが斜めに走って裏をとってPKを獲得。バロテッリがしっかりと決めて同点にまで持っていったので完全にミランペースとなったような感じです。
 しかし追いついたところで足が止まったのか2分後にはまたしてもサイドからアマウリに技ありのシュートを決められてしまい再び勝ち越され、アディショナルタイムに4失点目と苦い結果となってしまいました。カッサーノが退いてからもしっかりと攻撃の形を作られていたのでまずい守備でしたね。

 モントリーヴォのトップ下起用がどうなるかは見られませんでしたが途中出場のラミが直後に得点したこと、さらにポーリのサイドバック起用などセードルフ監督の采配が徐々におもしろくなってきているような気はします。今日の試合においては監督の指示かどうかわかりませんがやることもはっきりしていたような印象ですし、チームがよくなってきているのは間違いないのですがいかんせん時間もありません。結果が出なければやはりクルヴァ・スッドもガッリアーニも納得しないのでしょうね。

09 3月, 2014

セリエA第27節 ウディネーゼvsミラン

 今シーズンはミランも絶不調ですが、今日の相手も15位と低迷しているウディネーゼ。絶対的エースのディ・ナターレを中心に固い試合運びをしていたチームだけに油断はできませんが、絶対に勝っておかなければいけない一戦です。

ウディネーゼ・カルチョ

    GK
  • 22 スクフェット
  • DF
  • 75 ウルトー
  • 11 ドミッツィ
  •   6 ブブニッチ
  • MF
  • 27 ウィドマー
  • 66 ピンツィ → 7 バドゥ (85')
  • 37 ロベルト・ペレイラ → 8 バスタ (89')
  • 34 ガブリエウ・シウヴァ
  •   3 アラン
  • FW
  • 32 ブルーノ・フェルナンデス
  • 10 ディ・ナターレ → 9 ムリエル (77')

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ → 23 ターラブ (71')
  • 10 本田
  • 14 ビルサ → 15 エッシェン (57')
  •   7 ロビーニョ → 45 バロテッリ (63')
  • FW
  • 11 パッツィーニ

 まずセンターバックにサパタとメクセスが復帰しひさしぶりにこの2人のコンビとなりました。そして前線がワントップにパッツィーニ、2列目に右から本田、ビルサ、ロビーニョという珍しい組み合わせ。もちろんミッドウイークのCLも見据えての今日の布陣なのかもしれません。

Udinese 1 - 0 Milan - legaseriea.it

 立ち上がりはホームのウディネーゼが比較的ペースを握って試合を進めていく展開。特に中盤で選手同士が近い距離を保ってつないでいくためにミランのプレッシャーが簡単にかわされてしまっていました。はじめはボールを取られてから素早い前プレをかけていく意識が見られたもののウディネーゼに裏を取られる危険性が増すだけの結果となってしまいました。セードルフが監督になってから守備ブロック、特にバックラインと中盤の距離に関してはいろいろ試行錯誤しているのが感じ取れますがなかなか解決策は見つからないようです。

 その後も守備陣と前線の連携がなかなかとれず。サイドで数的優位を作って起点になるような動きや後ろからのボールをもらおうとする動きは見られるもののうまく攻撃につないではいけませんでした。エッシェンが入ってからはムンタリがセンターの4-2-3-1、または本田とロビーニョ、代わって入ったバロテッリが中に絞った4-3-2-1のような形でサイドバックが積極的に上がり形をつくっていこうとしていたのでしょうがなかなかうまくボールをつないでいけないうちに67分の失点。中盤も最終ラインも枚数は足りていたはずなのですがどうしてこうも簡単に突破されてしまうのでしょうね。

 直後に投入されたターラブも積極的に仕掛けてはいきましたが流れを変えることはできず、この1点を守り切ったウディネーゼに勝点3を献上してしまいました。さらにハードスケジュールの主力を休ませることにも失敗してしまい完全によくない流れです。ミッドウイークのCLではスペインでの試合となりますし第1戦でのビハインドを跳ね返すことができればいいのですが本当に厳しい状況ですね。

03 3月, 2014

セリエA第26節 ミランvsユヴェントス

 質の高いサッカーで首位を走るユーヴェと実に勝点差31をつけられて迷走を続けるミラン。ナポリ戦でも上位陣にはしっかりとやられてしまいましたがこの試合ではどうなるでしょうか。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 18 モントリーヴォ → 10 本田 (70')
  • 23 ターラブ → 7 ロビーニョ (75')
  • 16 ポーリ → 8 サポナーラ (53')
  • 22 カカ
  • FW
  • 11 パッツィーニ

ユヴェントス

    GK
  •   1 ブッフォン
  • DF
  • 15 バルザーリ
  • 19 ボヌッチ
  •   4 カセレス
  • MF
  • 26 リヒトシュタイナー → 20 パドイン (83')
  •   6 ポグバ
  • 21 ピルロ
  •   8 マルキージオ
  • 22 アサモア
  • FW
  • 10 テベス → 12 ジョビンコ (90+2')
  • 14 ジョレンテ → 18 オズヴァルド (90')

 デ・シリオ、バロテッリ共に大一番には間に合わず欠場。バロテッリは昨シーズン加入してから一度もユーヴェ戦には出場していないようで、この組み合わせには縁がないのでしょうか。前線はワントップにフェイスマスクで精悍に見えるパッツィーニ。2列目に右からターラブ、ポーリ、カカという並びとなっています。

Milan 0 - 2 Juventus - legaseriea.it

 立ち上がりはあわてるような場面が多くひやひやさせられましたが、前半は比較的ミランがボールを保持してユーヴェを抑え込んでいくような展開。パッツォとポーリがよく動いて前線のスペースを使えていましたし、カカとターラブの前への推進力によってカウンターも効果的に発動していて得点に結びつきそうなチャンスはあったもののゴールを割るまでにはいたらず。逆にロングボールから後ろの選手が飛び込んでくる形でユーヴェに先制を許してしまいました。ミランの守備陣は本当に視野の外から入ってくる相手を捕まえられませんね。

 後半始まってすぐに前半いい動きをしてキーマンとなっていたポーリが怪我によって交代。サポナーラは守備は安定するのですが攻撃時には相手の最終ラインに吸収されてしまうことが多く、狭いエリアで違いを出せる選手ではないのでトップ下としてはあまり効果的なポジショニングができているとは言い難いですね。
 2失点目は降りてきたテベスに対して誰もアプローチにいかなかったところを強烈なミドルシュート。最前線までドリブルで運んでからピルロと同じ位置にまで下がったテベスもさすがですが、トップレベルの試合であのポジションをあけてしまうのは守備ブロックとしては厳しいのではないでしょうか。

