25 12月, 2013

セリエA第17節 インテルvsミラン

 絶不調のシーズンですがそれでも負けたくない一戦、ダービーです。メンバー的には難しいもののローマ戦では復調の兆しのようなものは見られましたし今年最後の試合ということもあるのでとにかく結果を求めたいところですね。

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 14 カンパニャーロ
  • 35 ロランド
  •   5 フアン
  • MF
  •   2 ジョナタン
  •   4 サネッティ → 17 クズマノビッチ (68')
  • 19 カンビアッソ → 9 イカルディ (82')
  • 21 タイデル → 10 コバチッチ (57')
  • 55 長友
  • 13 グアリン
  • FW
  •   8 パラシオ

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ
  • 21 コンスタン → 28 エマヌエルソン (46')
  • MF
  • 16 ポーリ → 11 パッツィーニ (87')
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  •   8 サポナーラ → 9 マトリ (76')
  • 22 カカ
  • FW
  • 45 バロテッリ

 開幕直前から怪我をしていたサポナーラがこの試合で初先発しています。これまで途中交代での出場はありましたがモチベーションも高いですしいい起爆剤になってくれることを期待したいですね。累積警告で出場停止のモントリーヴォの代わりにはポーリが入りました。

Inter 1 - 0 Milan - legaseriea.it

 序盤は両チーム共にボールを奪ってから速く前に運べれば前線で脅威になる選手がいることはよくわかっているので慎重な入り方。ただバイタルエリアに入ってからの動きはインテルの方が活発で流動的と言わざるを得ません。
 基本的にずっとゴール前にいるのはパラシオのみで後はタイミングよく少ない人数で飛び込んで来るインテルに対して、ミランは最前線に人数はかけるもののそこで待っているだけになってしまいインテルの最終ラインに抑え込まれてしまうことが多く見られました。

 まず問題点としてはインテルの最終ラインが低くスペースがないのとプレスがきちんと効いていてムンタリやサポナーラが飛び込んだタイミングでボールを入れられないために前線が停滞してしまったこと。結局少し降りてきてボールを受けたカカが出しどころなく強引にシュートにいくしかない場面が何度もあったのですが、ディフェンスラインをかき乱していくような動きは全く見られませんでした。モントリーヴォがいないためか放り込みの精度も期待できませんしデ・シリオとコンスタンの両翼もいいクロスは上げられず。インテルが自陣のバイタルエリアを人数をかけて埋めてくるのはもうわかりきっていることなのですが、前半は対策らしい対策もなく終わってしまいました。
 インテルはパラシオ、グアリンが前線から追うエリアとカンビアッソ、サネッティが食いついてくるエリアがはっきりしていたので、後半からはその間でボールは持った選手が積極的に仕掛けていく場面が少し増えてきました。それと同時にバロテッリが右サイドに開くことでDFを引きつけ少し前線を動かしていこうという意図が見えます。

 ミランペースの時間帯に点が取れなかったことと、途中出場のマトリが存在感を示せなかったことで徐々にインテルがミランゴール前まで迫る場面が多くなり結局パラシオの技ありゴールで試合を決められてしまいました。停滞した攻撃陣にパッツィーニの復帰は嬉しいですがやはり崩しの形が作れないとどうにもなりません。ロスタイムにはヒートアップしたムンタリが完全に余計なことをして退場になってしまったのも後味を悪くしてしまいましたし、2013年の締めくくりとしては不満の残るダービーでした。
 日本では本田加入の話題で盛り上がっていますが、フロントも含めてクラブがこの状態で来シーズンのCL、ELの出場権もとれないとなると彼にとっていい移籍になるのかすら疑問ですね。もちろん現状を変える存在となってくれればクラブとしては大歓迎ですし日本でミランがもっと取り上げられるいい機会となってくれることを願います。

17 12月, 2013

セリエA第16節 ナポリvsインテル

 インテルで指揮を執っていたのも今は昔となったベニテスの元でしっかりと戦えるチームの形も完成しつつあるナポリですが、CLでは勝点12をあげながらグループリーグ敗退という厳しい結果となりました。こちらはナポリの前監督マッツァーリが率いるインテルをホームに迎え仕切り直しの一戦です。

SSCナポリ

    GK
  •   1 ラファエウ
  • DF
  • 11 マッジョ
  • 21 フェルナンデス
  • 33 アルビオル
  •   2 レヴェイエール → 19 パンデフ (90+1')
  • MF
  • 20 ジェマイリ
  • 88 インレル
  •   7 カジェホン
  • 14 メルテンス → 27 アルメロ (86')
  • 24 インシーニェ
  • FW
  •   9 イグアイン → 85 ベーラミ (78')

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 14 カンパニャーロ → 9 イカルディ (82')
  • 23 ラノッキア
  • 35 ロランド
  • MF
  •   2 ジョナタン
  • 19 カンビアッソ
  • 55 長友
  • 21 タイデル → 10 コヴァチッチ (61')
  • 11 リカルド・アルバレス (71'退場)
  • FW
  • 13 グアリン
  •   8 パラシオ

