27 1月, 2014

セリエA第21節 カリアリvsミラン

 ミッドウイークでのウディネーゼ戦に敗れ、もう本当に来季のEL出場権くらいしか目標のなくなってしまったミラン。アウェーですが第2節で勝利しているカリアリとの試合なのでここはきっちり勝って連勝していきましょう。
 事前に話がまとまっていた本田とラミの加入後は人員の整理を主に進めていた感じの冬のメルカートですが、チェルシーで出場機会のなかったエッシェンが移籍金ゼロで加入と発表されました。4-2-3-1のセンターで起用する選手がだぶついている気もしますが、もう現状を変えてくれるなら誰でも大歓迎なので期待したいです。

カリアリ・カルチョ

    GK
  • 25 アヴラモヴ
  • DF
  • 14 ピサーノ
  • 15 ロッセッティーニ
  • 13 アストリ
  • 29 ムール
  • MF
  • 21 デッセーナ → 10 イブライミ (90+1')
  •   5 コンティ
  • 20 エクダル → 16 エリクソン (74')
  • 7 コッス
  • FW
  •   9 サウ →22 カブレラ (69')
  • 51 ピニージャ

ACミラン

    GK
  •   1 アメーリア
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン → 20 アバーテ (77')
  • MF
  • 34 デ・ヨング → 4 ムンタリ (69')
  • 18 モントリーヴォ
  • 10 本田
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 11 パッツィーニ (60')
  • FW
  • 45 バロテッリ

 アッビアーティがクラブ内で流行している風邪によって、サパタとシルヴェストレが怪我によってそれぞれ欠場しているために最終ラインがいままでにない組み合わせとなっています。前線は2列目に右から本田、カカ、ロビーニョと並べワントップにバロテッリを置いています。

Cagliari 1 - 2 Milan - legaseriea.it

 日差しと強風で決していいコンディションとは言えない中での試合、カリアリは序盤からミランのディフェンスラインでのパス回しにまで積極的にプレスをかけてきます。何度か危ない場面があっても後ろからつなぐことを意識しすぎたのかアメーリアのキックミスから簡単に失点してしまいます。出場時間の少ない選手とはいえ、あそこまでつなぐことにこだわっていたのは何だったのでしょう。中盤の選手が積極的に顔を出してパスコースを作っていたわけでもないですし、前半は追い風だったので蹴ってしまってもいいのではという場面も多かったように感じます。
 前線の守備に関しても最終ラインまで追っては行くもののポジショニングが中途半端でセンターバックからの縦パスを許してしまっていますし、ロングボールも警戒しなければならないからかラインも上げられずに中盤にスペースを許してしまっていました。そのスペースを3人から2人に減ったセンターハーフで潰しきれるはずもなくデ・ヨングには相当な負担がかかっていたように思います。ムンタリに交代してからはさらに中盤でのチェックが甘くなってしまっていたのでこの部分はチーム全体の守備としてなんとかしなければなりませんね。

 攻撃はミランの意図もあるのでしょうが前節のヴェローナ戦に比べてカリアリが前線からしっかり奪いにきていたこともあって違う形になりました。ロビーニョと本田がサイドに開く場面が多くなり、必然的に短いパスの交換は少なくなるのでヴェローナ戦の序盤で見せていたような攻撃はこの試合の前半では少なくなっています。アッレグリの時にはサイドでためを作ってセンターに入ってくる選手に合わせるパターンを得意としていましたがロビーニョなんかはそれに近い動きがまだ残っているんですかね。時間が経つにつれて少しずつ変わっているように見えましたがセードルフ監督の志向するサッカーはどういうものなのかまだはっきりとは浸透していないのか。

 惜しい場面はあったものの点を入れられないまま時間が進み、ヴェローナ戦に続いて残り10分を切ってからの帳尻あわせのような得点での勝利。内容的にはまだまだ改善したい点も多いですが今シーズン初の連勝ということで結果が出ているところはひと安心です。過渡期をうまく乗り切ってはやく新しい形を見たいと願い続けています。