 2点差となったところでモントリーヴォに代えて本田を投入し攻撃への姿勢を取りますが守備に入ったユーヴェのゴールは今のミランでは遠く、ロビーニョも落ち着いてボールを持たせてもらえずにそのまま試合終了となりました。
 結果だけ見れば完敗ですが前半の攻撃によって先制できていればといった気持ちが残る試合です。逆に言えば試合巧者のユーヴェにうまくいなされたとも言えますが、停滞したまま何もできなかったナポリ戦に比べればまだおもしろい場面が見られました。この試合で先発だったメンバーのいいところと出場機会のなかったメンバーのいいところがうまく組み合わさってくれればいいチームになりそうなのですが。具体的にはバロテッリとパッツォの共存は難しいんですかね。

24 2月, 2014

セリエA第25節 サンプドリアvsミラン

 ミッドウイークのCLアトレティコ・マドリード戦では0-1で試合に敗れはしたものの、内容は悲観するものではないと選手達のコメントもポジティブなものが多かったです。第2戦で逆転してベスト8へ進出するためにも週末の試合でいい流れを作っていきたいところ。シーズン途中で監督をミハイロビッチに交代してからは着実に順位を上げてきているサンプドリアが相手です。

UCサンプドリア

    GK
  •   1 ダ・コスタ
  • DF
  • 44 フォルナシエール
  •   8 ムスタフィ
  • 19 レジーニ
  •   3 アンドレア・コスタ
  • MF
  • 17 パロンボ
  • 14 オビアング → 7 マキシ・ロペス (56')(72'退場)
  • 11 ガッビアディーニ
  • 10 クルスティチッチ → 5 レナン (81')
  • 15 ヴショウェク → 21 ソリアーノ (46')
  • FW
  • 23 エデル

ACミラン

    GK
  •   1 アメーリア
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 81 ザッカルド
  • 13 ラミ
  • 21 コンスタン → 28 エマヌエルソン (76')
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ → 15 エッシェン (63')
  • 10 本田
  •   8 サポナーラ → 16 ポーリ (57')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 11 パッツィーニ

 バロテッリ、デ・シリオがアトレティコ・マドリード戦での負傷、アッビアーティが風邪で招集メンバーから外れています。さらにカカがコンディションの問題かミッドウイークに向けた温存かサポナーラが先発しています。それにしても今季は風邪が流行っているなあ……

Sampdoria 0 - 2 Milan - legaseriea.it

 試合開始直後はサンプドリアがわりと高い位置でボールをキープしていく展開。バロテッリ、カカの不在で後ろからのパスが多少荒くても簡単に収めてくれたり単身ドリブルでカウンターを仕掛けていける選手がいないので確実なビルドアップができないと厳しいですね。特にラミは積極的にロングボールを蹴っていましたがなかなかパッツォのタイミングとは合っていません。それでもこの試合のパッツォは気合い十分といった感じで献身的にボールを追っていましたし、モントリーヴォとはやはり息が合うのかいいタイミングで裏を狙っていました。
 2列目の選手もいつもと違う崩し方を狙っているようでサポナーラはカカのような突破はできないものの相手の最終ラインとの駆け引きやスペースを使う動きはカカよりも仕掛けている印象でした。報道ではサイドに開くことを要求しているというセードルフ監督の意図はわかりませんが本田とターラブも積極的にセンターに入ってシュートまで狙っていく姿勢を見せていました。

 前半のうちにターラブがミランに加入して2点目となる先制点を挙げて少し落ち着くことはできましたがそれでもまだサンプの攻撃は続きます。基本的には右サイドで好調のガッビアディーニを起点にバイタルに入り込んだ選手との連携で崩す。もしくは左サイドからの放り込みも何度か見られました。まあいまのミラン相手ならこの方法が効果的ですよね。
 ただミランもアッレグリが最後の頃に採用していたクリスマスツリーから4-2-3-1にシステムを変更したことで4-4の守備ブロックが基本になり、両サイドハーフがしっかり戻っているときはしっかりと守れていました。前半はサイドで数的優位を作られたときにトップ下の守備が欲しい場面もありましたがなんとかしのげていましたし。守備に関してはサポナーラよりも後半途中から交代したポーリの方がしっかり気を利かせている感じでした。

 本当に少しずつですが変わっていているチームを見ていてこの試合は非常に楽しかったです。カカとデ・ヨングをしっかり休ませて勝利したということと、その代わりに入った選手が単なる代役ではなくチーム全体で違うやり方をしていこうとしていたのがおもしろいですね。この試合においてはサンプドリアががっつり引いて守るのではなくある程度前線にスペースがあったことも幸いしてこれまでとは違う攻撃の仕掛けが見られました。今後エル・シャーラウィが戻ってくればまた違う特徴を持った選手ということで新しい展開が見られるのではないかと期待できるのではないかと。まずは次節のユーヴェ戦に向けて全員のコンディションを整えて積極的な試合をしていって欲しいですね。

21 2月, 2014

UEFA CL第1戦 ミランvsアトレティコ・マドリード

 チーム状態は非常に悪いですがそれでもCLでベスト16に進出したミラン。優勝までは長い道のりですが、なんとか勝ち残っていくために大事なホームでの第1戦です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ → 20 アバーテ (26')
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 15 エッシェン
  • 34 デ・ヨング
  • 16 ポーリ → 21 コンスタン (85')
  • 22 カカ
  • 27 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ → 11 パッツィーニ (78')

アトレティコ・マドリード

    GK
  • 13 クルトゥワ
  • DF
  • 20 フアンフラン
  • 23 ミランダ
  •   2 ゴディン
  • 22 インスーア
  • MF
  •   4 マリオ・スアレス
  • 14 ガビ
  • 10 アルダ・トゥラン → 11 クリスティアン・ロドリゲス (74')
  •   6 コケ
  • FW
  •   8 ラウール・ガルシア → 7 アドリアン・ロペス (80')
  • 19 ジエゴ・コスタ

 登録できない本田を除く新加入選手のラミ、エッシェン、ターラブが先発メンバーに名を連ねています。何故かターラブはセリエでつけている背番号の23ではなく27番をつけていますが、ノチェリーノが今シーズン既に出場していたからでしょうか。モントリーヴォとムンタリが出場停止のため中盤の底はエッシェンとデ・ヨングという組み合わせとなりました。