Napoli 4 - 2 Inter - legaseriea.it

 序盤はお互い守備ブロックをコンパクトにして囲みにかかることで相手を誘い込んでからの速い攻撃を狙って行く展開。チームの動きとしてはインテルの方がしっかりしているのかなという印象を受けた立ち上がりでしたが先制点はナポリでした。ボールを持つをとにかく前線が動き出して縦に入れ、インテルが最終ラインをきっちりと作りきれないうちにシュートまでもっていってしまう素晴らしい攻撃。今シーズンイグアインとベニテスで切れ味を増した少人数での仕掛けです。得点が全て一度跳ね返されてからのシュートということろもナポリらしさなのでしょう。

 インテルもサイドでのためからディフェンスラインの視界の外から飛び込んでくる形で2点をあげるものの、どうしてもナポリの攻撃の基点をつぶすことができませんでした。インテルが1人退場となってより攻撃に入りやすくなった81分にはインテルのお株を奪うサイドからのはやい折り返しからの追加点で試合を決定づけました。インテルとしては自分たちの形で試合を作れていたもののナポリの攻撃に対応できず完敗でしたね。逆に言うと今後インテルと対戦するクラブとしては対策の参考となる試合だったのではないでしょうか。

セリエA第16節 ミランvsローマ

 リーグ首位はユヴェントスに明け渡したものの、リーグ最少失点と独創的な攻撃で今シーズン未だ無敗を続けているローマ。トッティの怪我による離脱で勝ちきれない時期もありましたが大きな脅威となる相手を迎えての第16節です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ → 55 ガブリエウ (46')
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン → 81 ザッカルド(89')
  • MF
  • 16 ポーリ → 9 マトリ (66')
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • 18 モントリーヴォ
  • 22 カカ
  • FW
  • 45 バロテッリ

ASローマ

    GK
  • 26 デ・サンクティス
  • DF
  • 13 マイコン
  • 17 ベナティア
  •   5 カスタン → 29 ブルディッソ (44')
  •   3 ドド
  • MF
  • 16 デ・ロッシ
  •   4 ブラッドリー
  •   6 ストロートマン
  • FW
  •   8 リャイッチ → 24 フロレンツィ (81')
  • 22 デストロ → 10 トッティ (64')
  • 27 ジェルヴィーニョ

 怪我とそれに伴うコンディション不良からアッビアーティが復帰しました。また試合前の予想フォーメーションによるとモントリーヴォが中盤の底ではなく高い位置での先発となるようです。

Milan 2 - 2 Roma - legaseriea.it

 序盤から高い位置でのボール奪取を狙ってきていたローマに対してミランはロングボールで前線のバロテッリに当ててカカと2人で攻撃を作っていく形。ただやはりバイタルエリアを人数をかけて固めてくるローマの厚い壁を単独で崩すのは難しいですね。
 守備に関してはいつもの中盤3枚に加えてモントリーヴォがバランスをとってパスコースを消し、ローマの組み立ての部分で数的優位を作ろうとしていました。他にも攻撃にアクセントを加えられる選手がいる中でモントリーヴォを選んできたアッレグリの意図はうまく機能していると言えそうです。こういう守備面でのはめこみは本当にうまい監督ですよね。フリーランをしている選手をよく見送ってしまうモントリーヴォにとってもやりやすい位置なのかもしれません。

 ただそういう対策をしても穴ができてしまうのがいまのミラン。サイドから深い位置までえぐっていくローマ得意の形で先制されてしまいました。今シーズンの失点シーンによく見られる傾向ですが、裏に抜けたストロートマンへのケアが遅れ、数人が吸い寄せられてしまったがために中で待っていたデストロにフリーでシュートされてしまうよくないパターンです。
 デストロ以外にも下がった位置でもらおうとしていたブラッドリーや逆サイドのジェルビーニョもフリーとディフェンスラインの中での受け渡しができていないいろいろおかしい守備になっています。あれだけチーム全体の中で中盤の守備を作るのがうまいアッレグリですがここ数年ゴール前での守備は不安視せざるを得ないのが難しいところですね。

 CKから同点にしたものの2点目をとってからは引いて守るローマに対して前線の動きがあまりにも少なくこれじゃ崩せませんよね。マトリ投入でターゲットは増えたものの効果的な形でボールに触ったシーンはほとんどなかったと言っていいんじゃないでしょうか。サイドでの追い越しをやろうという意図はあると思うんですがもう少しバロテッリかマトリが流れて絡んで欲しいところですし、単なる放り込みで競り勝てるほど甘い相手でもありません。

 得点シーンはバロテッリに当ててうまくディフェンスを引きつけたところにムンタリが走り込んでくる形でしたがああいうのがチーム全体で作れるようになると得点も増えると思うんですが。ローマは人が動いてスペースを作り出しボールを動かして何度もチャンスを作っていましたしね。もっと言うとローマはシーズン前からゼロトップにおいて唯一無二の存在のトッティとドリブル突破に優れたサイドアタッカー、運動量とロングボールの質に優れた中盤を揃え明確な意図を持って今シーズンに臨んできたからこその無敗なのでしょう。
 今のミランのごたごたを見ていると現場とフロントの乖離もありますしチームのやりたいことも一貫していませんし結果が出ていないのも納得かな、と。今年の試合は次節ミラノダービーで終わりますがローマから2得点で引き分けという勢いをなくさないような試合を期待したいです。