21 1月, 2014

セリエA第20節 ミランvsエラス・ヴェローナ

 前節のサッスオーロ戦に敗れたことでアッレグリ監督の解任、タッソッティ助監督の暫定的な監督就任、ミランを去ってブラジルのボタフォゴでプレーしていたセードルフの監督就任と目まぐるしい1週間でした。この時期だということを除いてはこれまでに報道されていた噂通りとなった部分も多いのですが、ちょうどシーズンの前半を終えたタイミングでの刷新ということになります。
 ミッドウイークにはコッパ・イタリアでセリエBのスペツィアに3-1と快勝し、本田が先発したことで日本のニュースでも大きく取り上げられました。本田の初得点と勝利は喜ばしいのですが1失点はどうしたのでしょう。セリエBのチーム相手にも守備が崩壊してしまったのかと気が気じゃありません。試合自体は見れていないのでわかりませんが少し気になる状態で開幕節で敗れたエラス・ヴェローナとの対戦です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ → 26 シルヴェストレ (52')
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 18 モントリーヴォ
  • 10 本田 → 14 ビルサ (63')
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 37 ペターニャ (78')
  • FW
  • 45 バロテッリ

エラス・ヴェローナ

    GK
  •   1 ラファエウ
  • DF
  • 23 アレハンドロ・ゴンザレス → 11 ヤンコビッチ (85')
  • 18 モラス
  • 22 マイエッタ
  • 33 アゴスティーニ
  • MF
  • 14 シリグリアーノ → 30 ドナデル (90')
  •   2 ロムロ
  • 10 ハルフレッドソン
  • FW
  • 15 イトゥルベ
  •   8 カシア → 6 マルティーニョ (61')
  • 21 フアニート

 セードルフ監督はアッレグリのような3センターではなく2ボランチを基本とするのではないかというガゼッタの報道通り、事前の予想では4-2-3-1のフォーメーション。前線はバロテッリをトップにその下に右からカカ、本田、ロビーニョという並びが基本になるようです。

Milan 1 - 0 Hellas Verona - legaseriea.it

 新監督1戦目ということでまずはメンバーの配置から注目されていますが、マトリがフィオレンティーナに移籍、パッツィーニが再び筋肉トラブルで離脱といきなり純粋なFWのプレーヤーが不足してしまいました。出場停止の多すぎるバロテッリとほとんど試合出場のないペターニャしかいない状態で2トップを選択できるはずもなく1トップ、もしくはサイドアタッカーを置いた3トップになるのは自然な形でしょう。
 また、様々な形で試行錯誤を重ねながら長らくミランの屋台骨を支えてきた4バックと3センターの守備ブロックも4-2-3-1のシステムで多少への変化がありそうです。ここ1ヶ月くらいの試合ではクリスマスツリーにおいて弱点となっていたサイドの守備を突かれて失点することが多かったためにこの点での改善も期待したいです。

 試合内容としてはまず攻撃の際目立った変更点として相手DFラインに張り付く形ではなく少し下がって受けようという間の意識が見られました。これまでは中盤から飛び込んでもそこで停滞してしまい形を作れないことが多かったのですが、2列目の選手が自由に動くことで相手のマークをずらしバロテッリもカカも比較的ボールを持ちやすいスペースでもらえていました。さらにいい時間帯では近い距離で自由に動きダイレクトでの簡単なパス交換が増え、純粋なサイドアタッカーを配置しない4-2-3-1のシステムとしてはまずいいやり方ができているのではないかと思います。
ただヴェローナも立ち上がりから9人で守備ブロックをしっかりと敷いていたので簡単にシュートまで持っていける場面は多くありませんでした。動いて崩す意識はあるものの監督交代直後ということもあってなかなかシュートまでのイメージは共有できていないのかなという印象です。まあこのあたりはアッレグリのときもはっきりと狙い所があったわけではなさそうなのでこれからのセードルフ監督の手腕に期待しましょう。

 後半全体的に運動量が落ちてくると序盤に見られた近い位置でのパスやエリアをまたいでの動きもなくなり、いつもの危ない空気が漂ってきます。ビルサの投入も大きく流れを変えるには至らず、何度かカウンターでチャンスを作られ昇格クラブ相手にまたしてもしてやられてしまうのかという気持ちがありましたが82分にPKを獲得して1-0での勝利。カカはあまりいい体勢ではありませんでしたし完全にもらいに行った動きでしたね。とりあえずセードルフの初陣を勝利で飾るという最低限の結果は出しましたがこれまでできていなかった動きが急でにできるようになるはずもなく、徐々にでもクラブ全体がよくなっていくように願っています。