UEFA Champions League 2014 - Milan-Atlético – UEFA.com

 序盤はミランがあまりスペースを与えず引いて守備から作っていくような展開。しかし前線へうまくボールを繋いでいけずに最終的にロングボールを蹴って失ってしまう場面が多かったです。システムとしては前節の4-2-3-1とは違い、ターラブが左サイドに出てカカが少し高い位置をとっているような印象ですがうまく狙いがはまったとは言い難いでしょう。とにかく前線の選手の突破力には期待できるのですがそれ以上のコンビネーションが見られないのでしっかりと守備ブロックを作れるチーム相手には通用しない攻撃となってしまいます。

 アトレティコ・マドリードの攻撃の方はしっかりと後ろから飛び出した選手を使っていこうという意図が見られ非常におもしろいものでした。ただゴールまでは遠くミランが最終ラインでなんとか食い止めこのまま試合巧者ぶりを見せつけるのかと思われた83分、コーナーキックからジエゴ・コスタのヘディングでアウェーゴールを奪われてしまいました。第1戦のホームで敗れたことでアウェーでの第2戦は厳しいものになりそうですがなんとか意地を見せて欲しいですね。

16 2月, 2014

セリエA第24節 ミランvsボローニャ

 前節でナポリに力の差を見せつけられて敗れたものの下位相手にはさすがに勝ちたい現在11位のミラン。16位で1月に監督が交代し主力のディアマンティも離脱したボローニャに負けるような事態は見たくないものです。さらにミッドウイークにはCLアトレティコ・マドリード戦も控えているのでコンディション調整まで含めいい形で勝ちたいですね。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  • 81 ザッカルド
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 34 デ・ヨング → 4 ムンタリ (64')
  • 18 モントリーヴォ
  • 10 本田 → 11 パッツィーニ (66')
  • 22 カカ → 16 ポーリ (80')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ

ボローニャFC

    GK
  •   1 クルチ
  • DF
  •   5 アントンソン
  • 14 ナターリ
  • 22 マントヴァーニ
  • MF
  •   8 ガリッチ → 10 モスカルデッリ (88')
  • 19 フリストドゥロプーロス
  •   4 クルヒン
  •   3 モルレオ
  • 15 ディエゴ・ペレス → 11 フリーベリ (89')
  • FW
  •   9 ビアンキ
  • 99 クリスタルド → 13 ラクサール (84')

 事前の予想ではカカを先発から外しポーリが先発という見方もありましたが結局カカがトップ下に入り、右サイドに本田、左サイドにナポリ戦で怪我をしたロビーニョに代えて再びターラブが先発出場しています。さらに復帰と報じられていたサパタは間に合わなかったのか大事をとったのかザッカルドが久々の出場。エマヌエルソンとボネーラが練習中の怪我で離脱し左サイドバックにコンスタンが入っています。

Milan 1 - 0 Bologna - legaseriea.it

ミランはポゼッションができているもののゴール前での崩しがなく、人数をかけて固めてきた相手に攻めあぐねてしまういつものパターン。セードルフ監督が就任してそろそろ1ヶ月になろうとしていますが模索しているのはわかるもののこれという形ができていません。単純に選手同士お互いの動きがわかっていないというのもありますがチームとしての動きというのもはっきりしないのが不安ですね。
 それでも最後はバロテッリがミドルシュートでなんとかしてくれたのが救いです。3試合だめでもたまにこういうことやってくれるからこの人は外せないのか。セードルフ監督とはいい関係を築いているようなのでコンスタントに結果が出せ、チームの動きができる選手になってほしいですね。これまでの監督ともいいコメントは残していたりしますが。

 ナポリ戦での完敗を払拭する結果とはなりませんでしたが、なんとか勝点3をとれたことでアトレティコ・マドリード戦少しはいいチーム状態で迎えることができるのでしょうか。ムンタリ、パッツィーニ投入後は少し流動性も作れるようになっていましたし流れとしては悪くなさそうです。現在のところ来シーズンのCL圏内は厳しい順位にいるので今シーズン少しでも長く勝ち残って欲しいものですね。

15 2月, 2014

プレミアリーグ第26節 アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド

 前節リバプールの前プレに為す術のなかったアーセナル、最下位のフラムにクロスを上げ続けながらも勝点3を逃したマンチェスター・ユナイテッド。勝つことを義務づけられたメガクラブ同士のビッグマッチです。

アーセナルFC

    GK
  •   1 シュチェスニー
  • DF
  •   3 サニャ
  •   4 メルテザッカー
  •   6 コシェルニー
  • 28 ギブス
  • MF
  •   8 アルテタ
  • 10 ウィルシャー
  •   7 ロシツキー → 15 アレックス・チェンバレン (74')
  • 11 エジル
  • 19 カソルラ
  • FW
  • 12 ジルー

マンチェスター・ユナイテッドFC

    GK
  •   1 デ・ヘア
  • DF
  •   2 ラファエウ → 5 リオ・ファーディナンド (46'HT)
  • 12 スモーリング
  • 15 ヴィディッチ
  •   3 エヴラ
  • MF
  • 16 キャリック
  • 23 クレバリー
  • 25 バレンシア → ヤング (81')
  • 10 ルーニー
  •   8 マタ → ヤヌザイ (74')
  • FW
  • 20 ファン・ペルシー

 両チーム共に満足のいく結果ではなかった前節から先発メンバーを変更してきました。それだけ戦力が充実してるとも言えますが、どのように修正してくるか注目です。

Arsenal vs Man Utd | premierleague.com

 立ち上がりまだ落ち着かないうちに前線でボールを奪ったファン・ペルシーがキーパーとの1対1を作ったり、アーセナルがCKから簡単にフリーで打ったりと派手な試合になりそうな気配はありましたが、徐々に守備が安定してくると両チームの特色が見えてきます。