27 11月, 2013

UEFA CL第5節 セルティックvsミラン

 結果のでないチームに対してついにサポーターによる選手の囲みまで発生したミラン。監督人事も御家騒動もメディアの話題としては一区切りついた感じがありますが試合で勝てない限りサポーターの気持ちはよくなりません。ベスト16進出のためには落とせないアウェーでのセルティック戦です。

セルティックFC

    GK
  •   1 フォースター
  • DF
  • 23 ルスティグ
  •   4 アンブローズ
  •   5 ファン・ダイク
  •   3 イサギーレ
  • MF
  • 49 フォレスト →18 ロギッチ (80')
  • 21 マルグリュー
  • 33 カヤル → 16 レドリー (31')
  • 11 ブーリフテル
  • FW
  • 15 コモンズ → 10 ストークス (65')
  •   9 サマラス

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ → 23 ノチェリーノ (48')
  • 17 サパタ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  • 16 ポーリ
  • 14 ビルサ → 21 コンスタン (72')
  • 22 カカ → 7 ロビーニョ (80')
  • FW
  • 45 バロテッリ

 予想フォーメーションによると前線のビルサ、カカ、バロテッリびがこれまでの3トップではなくトップ下にビルサとカカが並ぶような形になっています。カカがミランに加入した頃のクリスマスツリーのような形でしょうか。それとこの試合先発メンバーの全員が12番以上の大きい背番号をつけています。まあいまは大きい番号でも自由につけられる制度ですが1人もいないというのも不思議なものです。

UEFA Champions League 2014 - Celtic-Milan – UEFA.com

 序盤からホームの大声援を受けてボールに対して厳しくチェックにきたセルティックですが、どうしても連動した守備というものがなく中盤があいてしまうためにミランとしては楽に前線までボールが運べました。やはりカカが基点として機能している試合はいいです。バロテッリもしっかりとボールを収め、かつセルティックの激しいチャージを受けてもいつものように簡単に倒れることはなくしっかりプレーしていたのが印象的でした。やればできるんじゃないか。
 欲を言えば2得点はセットプレーから、最後の得点もモントリーヴォが低い位置から裏に1本で通してのゴールと守った相手に崩してとったわけではないのでこれがこのままセリエでできるわけではないというのが難しいところですかね。まあセルティックがそういう守備をしていなかったのでこの試合では必要のないことではありますが。

 守備に関してもボネーラが安定感を見せ、セルティックの攻撃をシャットアウト。クロスに対してもフリーキックに対してもしっかりと跳ね返していました。何度かフリーで打たれたシュートもアッビアーティが抜群の反応でブロックしていて守護神の貫禄です。やはりこの人にはもうしばらくがんばってもらわないといけないのかもしれません。

 ひさびさの、本当にひさびさの快勝と言える結果で安心して見ていられました。アヤックスがバルサに勝利したためベスト16進出決定とはなりませんでしたが第5節終了時点で2位をキープできていることは喜ばしいです。これがヨーロッパの舞台に強いミランの伝統なんでしょうかね。再来週のアヤックス戦にもしっかり勝って、この勢いをセリエの方にまで継続させてここから巻き返していきたいと願っています。

12 11月, 2013

プレミアリーグ第11節 マンチェスター・ユナイテッドvsアーセナル

 監督交代による影響かいいスタートはきれなかったユナイテッドですがここ数試合は連勝で徐々に調子を取り戻してきました。エジルとフラミニというピンポイントの補強があたりここまで首位を独走しているアーセナルをホームに迎えての一戦です。

マンチェスター・ユナイテッドFC

    GK
  •   1 デ・ヘア
  • DF
  • 12 スモーリング
  •   6 エヴァンズ
  • 15 ヴィディッチ → 23 クレヴァリー (45')
  •   3 エヴラ
  • MF
  • 16 キャリック
  •   4 フィル・ジョーンズ
  • 25 バレンシア
  • 10 ルーニー
  • 26 香川 → 11 ギグス (77')
  • FW
  • 20 ファン・ペルシー → 31 フェライニ (84')

アーセナルFC

    GK
  •   1 シュチェスニー
  • DF
  •   3 サニャ
  •   6 コシェルニー
  •   5 フェルメーレン
  • 28 ギブス
  • MF
  •   8 アルテタ → 44 グナブリー (82')
  • 20 フラミニ → 10 ウィルシャー (60')
  • 16 ラムジー
  • 11 エジル
  • 19 カソルラ → 23 ベントナー (77')
  • FW
  • 12 ジルー

