25 12月, 2013

セリエA第17節 インテルvsミラン

 絶不調のシーズンですがそれでも負けたくない一戦、ダービーです。メンバー的には難しいもののローマ戦では復調の兆しのようなものは見られましたし今年最後の試合ということもあるのでとにかく結果を求めたいところですね。

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 14 カンパニャーロ
  • 35 ロランド
  •   5 フアン
  • MF
  •   2 ジョナタン
  •   4 サネッティ → 17 クズマノビッチ (68')
  • 19 カンビアッソ → 9 イカルディ (82')
  • 21 タイデル → 10 コバチッチ (57')
  • 55 長友
  • 13 グアリン
  • FW
  •   8 パラシオ

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ
  • 21 コンスタン → 28 エマヌエルソン (46')
  • MF
  • 16 ポーリ → 11 パッツィーニ (87')
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  •   8 サポナーラ → 9 マトリ (76')
  • 22 カカ
  • FW
  • 45 バロテッリ

 開幕直前から怪我をしていたサポナーラがこの試合で初先発しています。これまで途中交代での出場はありましたがモチベーションも高いですしいい起爆剤になってくれることを期待したいですね。累積警告で出場停止のモントリーヴォの代わりにはポーリが入りました。

Inter 1 - 0 Milan - legaseriea.it

 序盤は両チーム共にボールを奪ってから速く前に運べれば前線で脅威になる選手がいることはよくわかっているので慎重な入り方。ただバイタルエリアに入ってからの動きはインテルの方が活発で流動的と言わざるを得ません。
 基本的にずっとゴール前にいるのはパラシオのみで後はタイミングよく少ない人数で飛び込んで来るインテルに対して、ミランは最前線に人数はかけるもののそこで待っているだけになってしまいインテルの最終ラインに抑え込まれてしまうことが多く見られました。

 まず問題点としてはインテルの最終ラインが低くスペースがないのとプレスがきちんと効いていてムンタリやサポナーラが飛び込んだタイミングでボールを入れられないために前線が停滞してしまったこと。結局少し降りてきてボールを受けたカカが出しどころなく強引にシュートにいくしかない場面が何度もあったのですが、ディフェンスラインをかき乱していくような動きは全く見られませんでした。モントリーヴォがいないためか放り込みの精度も期待できませんしデ・シリオとコンスタンの両翼もいいクロスは上げられず。インテルが自陣のバイタルエリアを人数をかけて埋めてくるのはもうわかりきっていることなのですが、前半は対策らしい対策もなく終わってしまいました。
 インテルはパラシオ、グアリンが前線から追うエリアとカンビアッソ、サネッティが食いついてくるエリアがはっきりしていたので、後半からはその間でボールは持った選手が積極的に仕掛けていく場面が少し増えてきました。それと同時にバロテッリが右サイドに開くことでDFを引きつけ少し前線を動かしていこうという意図が見えます。

 ミランペースの時間帯に点が取れなかったことと、途中出場のマトリが存在感を示せなかったことで徐々にインテルがミランゴール前まで迫る場面が多くなり結局パラシオの技ありゴールで試合を決められてしまいました。停滞した攻撃陣にパッツィーニの復帰は嬉しいですがやはり崩しの形が作れないとどうにもなりません。ロスタイムにはヒートアップしたムンタリが完全に余計なことをして退場になってしまったのも後味を悪くしてしまいましたし、2013年の締めくくりとしては不満の残るダービーでした。
 日本では本田加入の話題で盛り上がっていますが、フロントも含めてクラブがこの状態で来シーズンのCL、ELの出場権もとれないとなると彼にとっていい移籍になるのかすら疑問ですね。もちろん現状を変える存在となってくれればクラブとしては大歓迎ですし日本でミランがもっと取り上げられるいい機会となってくれることを願います。

17 12月, 2013

セリエA第16節 ナポリvsインテル

 インテルで指揮を執っていたのも今は昔となったベニテスの元でしっかりと戦えるチームの形も完成しつつあるナポリですが、CLでは勝点12をあげながらグループリーグ敗退という厳しい結果となりました。こちらはナポリの前監督マッツァーリが率いるインテルをホームに迎え仕切り直しの一戦です。

SSCナポリ

    GK
  •   1 ラファエウ
  • DF
  • 11 マッジョ
  • 21 フェルナンデス
  • 33 アルビオル
  •   2 レヴェイエール → 19 パンデフ (90+1')
  • MF
  • 20 ジェマイリ
  • 88 インレル
  •   7 カジェホン
  • 14 メルテンス → 27 アルメロ (86')
  • 24 インシーニェ
  • FW
  •   9 イグアイン → 85 ベーラミ (78')

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 14 カンパニャーロ → 9 イカルディ (82')
  • 23 ラノッキア
  • 35 ロランド
  • MF
  •   2 ジョナタン
  • 19 カンビアッソ
  • 55 長友
  • 21 タイデル → 10 コヴァチッチ (61')
  • 11 リカルド・アルバレス (71'退場)
  • FW
  • 13 グアリン
  •   8 パラシオ