 ユナイテッドは今シーズン散々叩かれながらも守備はしっかり作ってきていて、半年前に比べると前で取りに行くところと引いてブロックを作るところがチームではっきりしているのが素晴らしいですね。アーセナルも引いたチームを崩すのは得意としているのですがバイタルエリアで簡単に前を向かせないこと、サイドから斜めに走って裏を狙ってくる選手に対してしっかりとケアにいくことをきちんとやっていたのでなかなかいい形でシュートまで持っていけません。
 アーセナルの守備はまずはリトリートして4バックの位置を安定させていく狙い。ユナイテッドのビルドアップに対して無理にボールを追うのではなく、個々のエリアを捨てずにパスコースを切っていくような守り方でした。特にサイドにおいてはサニャとギブスが裏のスペースをあけないように注意を払っていたのが印象的です。前節のユナイテッドがとにかくサイドからの放り込みを仕掛け続けていたのでその対策なのかもしれませんが、マタが中央に入ってあけたスペースをエヴラがオーバーラップして完全に裏を取るような場面はこの試合ではほとんど見られませんでした。

 最後までテンションの高い見応えのある試合でしたが、スコアレスドローという結果になったのも両チームの意図がある程度うまくいった結果ではないかと思います。前線の選手まで含めて守備から入ってフィニッシュまで繋げるチームはプレミアの中でも上位陣だけなので、どちらも無冠で終わってしまうのはもったいないチームではないでしょうか。

09 2月, 2014

セリエA第23節 ナポリvsミラン

 ここ数ヶ月不振の続くミランですが、ここ数試合勝ちのないナポリのホームに乗り込んでの一戦です。怪我や出場停止でメンバーが安定しませんが上位相手に勝点3をもぎ取っていきたいところです。

SSCナポリ

    GK
  • 25 レイナ
  • DF
  • 11 マッジョ
  • 21 フェルナンデス
  • 33 ラウール・アルビオル
  • 31 グラム
  • MF
  •   8 ジョルジーニョ
  • 88 インレル → 20 ジェマイリ (88')
  • 17 ハムシク → 85 ベーラミ (82')
  • FW
  • 14 メルテンス
  •   9 イグアイン
  • 24 インシーニェ → カジェホン (78')

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  •   5 メクセス
  • 13 ラミ
  • 28 エマヌエルソン → 18 モントリーヴォ (69')
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 15 エッシェン
  • 20 アバーテ
  •   7 ロビーニョ → カカ (46')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ → 11 パッツィーニ (73')

 カカがコンディション不良、本田が胃腸炎とやりくりの難しい中盤で新加入のエッシェンとターラブが初先発しています。さらにここ数年はサイドバックが板についてきたアバーテが以前のポジションであった右サイドハーフで先発との予想。サポナーラやなど他の選手がいないわけではないのでしょうがかつてMFとしてプレーしていた時代を共にしていたセードルフ監督の判断

Napoli 3 - 1 Milan - legaseriea.it

 試合はターラブがいきなりのゴールでデビュー戦を飾ります。QPR、フラムでのプレーはほとんど見たことがなかったのですがドリブルのリズムといいシュートのキックといい独特のリズムを持った選手のようですね。
 しかし全体的にはナポリが優勢に進めていると言わざるを得ない流れ。第4節に対戦したときと比べると前線の選手に合わせるだけでなく中盤からしっかり組み立てていけるようになったことで厚みのある攻撃ができている印象です。デ・ヨングとエッシェンのコンビも2人でスペースを潰すのが難しいところはありますがフィルターとして機能しきれませんでしたし、ターラブは守備の面では意識がないので厳しくなってしまいます。逆に右サイドのインレル、ハムシク、インシーニェの組み合わせに対してはデ・シリオとアバーテがお互いにいい位置関係を保ってあまりやらせていなかったのでバランスはとれているのかもしれませんが。

 ナポリは縦への速い攻撃とそれができなかったときの崩しがしっかりとできていました。今シーズンのナポリは意思を持っていろんな形に攻撃を変化させることができるのではまると見ていておもしろいですね。前からしっかりとプレッシャーをかけビルドアップのところで捕まえられればよかったのですが、ミランがどうしても前プレをかけるチームではないことと苦し紛れのロングボールでもナポリの前線が収めてしまう力を持っているだけに打つ手がありません。
 上位にいるチームとの力の差を見せつけられた試合でしたがセードルフ監督の試行錯誤はボールの持ち方や選手起用に少しずつ現れていますし、早急な結果を求められる監督でもありませんのでしばらくは見守っていく必要がありますね。

06 2月, 2014

プレミアリーグ第24節 マンチェスター・シティvsチェルシー

 独走ではなくなったものの以前として圧倒的な攻撃力で首位にいるシティと勝点差3で3位につけているチェルシー。優勝の行方を占う好調チーム同士の上位直接対決です。

マンチェスター・シティFC

    GK
  •   1 ハート
  • DF
  •   5 サバレタ
  •   4 コンパニ
  • 33 ナスタシッチ
  • 13 コラロフ
  • MF
  • 42 ヤヤ・トゥーレ
  • 26 デミチェリス
  • 15 ヘスス・ナバス
  • 21 ダビド・シルバ
  • FW
  • 10 ジェコ
  •   9 ネグレド → 35 ヨヴェティッチ (56')

チェルシーFC

    GK
  •   1 チェフ
  • DF
  •   2 イヴァノビッチ
  • 24 ケーヒル
  • 26 ジョン・テリー
  • 28 アスピリクエタ
  • MF
  •   4 ダビド・ルイス
  • 21 マティッチ
  •   7 ラミレス
  • 22 ウィリアン → 12 ミケル (90+1')
  • 17 アザール → 19 デンバ・バ (90+3')
  • FW
  • 29 エトー → 11 オスカル (82')

 シティはフェルナンジーニョとアグエロが怪我によって離脱。中盤の底にはデミチェリスが入りジェコとネグレドの2トップが先発出場しています。チェルシーはダビド・ルイスとマティッチのコンビが中盤の底に入り、ラミレスが右サイド、前線にはウィリアンとエトーが先発しています。両チーム共にハードスケジュールの中いつものベストメンバーではありませんがこの試合にどういった策を持ってくるか楽しみです。

Man City vs Chelsea | premierleague.com

 試合はホームのシティが積極的に前に出て仕掛けていきます。前線が自由にスペースを使いさらにスペースを作っていく攻撃は通常通りですがさらにチェルシーのDFラインに対して4人ともがしっかりとプレッシャーをかけ主導権を握ろうとしていました。一方のチェルシーはセンターをしっかりと閉めたブロックを崩さずエトー以外は守備面でのハードワークをこなしていました。そのためボールは常にチェルシーのサイドにあるのですが危険なエリアで前を向いたプレーはさせてもらえません。シティの攻撃はバイタルエリアの使い方が非常にうまいと思うのですがそれでも自由にやらせないチェルシーの守備ブロックはすごいですね。
 さらにバイタルエリアの外でパスを回しているヤヤ・トゥーレやデミチェリスに対しては中盤の選手が果敢にチャレンジしてカウンターを狙っていく場面が何度もあり、攻撃時にサイドバックが高い位置をとるシティはリスクを冒した攻撃が難しくなってしまいました。