 ユナイテッドはウェルベックが膝の怪我から回復していませんが、布陣に大きな変更はなく試行錯誤を経て安定してきました。アーセナルもメルテザッカー、ウォルコット、ポドルスキーが欠場しているもののラムジーが高い位置に入り好調の攻撃陣が今日も健在です。

Man Utd vs Arsenal | premierleague.com

 序盤はユナイテッドがボールを持って前で試合を進めていく展開。しかしドリブルでの単騎突入ではなかなかアーセナルの守備陣を突破できず。サイドからの放り込みもシュチェスニーがしっかり対応していました。特に左サイドはエヴラがかなり上がってきていましたが香川と近い位置で崩して裏を取るまではなかなかいけずにまだお互いに活かしてくるというまでにはいっていないのかなという印象。中盤の選手によって攻撃の形が大きく変わってしまうので難しいところですね。
 先制点はCKからユナイテッド。ファン・ペルシーが飛び込んできてのヘディングでさすがの強さを見せつけました。これでアーセナル戦3戦連発ということでこの人はほんと古巣いじめが得意です。

 アーセナルもバイタルエリアで近い距離を保って崩そうという意図は見えるもののキャリックとフィル・ジョーンズがセンターでしっかりゾーンを作っていたためにやらせてもらえない状態。もう少し縦に速い攻撃が多くできればよかったのですが、そこまで前からプレッシングを激しくかけていなかったのとユナイテッドのポゼッションによってどうしてもボールを奪う位置が低くなってしまいボールが前に行く頃には守備ブロックができあがってしまっていました。中盤の守備を向上させるはずのラムジーもこの試合では最終ラインに吸収されているシーンが多く力技でこじあけるために投入したベントナーもしっかり抑えられてしまい結果的には選手交代も含めてユナイテッドの思い通りに試合を運ばれてしまったということでしょうか。

 今日は流れからの得点はあげられませんでしたが、ユナイテッドはファン・ペルシーとルーニー頼みではなく徐々にチームの形を作れてきているのを感じました。アーセナルの連勝をストップしたことで首位を追う他のチームも含めておもしろくなってきています。

05 11月, 2013

セリエA第11節 ミランvsフィオレンティーナ

 10節を終えて勝ち点12と相変わらず苦しい戦いが続いています。今日の相手は独特の内容に結果がついてきた勘のある好調フィオレンティーナですがホームでしっかり勝つことができるでしょうか。

ACミラン

    GK
  • 59 ガブリエウ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 81 ザッカルド
  • 17 サパタ
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ → 8 サポナーラ (69')
  • FW
  • 14 ビルサ → 78 ニアン (57')
  • 45 バロテッリ
  • 22 カカ

ACFフィオレンティーナ

    GK
  •   1 ネト
  • DF
  • 40 トモヴィッチ
  •   2 ゴンサロ・ロドリゲス
  • 15 サヴィッチ
  • 23 パスクアル
  • MF
  • 10 アクイラーニ
  • 21 アンブロジーニ → 18 ベシーノ (33')
  • 20 ボルハ・バレロ
  • FW
  • 30 マトス → 83 オリベイラ (90+1')
  • 49 ロッシ → 17 ホアキン (68')
  • 66 バルガス

 前節復帰したデ・シリオですが練習中に再度膝を痛めたということでメンバー外に。いい動きをしていただけに残念です。そしてフィオレンティーナにはアンブロジーニが。中盤に人数を多くかけて運動量を求められるチーム戦術ですがしっかりと出場しているようで喜ばしい反面これだけできるのならばミランにいてほしかった気持ちもありますね。

Milan 0 - 2 Fiorentina - legaseriea.it

 ミラン前線の3人が自由に動いてボールをもらいにいこうという意図は見えるのですが、いかんせん連動した動きというものになっていません。カカが中盤に顔を出してあけたスペースもバロテッリやビルサが有効に使う感じではなく、可能性を感じる形としてはムンタリの飛び出しくらいでしょうか。ビルサやニアンというウイングのプレーヤーがサイドに張るならもっと個人で勝負してもいいと思うのですがそういう場面も少なかったですし、これではなかなかセリエの上位を走っている相手を崩せないのも当然でしょう。
 守備に関しても中盤からサイドに展開された際に引っ張りだされた選手のカバーがきちんとできていないためにそこから何度もチャンスを作られています。先制点はアンラッキーな形でしたが2点目は人数も十分いた場面ですしそもそもあそこでついていたのがバロテッリというのもどういうことなのか。

 アッレグリの頭の中にある引き出しの多さは素晴らしいと思うのですが、この試合に関しては全体的にチームとして何がしたいのかがはっきりしない印象でした。こういう状態だと怪我人が復帰しても厳しいでしょうし補強云々という話でもないのではないでしょうか。セードルフの発言など監督交代報道が大きくなってきて毎週の結果と両立させなければいけない現実はありますが、まずはどういうサッカーを目指すのかを見せてほしいです。