13 1月, 2014

セリエA第19節 サッスオーロvsミラン

 年が明けて初戦をいい形で勝ったことでここから上昇気流に乗っていきたいミラン。プレシーズンでも対戦した昇格組であるサッスオーロのホームでの試合です。もちろん本田が登録メンバーに入ったことで日本メディアとしては否が応でも出場を期待してしまうところですね。

USサッスオーロ・カルチョ

    GK
  • 79 ペゴーロ
  • DF
  • 23 ガッツォーラ
  •   5 アンテイ
  •   6 アリアウド
  •   3 ロンギ
  • MF
  • 27 クルティッチ → 24 マルツォラッティ (87')
  •   4 マニャネッリ
  • 45 チブサー
  • FW
  • 25 ベラルディ → 37 スケロット (78')
  • 10 ザザ → 83 フローロフローレス (85')
  • 86 ツィークラー

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 24 クリスタンテ → 18 モントリーヴォ (55')
  • 34 デ・ヨング
  • 23 ノチェリーノ → 11 パッツィーニ (55')
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 10 本田 (65')
  • FW
  • 45 バロテッリ

 モントリーヴォはまだ怪我の影響かベンチスタートですがバロテッリが今節は先発。そしてアタランタ戦で初先発しゴールをあげたクリスタンテがまた中盤の一角に入っています。CLの登録メンバーにも入っているようですし期待が持てますね。

Sassuolo 4 - 2 Milan - legaseriea.it

 事前の予想通りミランがボールを持って試合を進めていく展開。立て続けに2点とって普段とは違うミランかと思いきやいつも通り後手に回ったディフェンスラインが寄せきれず直後に失点。サッスオーロは序盤のばたつきが落ち着くとしっかりと引いて守ろうという意識ができたのか最終ラインに5、6人並べてロングボール1本のカウンターというやり方できました。センターからの速攻にしてもサイドからの遅攻にしても個人での打開が中心になるのかなという印象でしたが、やはり好調のベラルディにやられてしまいましたね。守備崩壊は本当に手の施しようがないんでしょうか。

 結局ベラルディ1人に4得点を許しどうしようもなくなったところでパッツィーニ、モントリーヴォを投入。前線の選手を増やしとにかく得点を狙っていきますが動きのない攻撃ではどうにもならず。ついに65分に本田が途中出場しました。ロビーニョは最初から90分計算できる選手ではないので予想通りの交代でした。カカとバロテッリが消えてしまった後崩しのなくなっていたミランですがパッツォリーヴォと本田の投入で中盤の底から1人ずつ起点ができ攻撃の意思がよりはっきりしてきました。
 本田はプレーエリアも広く相手のギャップをしっかりついて守備ブロックをずらすような動きを精力的にしていたのが印象的でした。役割的にはロビーニョよりもビルサに近いものを与えられていそうですが中盤からの縦への飛び出しはあるものの横へのスライドで崩す選手はいないだけに足りないピースを埋める存在になってくれそうです。さらにサイドでためが作れることでデ・シリオとの高い位置での絡みも多かったですし素晴らしいですね。モントリーヴォへのプレスも緩くなったことで長距離での放り込みも効いてきて途中出場の3人によってまた試合が動いてきました。

 ただ試合開始から出場していたカカ、バロテッリは疲労からか既にキレのあるプレーはできず、パッツィーニも前線に張り付いてDFを背負っていた状態では決定的な仕事をさせてもらえないことが多かったのでモントリーヴォもパスの出しどころがない場面が多く見られたのが残念でした。点が入ってもいいような場面も何度かありましたが結局その後はモントリーヴォの1点のみで試合終了。ベラルディにやられた4失点が大きくのしかかり最下位のチーム相手に黒星を喫してしまいました。この試合はユヴェントスからローンでサッスオーロに在籍しているベラルディのお膳立てという役回りになってしまいましたね。