 後半もチェルシーが主導権を握りゲームをコントロールしていく展開。1-0での逃げ切りをやらせたら今最もうまいのはイタリアのクラブではなくモウリーニョなのかもしれません。ボールを持った時も中盤で奪われないような仕掛けが随所に見られましたしチーム全体でやるべきことが統一されているすごさがあります。インテル時代に培われたエトーの守備に対するバランス感覚は今も健在でしたね。最後もミケル、デンバ・バの投入で時間をしっかり消費しシティの攻撃陣に仕事をさせることなく試合をクローズさせたチェルシーが首位に近づく勝利を挙げました。

04 2月, 2014

セリエA第22節 ユヴェントスvsインテル

 ミラニスタとしては納得ができませんがイタリアダービーと称されるユヴェントスとインテルの一戦。今シーズンも半分を過ぎていますがホーム全勝を続けているユヴェントスに今年に入ってまだ勝ちのないインテルが挑みます。

ユヴェントス

    GK
  • 30 ストラーリ
  • DF
  • 15 バルザーリ → 4 カセレス (63')
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  • MF
  • 26 リヒトシュタイナー → 33 イスラ (82')
  • 21 ピルロ
  • 22 アサモア
  • 23 ビダル
  •   6 ポグバ
  • FW
  • 14 ジョレンテ → ヴチニッチ (86')
  • 10 テベス

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 14 カンパニャーロ
  • 35 ロランド
  •   5 フアン
  • MF
  •   2 ジョナタン → 33 ダンブロージオ (58')
  • 17 クズマノビッチ → 22 ミリート (55')
  • 10 コヴァチッチ → 20 ボッタ (66')
  • 21 タイデル
  • 55 長友
  • FW
  • 11 リカルド・アルバレス
  •   8 パラシオ

 ユヴェントスは前節退場処分となったブッフォンに代わりストラーリが先発出場していますがそれ以外はいつもの完成度の高いサッカーを見せるメンバーです。ストラーリも2ndGKの役割が長いですがカップ戦などで出場した際にはいいプレーを見せているので穴とは言えないでしょう。
 対するインテルはサネッティとカンピアッソの離脱で長友がキャプテンマークを巻いていますがウイングバックの彼が5得点でチーム2位とやや得点力が物足りない状態。冬のメルカートで獲得したばかりのダンブロージオがベンチ入りしていますが途中出場の機会はあるのでしょうか。

Juventus 3 - 1 Inter - legaseriea.it

 今シーズンのユーヴェの守備はセンターではピルロを門番に置きビダル、ポグバ、さらにジョレンテが加わってインテルのビルドアップを妨害する形。インテルが楔のパスを入れようとしても3バックが近い位置でバイタルエリアを埋め、ピルロがポジショニングのうまさによってパスコースを消している間に前の3人が後ろからプレッシャーをかける場面が何度も見られました。これがアントニオ・コンテが3年をかけて作り上げ今シーズン完成された守備のメカニズムの基本になります。
 センターが閉じているならとインテルがサイドからの攻略を目論んでも、守備ブロックの見事なスライドによって数的優位が作られるため簡単に突破はさせてもらえず。長友もジョナタンも元々個の力でぶち抜いていける選手ではないのでユーヴェの守備陣にカバーされてしまうといい位置までボールを運んでいくことができませんでした。

 ユーヴェがボールをまわしインテルのプレスが途切れたところで低い位置のピルロによる完璧なタイミングのロングパスによってリヒトシュタイナーが先制します。ウイングバックがペナルティエリアまで入り込んでクロスに合わせるというインテルのお株を奪うようなゴールでした。
 さらに後半開始早々に追加点を許し3点差となったところでインテルはミリートとサイドアタッカーのダンブロージオを投入。さらに65分にはコヴァチッチに代えてボッタと前線で突破できる選手を使ってなんとか一矢報いようとします。しかし点差と時間でユーヴェの運動量も減ってくるにしたがってポゼッションは増えたもののCKからの1点にとどまりこの試合は完全にやられてしまいましたね。コッパ・イタリアの敗退とラツィオ戦に勝ちきれなかったことで連勝は途切れてしまいましたが、CLも既に敗退していますし逆にリーグに集中できることでシーズン後半もスクデットに向けて大本命であることに変わりはないようです。

03 2月, 2014

セリエA第22節 ミランvsトリノ

 冬のメルカート期間が終わり各チームシーズン後半に向けての陣容が明らかになりました。ミランはラミ(バレンシア・レンタル)、本田(CSKAモスクワ)、エッシェン(チェルシー)、ターラブ(フラム・レンタル)を獲得、サンプドリアにレンタルされていたペターニャを呼び戻しました。懸念されていたDFラインの補強はラミだけですがメクセスも残留しましたしこれで十分だという判断なのか。
 放出されたのはニアン(モンペリエ)、マトリ(フィオレンティーナ)、ヴェルガラ(パルマ)、ノチェリーノ(ウェストハム)とほぼ獲得した選手と同じポジションとなっています。マトリ以外は出場機会のなくなっていた選手ですし妥当な放出ですかね。

 新戦力の期待もありますし前2節を連勝したことでここからの巻き返しをしたいところ。チェルチとインモービレという絶好調の2トップをサン・シーロに迎えての一戦です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ → 34 デ・ヨング (63')
  • 10 本田 → 37 ペターニャ (88')
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 8 サポナーラ (75')
  • FW
  • 11 パッツィーニ

トリノFC

    GK
  • 30 パデッリ
  • DF
  • 19 マクシモヴィッチ
  • 25 グリク
  • 24 モレッティ
  • MF
  • 36 ダルミアン
  •   4 バシャ → 4 バシャ (69')
  • 20 ヴィヴェス
  •   8 ファルネルド → 7 カドゥーリ (53')
  • 17 マジエッロ
  • FW
  • 11 チェルチ → 69 メッジョリーニ (90+3')
  •   9 インモービレ