31 10月, 2013

セリエA第10節 ミランvsラツィオ

 パルマ戦ではいい時間帯もあったもののお粗末な試合内容で負けてしまいました。人数をかけてひいてくる相手に対する崩しはどのチームでも大きなテーマとなっていますが、アッレグリはそのあたりあまり得意ではないようなのでどうしても個人頼みになってしまいますね。

ACミラン

    GK
  • 59 ガブリエウ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 81 ザッカルド
  • 17 サパタ
  •   2 デ・シリオ
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ → 16 ポーリ (75')
  • FW
  • 14 ビルサ → 9 マトリ (75')
  • 45 バロテッリ
  • 22 カカ → 7 ロビーニョ (84')

SSラツィオ

    GK
  • 22 マルケッティ
  • DF
  • 39 カヴァンダ
  •   2 シアニ
  • 27 カナ
  • 26 ラドゥ
  • MF
  • 15 ゴンサレス
  • 24 レデスマ
  •   8 エルナ → 23 オナジ (46'HT)
  • FW
  • 87 カンドレーヴァ → 17 ペレイリーニャ (90+2')
  • 11 クローゼ
  • 34 ペレア → 99 フロッカリ (68')

 前節のベンチ入りを経てデ・シリオが復帰しました。左サイドバックは完全にウイークポイントとなっていただけに嬉しいです。点を取るポジションでもないですしこのチーム状況を変えてくれと願うのは重責でしょうけど。

Milan 1 - 1 Lazio - legaseriea.it

 雨が激しいからか両チーム共にあまり展開の早い試合にはせず。昨シーズン3位とコッパ・イタリアの覇者の対戦なのですが現在中位にいるチーム同士の試合という感じがあふれています。特にラツィオは中盤の運動量が少なく前線のプレスへの連動やバックラインへのサポートがないためにミランがスペースを有効に使える場面が多かったです。

 それでも点がとれず、失点してしまうのがいまのミランでした。カカのビューティフルゴールは本当に素晴らしかったのですがチャンスらしいチャンスを作れた場面が少なすぎます。バロテッリのコンディションも悪いわけではないと思うのですが周囲との距離が遠すぎるのかなかなか有効な崩しを作っていくまでには至らず。どうしても意図的に形を作り出すことができません。さらにセットプレーのお粗末な守備もあいかわらずでした。モントリーヴォはなんのためにあそこに立っていたのでしょう。

 パルマ戦に続いてもやもやの残る試合でしたがカカが復調してきているのはいい兆しですし復帰したデ・シリオも期待できる動きを見せていました。逆に言えばそこにしか魅力を感じられない今週のミラン。我慢の時期はまだ続きそうです。

29 10月, 2013

プレミアリーグ第9節 チェルシーvsマンチェスター・シティ

 まだシーズンは序盤ですが好調でリーグ首位のアーセナルに離されたくはない両チーム。チャンピオンズリーグもあって過密スケジュールの中ですが上位直接対決です。

チェルシーFC

    GK
  •   1 チェフ
  • DF
  •   2 イバノビッチ
  • 24 ケーヒル
  • 26 テリー
  •   3 アシュリー・コール
  • MF
  •   7 ラミレス
  •   8 ランパード → 12 ミケル (65')
  • 14 シュールレ → 22 ウィリアン (65')
  • 11 オスカル
  • 17 アザール → 29 エトー (83')
  • FW
  •   9 トーレス

マンチェスター・シティFC

    GK
  •   1 ハート
  • DF
  •   5 サバレタ
  • 26 デミチェリス
  • 33 ナスタシッチ
  • 22 クリシー
  • MF
  • 14 ハビ・ガルシア → 13 コラロフ (79')
  • 25 フェルナンジーニョ
  •   8 ナスリ → 15 ヘスス・ナバス (69')
  • 42 ヤヤ・トゥーレ
  • 21 ダビド・シルバ
  • 16 アグエロ → 9 ネグレド (86')

 チェルシーはトーレスをワントップに置いてシュールレが本職のサイドに入る形。前線のメンバーは開幕からターンオーバーもしながら試行錯誤が続いているようです。シティの方はコンパニの欠場と入れ替わるように怪我から復帰したデミチェリスがナスタシッチと共に先発で起用されました。予想フォーメーションではヤヤ・トゥーレが中盤の高い位置に、ハビ・ガルシアが底に入って普段より一列高いところにいます。展開によってバイタルエリアに入ってくる選手が入れ替わることが多いのでどのような攻撃を見せてくるか注目ですね。

Chelsea vs Man City | premierleague.com

 立ち上がり中盤から激しく囲みにいっていたシティですが、チェルシーはあまりテンポの速い試合にはつきあわずシティがボールを持つとしっかりと守備の形を作ってから応戦していく構えを見せます。それに対してシティも徐々にハイプレスからの速攻よりもじっくりと低い位置から作っていくように。ヤヤ・トゥーレが前線から守備に加わっていいプレスを見せていたのですがポゼッションできる相手に90分続けるのは厳しいという判断なのでしょうか。
 ただ守備力の向上と引き換えに中盤での突破力がなくなってしまったのは否めないところです。ダビド・シルバが中に絞って前を向こうというシーンは作れていたのですが、スペースがない状態でしっかりとマークがついているアグエロとナスリしか攻撃に絡めず前線での崩しが難しくなってしまいました。