 本田の加入によって日本でも大きく報道されるようになったミランですが今シーズンの停滞はまだ続きそうです。翌13日の記者会見によってアッレグリ監督の解任が発表され後任は暫定的に助監督のタッソッティが就くことが発表されました。年末のコメントによって最後のクリスマスという表現はしていましたがこんなにもはやくチームを離れることになるとは思っていなかったですし、個人的にはミランの大変な時期を持ちこたえ結果ももたらしてくれた監督だっただけにショックが大きいです。
 メディアではこれまで通り後任の名前にセードルフやピッポの名前が挙がっていますがとにかく今週のミッドウイークには次のコッパ・イタリアの試合が控えているわけで、いちサポーターとしては今後も試合を見て応援していくしかありませんね。

07 1月, 2014

セリエA第18節 ミランvsアタランタ

 2013年は最後の試合でインテル相手に黒星を喫し、さらにアッレグリが自身の退任に関するコメントを出すなどピッチ上、フロント共に停滞している感がぬぐえないまま終わってしまいました。2014年最初の試合はホームでのアタランタ戦、年明けからの巻き返しに望んでいきましょう。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ → 13 ラミ (83')
  •   5 メクセス
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 24 クリスタンテ
  • 34 デ・ヨング
  • 23 ノチェリーノ
  •   7 ロビーニョ → 16 ポーリ (74')
  • 22 カカ
  • FW
  •   9 マトリ → 45 バロテッリ (58')

アタランタBC

    GK
  • 47 コンシーリ
  • DF
  • 29 ベナルアーノ → 23 ブリエンツァ (74')
  •   2 ステンダルド
  •   8 ミリアッチョ
  • 28 ブリービオ
  • MF
  • 21 チガリーニ
  • 17 カルモナ → 18 バセッリ (18')
  • 77 ライモンディ
  • 10 ボナヴェントゥーラ → 91 デ・ルカ (69')
  • FW
  • 11 モラレス
  •   9 デニス

 ムンタリの出場停止に加えモントリーヴォが筋肉トラブル、バロテッリが風邪と相変わらずメンバーを選ぶことができないとアッレグリの嘆きが聞こえてきそうです。それでも悪いニュースばかりではなくウインターブレイクを経てメクセスが復帰してきました。ラミも登録メンバーに入り、シルベストレも怪我は完治したようですが今日はシーズン前半でいちばん多かった組み合わせでいくようです。さらにプリマヴェーラ出身の18歳クリスタンテが初先発と楽しみも出てきました。

Milan 3 - 0 Atalanta - legaseriea.it

 立ち上がりはミランが低い位置からゆっくりボールを回して探っていくような展開。アタランタもがっちり引いて守るわけではなく中盤から人数をかけて奪いに来ていましたが、その分ミランは早く攻撃に移ることができればいい形を作ることができました。マトリとロビーニョの組み合わせもこういう展開では持ち味を活かしていけますね。うまくトランジションができなかったり前線へのパスが雑になったときにはアタランタのカウンターをもらう場面もあったものの相手の縦への動きにもしっかりとついていっていました。

 前半35分にカカがミランでの通算100ゴール目となる先制点を決め、しっかりと試合のペースを握っていこうという流れを作ります。カカがブラジルから渡ってきて10年が経ち、本人もミランも大きく状況が変わったところもありますがキレのあるドリブルスピードはまだ輝いています。今シーズン前半戦は彼におんぶにだっこな状態ですしこれからも前以上の活躍を期待してしまいます。風邪で先発メンバーから外れていたバロテッリもひとつひとつのプレーはこのレベルのDF相手では頭一つ抜けているようなところもあり、前線でボールがキープできる場面が増えたためにチーム全体が楽になったのではないでしょうか。

 終わってみれば2014年最初の試合は3-0という結果で好スタートをきることができました。カカの100ゴール目は言うに及ばず初先発、初得点をあげたクリスタンテの今後への期待も持てますしアクシデントによる出場でしたが昨秋からチームに合流していたラミがようやく公式戦でミランのユニフォームを着ました。そしてスタンドに座って観戦しているだけで試合のテレビ放映を増やしてくれる本田も今後はピッチでチームに貢献してくれると思います。
 成績としては依然苦しい状況であることは間違いありませんが、しっかりとゲームの質を向上させ1試合ずつ勝点を積み重ねていきたいですね。