 バロテッリが前節でカリアリサポーターに対して侮辱的なジェスチャーを行ったということで警告を受け累積での出場停止。もう今シーズン何度目なんでしょう。センターバックは前節ミスはあったものの継続してラミとボネーラのコンビなので汚名返上を期待したいところです。

Milan 1 - 1 Torino - legaseriea.it

 序盤からボールを持って試合を進めていくミランに対して2トップ以外はしっかりと引いて守るトリノ。ゴールまで30メートルくらいのところまでは簡単に持っていけるもののそこからは人数をかけて固めてくる相手に有効な攻め手が打てませんでした。カカがセンターで上下し本田とロビーニョが中に入ることで崩しの糸口を掴みたかったのですが連携不足もあり得点には至らず、17分にはカウンターからインモービレに先制されてしまいました。ボネーラの対応も稚拙でしたがこれを狙い続けて決めてしまうところはさすがですね。

 後半は前半狭いエリアでプレーしていた前線の選手がワイドに開くことで守備ブロックを広げようという意図が見て取れました。併せてモントリーヴォが少し高い位置をとるようになりカカの守備の負担も少し減っていたようにも思えます。前半よりもスペースを作れたことでシュートは増え得点になってもおかしくない場面も多くありましたが一貫してゴール前を固め続けるトリノの壁は厚かったですね。マンツーマンで食らいついてくる相手を外すことができていたのはカカくらいで、他の選手はボールを持ってしまうと前を向くのさえ難しそうでした。
 ただそういった状況だからこそラミのオーバーラップからミドルシュートが有効だったのでしょうし、素晴らしいシュートを打てるDFは重宝しそうです。パッツィーニがもう少しロングボールに対していい反応ができると攻撃の幅も広がりそうですが、フィジカルの強いDF相手ではなかなか期待もできません。

 結果は1-1のドロー。順位はトリノの方がはるかに上ですが、好調の2トップに攻撃を任せ先制点をあげたところや守備の足を止めないために早めに中盤の選手を交代してきたところなど格上相手の戦い方を徹底してきたトリノのゲームプランがはまってしまった気がします。ミランは中盤のムンタリからデ・ヨングの交代によってバランスをとれるようになりスムーズな攻撃が作れていたものの後の2人は苦しい試合を打破するには物足りない若手でした。もちろんこういう試合で活躍することで成長することも期待できますが今シーズンのことを考えると勝点3はもう落とせません。「今後への好材料」と「今現在の結果」、両方やらなければならないのがミランの監督のつらいところですが、セードルフ監督はこの難しい任務を遂行できるでしょうか。

27 1月, 2014

セリエA第21節 カリアリvsミラン

 ミッドウイークでのウディネーゼ戦に敗れ、もう本当に来季のEL出場権くらいしか目標のなくなってしまったミラン。アウェーですが第2節で勝利しているカリアリとの試合なのでここはきっちり勝って連勝していきましょう。
 事前に話がまとまっていた本田とラミの加入後は人員の整理を主に進めていた感じの冬のメルカートですが、チェルシーで出場機会のなかったエッシェンが移籍金ゼロで加入と発表されました。4-2-3-1のセンターで起用する選手がだぶついている気もしますが、もう現状を変えてくれるなら誰でも大歓迎なので期待したいです。

カリアリ・カルチョ

    GK
  • 25 アヴラモヴ
  • DF
  • 14 ピサーノ
  • 15 ロッセッティーニ
  • 13 アストリ
  • 29 ムール
  • MF
  • 21 デッセーナ → 10 イブライミ (90+1')
  •   5 コンティ
  • 20 エクダル → 16 エリクソン (74')
  • 7 コッス
  • FW
  •   9 サウ →22 カブレラ (69')
  • 51 ピニージャ

ACミラン

    GK
  •   1 アメーリア
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン → 20 アバーテ (77')
  • MF
  • 34 デ・ヨング → 4 ムンタリ (69')
  • 18 モントリーヴォ
  • 10 本田
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 11 パッツィーニ (60')
  • FW
  • 45 バロテッリ

 アッビアーティがクラブ内で流行している風邪によって、サパタとシルヴェストレが怪我によってそれぞれ欠場しているために最終ラインがいままでにない組み合わせとなっています。前線は2列目に右から本田、カカ、ロビーニョと並べワントップにバロテッリを置いています。

Cagliari 1 - 2 Milan - legaseriea.it

 日差しと強風で決していいコンディションとは言えない中での試合、カリアリは序盤からミランのディフェンスラインでのパス回しにまで積極的にプレスをかけてきます。何度か危ない場面があっても後ろからつなぐことを意識しすぎたのかアメーリアのキックミスから簡単に失点してしまいます。出場時間の少ない選手とはいえ、あそこまでつなぐことにこだわっていたのは何だったのでしょう。中盤の選手が積極的に顔を出してパスコースを作っていたわけでもないですし、前半は追い風だったので蹴ってしまってもいいのではという場面も多かったように感じます。
 前線の守備に関しても最終ラインまで追っては行くもののポジショニングが中途半端でセンターバックからの縦パスを許してしまっていますし、ロングボールも警戒しなければならないからかラインも上げられずに中盤にスペースを許してしまっていました。そのスペースを3人から2人に減ったセンターハーフで潰しきれるはずもなくデ・ヨングには相当な負担がかかっていたように思います。ムンタリに交代してからはさらに中盤でのチェックが甘くなってしまっていたのでこの部分はチーム全体の守備としてなんとかしなければなりませんね。

 攻撃はミランの意図もあるのでしょうが前節のヴェローナ戦に比べてカリアリが前線からしっかり奪いにきていたこともあって違う形になりました。ロビーニョと本田がサイドに開く場面が多くなり、必然的に短いパスの交換は少なくなるのでヴェローナ戦の序盤で見せていたような攻撃はこの試合の前半では少なくなっています。アッレグリの時にはサイドでためを作ってセンターに入ってくる選手に合わせるパターンを得意としていましたがロビーニョなんかはそれに近い動きがまだ残っているんですかね。時間が経つにつれて少しずつ変わっているように見えましたがセードルフ監督の志向するサッカーはどういうものなのかまだはっきりとは浸透していないのか。

 惜しい場面はあったものの点を入れられないまま時間が進み、ヴェローナ戦に続いて残り10分を切ってからの帳尻あわせのような得点での勝利。内容的にはまだまだ改善したい点も多いですが今シーズン初の連勝ということで結果が出ているところはひと安心です。過渡期をうまく乗り切ってはやく新しい形を見たいと願い続けています。