 一方チェルシーはひとりひとりのプレーエリアが広くいろんなところから攻撃を仕掛けられていました。さらに得点シーンはボールを持ってシュールレとポジションを入れかわったトーレスが個人で打開してしまうという力技まで見せました。あいかわらずイージーなシュート以外は調子が良ければいりろとこなしてしまえるようです。シティのDFラインが急造だったということもありますがなかなかつききれていませんでしたね。
 シティの得点シーンは前線から降りてきてフリーになったナスリが前を向ける状態で縦パスをもらうお手本のような形。ダイレクトであのシュートを叩き込んでしまうアグエロも素晴らしいのですが、あの位置から一気に決定的な場面を作ったナスリもさすがです。DFも人数がいなかったわけではないのですがやはりこのレベルではやらせてはいけない形だったのでしょう。

 その後はウィリアンとミケルの投入でセンターの運動量とポゼッションを確保したチェルシーが優位に進め、中盤からも飛び出しも含め厚みのある攻撃ができるように。最終的な得点はシティのミスによるものでしたが崩しのアイデアも見られましたしモウリーニョのチーム作りもだんだん形になってきているのかなという印象でした。

23 10月, 2013

UEFA CL第3節 ミランvsバルセロナ

 週末にウディネーゼ戦をいい形で勝利したことで少しだけ期待の高まるミッドウイークのチャンピオンズリーグ。芋畑サン・シーロにバルセロナを招いての1戦です。

ACミラン

    GK
  •   1 アメーリア
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • FW
  • 14 ビルサ → 16 ポーリ (80')
  •   7 ロビーニョ → 45 バロテッリ (64')
  • 22 カカ → 28 エマヌエルソン (71')

バルセロナ

    GK
  •   1 ビクトル・バルデス
  • DF
  • 22 ダニエウ・アウヴェス
  •   3 ピケ
  • 14 マスケラーノ
  • 21 アドリアーノ
  • MF
  •   8 イニエスタ
  • 16 ブスケツ
  •   6 シャビ
  • FW
  •   9 アレクシス・サンチェス → 4 セスク・ファブレガス (74')
  • 10 メッシ
  • 11 ネイマール → 81 ペドロ (81')

 負傷のバロテッリ、アッビアーティはやはり間に合わず。ウディネーゼ戦で途中から出場したカカが先発メンバーに入ってきました。予想フォーメーションでは3トップの形でしたがカカとビルサを純粋なウイングで使うとも考えにくいのでどういうシステムにしてくるか注目です。

UEFA Champions League 2014 - Milan-Barcelona – UEFA.com

 ユーヴェ戦ほどではないにしても立ち上がりで驚きの先制点。カカとのコンビネーションによってロビーニョがあっさりと決めてしまいました。ウディネーゼ戦でも好調だったとはいえバルサのミスをついてまさかという展開です。この2人がボールに絡んだ時のワクワク感はすごいですね。
 想像していなかった先制点、そしてバルサ相手に意外とボールが持てている状況にこっちがそわそわしてしまったのも束の間、今度は1試合に1回はあるサパタのミスから同点にされてしまいました。その少し前からバルサがいつものボールまわしをはじめてどう仕掛けてくるのかなとう時間帯ではありましたが、完全にミスからの失点なので正直もったいなかったですね。

 システムについてですが守備時は昨シーズンのチャンピオンズリーグで見せたような4-5の守備ブロックをつくってとにかくスペースをつぶしていくという戦術が基本でした。バルサが右サイドから執拗に仕掛けてきていたために基本的にカカが低い位置までカバーしていたのが特徴的です。バイタルエリアを人数かけて力ずくで埋める手段としてインテルはセンターバック3枚にウイングバックを加えたのに対してミランは4バック+カカという奇策ですね。
 アレクシス・サンチェスひとりならまだしも徐々にダニエウ・アウヴェスも上がってきて押し込まれてしまうためにけっこうきつそうではありましたけど。逆に右サイドのビルサはアバーテが1人でネイマールを抑えていたこと、アドリアーノの上がりが少なかったためにそこまで守備に忙殺されてはいませんでした。メッシがバイタルをあける際も右サイドに流れていったことを考えるとネイマールというひとりでスペースを使った突破が得意な選手を置いているためにわざと非対称な形を作っていたのかもしれません。
 メッシは途中でかなりバイタルエリアから離れて自由に動いていましたが、その時もセンターバックの2人はついていかずにペナルティエリアを守り続けていたので中盤で数的優位は作られていましたがこれは最後のところで守ればいいという想定通りだったのでしょう。シャビやイニエスタ、アレクシス・サンチェスが入ってきたときに捕まえきれずに崩されたシーンもあったのが2戦目に向けてかなりの不安材料ではありましたけど。それでもゆっくりとまわしてくるバルサに対してしっかりと守備ブロックを作ったポジショニングはもはや美しいと言える領域でさすがでした。