Napoli 4 - 2 Inter - legaseriea.it

 序盤はお互い守備ブロックをコンパクトにして囲みにかかることで相手を誘い込んでからの速い攻撃を狙って行く展開。チームの動きとしてはインテルの方がしっかりしているのかなという印象を受けた立ち上がりでしたが先制点はナポリでした。ボールを持つをとにかく前線が動き出して縦に入れ、インテルが最終ラインをきっちりと作りきれないうちにシュートまでもっていってしまう素晴らしい攻撃。今シーズンイグアインとベニテスで切れ味を増した少人数での仕掛けです。得点が全て一度跳ね返されてからのシュートということろもナポリらしさなのでしょう。

 インテルもサイドでのためからディフェンスラインの視界の外から飛び込んでくる形で2点をあげるものの、どうしてもナポリの攻撃の基点をつぶすことができませんでした。インテルが1人退場となってより攻撃に入りやすくなった81分にはインテルのお株を奪うサイドからのはやい折り返しからの追加点で試合を決定づけました。インテルとしては自分たちの形で試合を作れていたもののナポリの攻撃に対応できず完敗でしたね。逆に言うと今後インテルと対戦するクラブとしては対策の参考となる試合だったのではないでしょうか。

セリエA第16節 ミランvsローマ

 リーグ首位はユヴェントスに明け渡したものの、リーグ最少失点と独創的な攻撃で今シーズン未だ無敗を続けているローマ。トッティの怪我による離脱で勝ちきれない時期もありましたが大きな脅威となる相手を迎えての第16節です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ → 55 ガブリエウ (46')
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン → 81 ザッカルド(89')
  • MF
  • 16 ポーリ → 9 マトリ (66')
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • 18 モントリーヴォ
  • 22 カカ
  • FW
  • 45 バロテッリ

ASローマ

    GK
  • 26 デ・サンクティス
  • DF
  • 13 マイコン
  • 17 ベナティア
  •   5 カスタン → 29 ブルディッソ (44')
  •   3 ドド
  • MF
  • 16 デ・ロッシ
  •   4 ブラッドリー
  •   6 ストロートマン
  • FW
  •   8 リャイッチ → 24 フロレンツィ (81')
  • 22 デストロ → 10 トッティ (64')
  • 27 ジェルヴィーニョ

 怪我とそれに伴うコンディション不良からアッビアーティが復帰しました。また試合前の予想フォーメーションによるとモントリーヴォが中盤の底ではなく高い位置での先発となるようです。

Milan 2 - 2 Roma - legaseriea.it

 序盤から高い位置でのボール奪取を狙ってきていたローマに対してミランはロングボールで前線のバロテッリに当ててカカと2人で攻撃を作っていく形。ただやはりバイタルエリアを人数をかけて固めてくるローマの厚い壁を単独で崩すのは難しいですね。
 守備に関してはいつもの中盤3枚に加えてモントリーヴォがバランスをとってパスコースを消し、ローマの組み立ての部分で数的優位を作ろうとしていました。他にも攻撃にアクセントを加えられる選手がいる中でモントリーヴォを選んできたアッレグリの意図はうまく機能していると言えそうです。こういう守備面でのはめこみは本当にうまい監督ですよね。フリーランをしている選手をよく見送ってしまうモントリーヴォにとってもやりやすい位置なのかもしれません。

 ただそういう対策をしても穴ができてしまうのがいまのミラン。サイドから深い位置までえぐっていくローマ得意の形で先制されてしまいました。今シーズンの失点シーンによく見られる傾向ですが、裏に抜けたストロートマンへのケアが遅れ、数人が吸い寄せられてしまったがために中で待っていたデストロにフリーでシュートされてしまうよくないパターンです。
 デストロ以外にも下がった位置でもらおうとしていたブラッドリーや逆サイドのジェルビーニョもフリーとディフェンスラインの中での受け渡しができていないいろいろおかしい守備になっています。あれだけチーム全体の中で中盤の守備を作るのがうまいアッレグリですがここ数年ゴール前での守備は不安視せざるを得ないのが難しいところですね。

 CKから同点にしたものの2点目をとってからは引いて守るローマに対して前線の動きがあまりにも少なくこれじゃ崩せませんよね。マトリ投入でターゲットは増えたものの効果的な形でボールに触ったシーンはほとんどなかったと言っていいんじゃないでしょうか。サイドでの追い越しをやろうという意図はあると思うんですがもう少しバロテッリかマトリが流れて絡んで欲しいところですし、単なる放り込みで競り勝てるほど甘い相手でもありません。

 得点シーンはバロテッリに当ててうまくディフェンスを引きつけたところにムンタリが走り込んでくる形でしたがああいうのがチーム全体で作れるようになると得点も増えると思うんですが。ローマは人が動いてスペースを作り出しボールを動かして何度もチャンスを作っていましたしね。もっと言うとローマはシーズン前からゼロトップにおいて唯一無二の存在のトッティとドリブル突破に優れたサイドアタッカー、運動量とロングボールの質に優れた中盤を揃え明確な意図を持って今シーズンに臨んできたからこその無敗なのでしょう。
 今のミランのごたごたを見ていると現場とフロントの乖離もありますしチームのやりたいことも一貫していませんし結果が出ていないのも納得かな、と。今年の試合は次節ミラノダービーで終わりますがローマから2得点で引き分けという勢いをなくさないような試合を期待したいです。