21 1月, 2014

セリエA第20節 ミランvsエラス・ヴェローナ

 前節のサッスオーロ戦に敗れたことでアッレグリ監督の解任、タッソッティ助監督の暫定的な監督就任、ミランを去ってブラジルのボタフォゴでプレーしていたセードルフの監督就任と目まぐるしい1週間でした。この時期だということを除いてはこれまでに報道されていた噂通りとなった部分も多いのですが、ちょうどシーズンの前半を終えたタイミングでの刷新ということになります。
 ミッドウイークにはコッパ・イタリアでセリエBのスペツィアに3-1と快勝し、本田が先発したことで日本のニュースでも大きく取り上げられました。本田の初得点と勝利は喜ばしいのですが1失点はどうしたのでしょう。セリエBのチーム相手にも守備が崩壊してしまったのかと気が気じゃありません。試合自体は見れていないのでわかりませんが少し気になる状態で開幕節で敗れたエラス・ヴェローナとの対戦です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ → 26 シルヴェストレ (52')
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 18 モントリーヴォ
  • 10 本田 → 14 ビルサ (63')
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 37 ペターニャ (78')
  • FW
  • 45 バロテッリ

エラス・ヴェローナ

    GK
  •   1 ラファエウ
  • DF
  • 23 アレハンドロ・ゴンザレス → 11 ヤンコビッチ (85')
  • 18 モラス
  • 22 マイエッタ
  • 33 アゴスティーニ
  • MF
  • 14 シリグリアーノ → 30 ドナデル (90')
  •   2 ロムロ
  • 10 ハルフレッドソン
  • FW
  • 15 イトゥルベ
  •   8 カシア → 6 マルティーニョ (61')
  • 21 フアニート

 セードルフ監督はアッレグリのような3センターではなく2ボランチを基本とするのではないかというガゼッタの報道通り、事前の予想では4-2-3-1のフォーメーション。前線はバロテッリをトップにその下に右からカカ、本田、ロビーニョという並びが基本になるようです。

Milan 1 - 0 Hellas Verona - legaseriea.it

 新監督1戦目ということでまずはメンバーの配置から注目されていますが、マトリがフィオレンティーナに移籍、パッツィーニが再び筋肉トラブルで離脱といきなり純粋なFWのプレーヤーが不足してしまいました。出場停止の多すぎるバロテッリとほとんど試合出場のないペターニャしかいない状態で2トップを選択できるはずもなく1トップ、もしくはサイドアタッカーを置いた3トップになるのは自然な形でしょう。
 また、様々な形で試行錯誤を重ねながら長らくミランの屋台骨を支えてきた4バックと3センターの守備ブロックも4-2-3-1のシステムで多少への変化がありそうです。ここ1ヶ月くらいの試合ではクリスマスツリーにおいて弱点となっていたサイドの守備を突かれて失点することが多かったためにこの点での改善も期待したいです。

 試合内容としてはまず攻撃の際目立った変更点として相手DFラインに張り付く形ではなく少し下がって受けようという間の意識が見られました。これまでは中盤から飛び込んでもそこで停滞してしまい形を作れないことが多かったのですが、2列目の選手が自由に動くことで相手のマークをずらしバロテッリもカカも比較的ボールを持ちやすいスペースでもらえていました。さらにいい時間帯では近い距離で自由に動きダイレクトでの簡単なパス交換が増え、純粋なサイドアタッカーを配置しない4-2-3-1のシステムとしてはまずいいやり方ができているのではないかと思います。
ただヴェローナも立ち上がりから9人で守備ブロックをしっかりと敷いていたので簡単にシュートまで持っていける場面は多くありませんでした。動いて崩す意識はあるものの監督交代直後ということもあってなかなかシュートまでのイメージは共有できていないのかなという印象です。まあこのあたりはアッレグリのときもはっきりと狙い所があったわけではなさそうなのでこれからのセードルフ監督の手腕に期待しましょう。

 後半全体的に運動量が落ちてくると序盤に見られた近い位置でのパスやエリアをまたいでの動きもなくなり、いつもの危ない空気が漂ってきます。ビルサの投入も大きく流れを変えるには至らず、何度かカウンターでチャンスを作られ昇格クラブ相手にまたしてもしてやられてしまうのかという気持ちがありましたが82分にPKを獲得して1-0での勝利。カカはあまりいい体勢ではありませんでしたし完全にもらいに行った動きでしたね。とりあえずセードルフの初陣を勝利で飾るという最低限の結果は出しましたがこれまでできていなかった動きが急でにできるようになるはずもなく、徐々にでもクラブ全体がよくなっていくように願っています。

13 1月, 2014

セリエA第19節 サッスオーロvsミラン

 年が明けて初戦をいい形で勝ったことでここから上昇気流に乗っていきたいミラン。プレシーズンでも対戦した昇格組であるサッスオーロのホームでの試合です。もちろん本田が登録メンバーに入ったことで日本メディアとしては否が応でも出場を期待してしまうところですね。

USサッスオーロ・カルチョ

    GK
  • 79 ペゴーロ
  • DF
  • 23 ガッツォーラ
  •   5 アンテイ
  •   6 アリアウド
  •   3 ロンギ
  • MF
  • 27 クルティッチ → 24 マルツォラッティ (87')
  •   4 マニャネッリ
  • 45 チブサー
  • FW
  • 25 ベラルディ → 37 スケロット (78')
  • 10 ザザ → 83 フローロフローレス (85')
  • 86 ツィークラー

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 24 クリスタンテ → 18 モントリーヴォ (55')
  • 34 デ・ヨング
  • 23 ノチェリーノ → 11 パッツィーニ (55')
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 10 本田 (65')
  • FW
  • 45 バロテッリ

 モントリーヴォはまだ怪我の影響かベンチスタートですがバロテッリが今節は先発。そしてアタランタ戦で初先発しゴールをあげたクリスタンテがまた中盤の一角に入っています。CLの登録メンバーにも入っているようですし期待が持てますね。

Sassuolo 4 - 2 Milan - legaseriea.it

 事前の予想通りミランがボールを持って試合を進めていく展開。立て続けに2点とって普段とは違うミランかと思いきやいつも通り後手に回ったディフェンスラインが寄せきれず直後に失点。サッスオーロは序盤のばたつきが落ち着くとしっかりと引いて守ろうという意識ができたのか最終ラインに5、6人並べてロングボール1本のカウンターというやり方できました。センターからの速攻にしてもサイドからの遅攻にしても個人での打開が中心になるのかなという印象でしたが、やはり好調のベラルディにやられてしまいましたね。守備崩壊は本当に手の施しようがないんでしょうか。