 攻撃は基本的にカウンター一辺倒になりましたが、ロビーニョがセンターライン付近でボールを持つと高い位置にいる選手が一斉に前に駆け上がっていく形でやはりウイングがサイドに張る3トップではありませんでした。カカやムンタリが追い越していく時の迫力はすごいですね。そのスピードについていけないのかビルサが攻撃時に消えてしまったいたのが気になりますが何度かスペースでボールをもらおうという動きもあったのでそういう役割だったのかもしれません。

 後半はずっとバルサのターン。守備の集中力が怪しいシーンもありましたがバルサが最後のところで決めきれず助かりました。ミランもカウンターから何度かチャンスを作っていたものの、カカが交代してからはバロテッリも低調でゴールを脅かすまでにはいたらず90分終えて引き分け。完全に戦力的に劣る位置づけになっているミランとしてはバルサから勝点をとったということで満足できる結果ではないでしょうか。特にいま出場できるメンバーでバルサシフトを敷いて戦うことができたという意味でアッレグリの引き出しの多さには驚きです。

07 10月, 2013

セリエA第7節 ユヴェントスvsミラン

 

ユヴェントス

    GK
  •   1 ブッフォン
  • DF
  • 15 バルザーリ
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  • MF
  • 23 ビダル
  • 21 ピルロ
  •   8 マルキージオ
  • 20 パドイン → 6 ポグバ (55')
  • 22 アサモア
  • FW
  • 27 クアリアレッラ → 12 ジョビンコ (67')
  • 10 テベス → 14 ジョレンテ (85')

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス (74'退場)
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 23 ノチェリーノ → 78 ニアン (72')
  • 34 デ・ヨング → 16 ポーリ (85')
  •   4 ムンタリ
  • 18 モントリーヴォ
  • FW
  •   9 マトリ
  •   7 ロビーニョ → 81 ザッカルド (76')

 

Juventus 3 - 2 Milan - legaseriea.it

 なんというか立ち上がりのどさくさから開始0分でムンタリが先制。昨シーズンまでのチームをさらに磨き上げ今シーズンここまで無敗のユーヴェに対していい入り方ができました。しかしその後はユーヴェのペースに引きずられるような形でボールをまわされ、逆にミランはユーヴェのブロックに阻まれなかなか前線まで運べません。そうこうしてるうちにピルロのフリーキックで同点にされてしまいました。

 その後もある程度の位置まではボールを保持して動かせるものの、ユーヴェの中盤がピッチの3分の1くらいのエリアからきっちりと前を向かせないプレスをかけてくるためにいたずらにパスをまわしているだけの時間が長くなってしまいました。モントリーヴォが降りてきてボールに触る回数は多いもののそこから前を向けないのが痛いですね。やはりこの人はスペースの内試合ではレジスタの方が活きるのかな。
 同様にマトリも相手DFを背負った状態では仕事ができず。同じような形でもためを作ったり自分で勝負のできるテベスとの差を見せつけられてしまいました。ここにボールが収まるのと収まらないのでは攻撃における選択肢がぜんぜん違ってきますし、言っても仕方のないことですがやはりバロテッリがいればという気持ちです。というかムンタリやノチェリーノ、ポーリといった中盤の選手の飛び出しによって攻撃に厚みを作っていくいまのミランのやり方はイブラヒモビッチの加入によって作られてきたものですし、体の張れるフォワードの存在は不可欠なはずなんですよね。ニアンにも期待はありますがプレッシャーの少ないサイドの位置だけでなくマークされた状態の2トップで前を向くというのができないと難しいのかなとも思います。

 怪我人が相次いで苦しいチーム状況が続きますが上位陣とはだんだん差をつけられてしまっていますし、代表ウイークの間にまずはこのメンバーでどういうサッカーができるのか立て直しをはかってほしいです。アッレグリは手持ちの戦力で組み立てることに関しては実績があるので期待はしています。

06 10月, 2013

セリエA第7節 インテルvsローマ

 ここまで4勝2分と好調なシーズンスタートをきったインテルですが、こちらも6戦全勝と絶好調で首位を走るローマを迎えてのホームゲームです。

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 35 ロランド
  • 23 ラノッキア
  •   5 フアン
  • MF
  • 55 長友
  • 13 グアリン → 22 ガブリエル・ミリート (69')
  • 19 カンビアッソ
  • 21 タイデル → 10 コバチッチ (57')
  • 31 アルバロ・ペレイラ → 9 イカルディ (46'HT)
  • FW
  • 11 リカルド・アルバレス
  •   8 パラシオ

ASローマ

    GK
  • 26 デ・サンクティス
  • DF
  • 35 トロシディス
  • 17 ベナティア
  •   5 レアンドロ・カスタン
  • 42 バルザレッティ
  • MF
  • 16 デ・ロッシ
  • 15 ピアニッチ → 11 タッディ (57')
  •   6 ストロートマン
  • FW
  • 27 ジェルビーニョ
  • 10 トッティ → 3 ドド (81')
  • 24 フロレンツィ → 7 マルキーニョ (76')