 結局ベラルディ1人に4得点を許しどうしようもなくなったところでパッツィーニ、モントリーヴォを投入。前線の選手を増やしとにかく得点を狙っていきますが動きのない攻撃ではどうにもならず。ついに65分に本田が途中出場しました。ロビーニョは最初から90分計算できる選手ではないので予想通りの交代でした。カカとバロテッリが消えてしまった後崩しのなくなっていたミランですがパッツォリーヴォと本田の投入で中盤の底から1人ずつ起点ができ攻撃の意思がよりはっきりしてきました。
 本田はプレーエリアも広く相手のギャップをしっかりついて守備ブロックをずらすような動きを精力的にしていたのが印象的でした。役割的にはロビーニョよりもビルサに近いものを与えられていそうですが中盤からの縦への飛び出しはあるものの横へのスライドで崩す選手はいないだけに足りないピースを埋める存在になってくれそうです。さらにサイドでためが作れることでデ・シリオとの高い位置での絡みも多かったですし素晴らしいですね。モントリーヴォへのプレスも緩くなったことで長距離での放り込みも効いてきて途中出場の3人によってまた試合が動いてきました。

 ただ試合開始から出場していたカカ、バロテッリは疲労からか既にキレのあるプレーはできず、パッツィーニも前線に張り付いてDFを背負っていた状態では決定的な仕事をさせてもらえないことが多かったのでモントリーヴォもパスの出しどころがない場面が多く見られたのが残念でした。点が入ってもいいような場面も何度かありましたが結局その後はモントリーヴォの1点のみで試合終了。ベラルディにやられた4失点が大きくのしかかり最下位のチーム相手に黒星を喫してしまいました。この試合はユヴェントスからローンでサッスオーロに在籍しているベラルディのお膳立てという役回りになってしまいましたね。

 本田の加入によって日本でも大きく報道されるようになったミランですが今シーズンの停滞はまだ続きそうです。翌13日の記者会見によってアッレグリ監督の解任が発表され後任は暫定的に助監督のタッソッティが就くことが発表されました。年末のコメントによって最後のクリスマスという表現はしていましたがこんなにもはやくチームを離れることになるとは思っていなかったですし、個人的にはミランの大変な時期を持ちこたえ結果ももたらしてくれた監督だっただけにショックが大きいです。
 メディアではこれまで通り後任の名前にセードルフやピッポの名前が挙がっていますがとにかく今週のミッドウイークには次のコッパ・イタリアの試合が控えているわけで、いちサポーターとしては今後も試合を見て応援していくしかありませんね。

07 1月, 2014

セリエA第18節 ミランvsアタランタ

 2013年は最後の試合でインテル相手に黒星を喫し、さらにアッレグリが自身の退任に関するコメントを出すなどピッチ上、フロント共に停滞している感がぬぐえないまま終わってしまいました。2014年最初の試合はホームでのアタランタ戦、年明けからの巻き返しに望んでいきましょう。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ → 13 ラミ (83')
  •   5 メクセス
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 24 クリスタンテ
  • 34 デ・ヨング
  • 23 ノチェリーノ
  •   7 ロビーニョ → 16 ポーリ (74')
  • 22 カカ
  • FW
  •   9 マトリ → 45 バロテッリ (58')

アタランタBC

    GK
  • 47 コンシーリ
  • DF
  • 29 ベナルアーノ → 23 ブリエンツァ (74')
  •   2 ステンダルド
  •   8 ミリアッチョ
  • 28 ブリービオ
  • MF
  • 21 チガリーニ
  • 17 カルモナ → 18 バセッリ (18')
  • 77 ライモンディ
  • 10 ボナヴェントゥーラ → 91 デ・ルカ (69')
  • FW
  • 11 モラレス
  •   9 デニス

 ムンタリの出場停止に加えモントリーヴォが筋肉トラブル、バロテッリが風邪と相変わらずメンバーを選ぶことができないとアッレグリの嘆きが聞こえてきそうです。それでも悪いニュースばかりではなくウインターブレイクを経てメクセスが復帰してきました。ラミも登録メンバーに入り、シルベストレも怪我は完治したようですが今日はシーズン前半でいちばん多かった組み合わせでいくようです。さらにプリマヴェーラ出身の18歳クリスタンテが初先発と楽しみも出てきました。

Milan 3 - 0 Atalanta - legaseriea.it

 立ち上がりはミランが低い位置からゆっくりボールを回して探っていくような展開。アタランタもがっちり引いて守るわけではなく中盤から人数をかけて奪いに来ていましたが、その分ミランは早く攻撃に移ることができればいい形を作ることができました。マトリとロビーニョの組み合わせもこういう展開では持ち味を活かしていけますね。うまくトランジションができなかったり前線へのパスが雑になったときにはアタランタのカウンターをもらう場面もあったものの相手の縦への動きにもしっかりとついていっていました。

 前半35分にカカがミランでの通算100ゴール目となる先制点を決め、しっかりと試合のペースを握っていこうという流れを作ります。カカがブラジルから渡ってきて10年が経ち、本人もミランも大きく状況が変わったところもありますがキレのあるドリブルスピードはまだ輝いています。今シーズン前半戦は彼におんぶにだっこな状態ですしこれからも前以上の活躍を期待してしまいます。風邪で先発メンバーから外れていたバロテッリもひとつひとつのプレーはこのレベルのDF相手では頭一つ抜けているようなところもあり、前線でボールがキープできる場面が増えたためにチーム全体が楽になったのではないでしょうか。

 終わってみれば2014年最初の試合は3-0という結果で好スタートをきることができました。カカの100ゴール目は言うに及ばず初先発、初得点をあげたクリスタンテの今後への期待も持てますしアクシデントによる出場でしたが昨秋からチームに合流していたラミがようやく公式戦でミランのユニフォームを着ました。そしてスタンドに座って観戦しているだけで試合のテレビ放映を増やしてくれる本田も今後はピッチでチームに貢献してくれると思います。
 成績としては依然苦しい状況であることは間違いありませんが、しっかりとゲームの質を向上させ1試合ずつ勝点を積み重ねていきたいですね。