 インテルは3センターと両ウイングバックでしっかり守ってカウンターという基本戦術は変わらず。ローマの方は新加入のジェルヴィーニョとマイコンの突破力を活かした攻撃が持ち味でしたがこの試合マイコンは怪我で欠場となっています。

Inter 0 - 3 Roma - legaseriea.it

 ローマの前線まで持っていくスピードがはやいからか、インテルはいつものカンビアッソの前でプレスをかけ縦に入れさせない守備がうまくいかないときはサイドのジェルヴィーニョやフロレンツィにボールが入ったタイミングで数的優位を作って囲っていく場面が多く見られました。もちろん自分たちの時間では高い位置からの守備も機能していたのですがそこを外されても次の手があるというのは素晴らしいですね。
 ただこの試合はローマがさらに上をいく素晴らしさを見せていました。トップに素早くボールを当てた後はトッティが下がって中のスペースをあけ、そこにドリブルを仕掛けることによってサイドで孤立することを避けています。さらに少し遅れてピアニッチやストロートマンの上がりが入ってくることで中央の狭いスペースで近くに味方を配置することにより中央を絞ったインテルの守備ブロックを攻略しようという明確な意図が見られました。少し前にやっていたトッティゼロトップに似た形ですがよりコンパクトにしたアップグレード版というところでしょうか。

 この形だけで前半3得点をあげてしまうとあとは前がかりになった相手に引いてカウンターだけでも試合を作れてしまうのはさすがセリエの強豪クラブです。インテルも後半からシステムを変更し厚みのある攻撃を仕掛けましたがゴールを割るまでは至らず。バルザレッティの退場後もしっかり守りきったローマがアウェーで盤石の勝利を挙げました。

29 9月, 2013

セリエA第6節 ミランvsサンプドリア

 

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 81 ザッカルド
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 16 ポーリ → 23 ノチェリーノ (74')
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ → 28 エマヌエルソン (46'HT)
  • 14 ビルサ → 78 ニアン (66')
  • FW
  •   9 マトリ
  •   7 ロビーニョ

サンプドリア

    GK
  •   1 ダ・コスタ
  • DF
  • 29 デ・シルヴェストリ
  •   8 ムスタフィ
  • 19 レジーニ
  •   3 コスタ
  • MF
  • 79 カヴァッツィ
  • 14 オビアング
  • 17 パロンボ → 10 クルスティチッチ (61')
  • 15 ウショレク → 21 ソリアーノ (52')
  • FW
  • 12 サンソーネ
  • 11 ガンビアティーニ → 37 ペターニャ (67')

 先週に続いてバロテッリの出場停止と怪我人によっていつものメンバーとなりつつあるこのメンバー。ポーリやビルサにとっては絶好のチャンスですししっかりと結果で答えて欲しいですね。

Milan 1 - 0 Sampdoria - legaseriea.it

 序盤からポゼッションはできるものの最後の崩しが決定的に足りないミランの攻撃。サイドからの放り込みしかゴール前で勝負できず、マトリもそこまで空中戦に強いわけではないのでいいシュートには結びつきません。前半は逆にカウンターからサンプドリアにチャンスも生まれ、押しているとはいえハラハラさせられる展開にもなりました。守備はある程度自分のエリアを捨ててマンツーマンでついていったので穴ができる場面もありましたがこれはプラン通りだったんでしょうか。まあサンプドリアの前線に枚数が少なくポジションチェンジもあまりなかったので十分機能はしていました。

 後半からムンタリに代えてエマヌエルソンが入るとそこが起点となり先制点が入ります。コンスタンがオーバーラップからドリブルで切り込みロビーニョがため、引いた位置でフリーになっていたビルサが決めるいい形でした。違いを作り出せる選手が少ない現状でロビーニョがボールを持つとやはりリズムができるので、この先制シーンのような関係性をもっと作れるとチャンスも増えてくると思います。後半はそれを意図したボール運びも見られましたがもう少し近くでボールに絡めるようになればもっと守備ブロックを崩す動きができそうなのですが。逆にポーリはセンターのスペースを使えずに消えてしまっていたのが残念です。

 試合はこのままウノ-ゼロでミランの勝利。ボールを保持したことによってサンプドリアの選手を相手の陣地に釘付けにできたのが大きいですね。最後の時間の使い方もある意味ミランらしいというか洗練されたものでした。マトリはこの試合あまり存在感を見せられませんでしたし途中出場のニアン君はもう少し見せ場が欲しかったかとは思いますけど、やはりウイングの動きから抜け出せないのかなかなか決定的な仕事をするまでには至りません。CLアヤックス戦、さらに来週のユーヴェ戦に向け中盤もそうですがFWの選手もここがチャンスなだけに欠場している選手を追い越すくらいの活躍を期待したいですね。

24 9月, 2013

プレミアリーグ第5節 マンチェスター・シティvsマンチェスター・ユナイテッド

 新しい監督を迎え戦力的にも充実しているダービーマッチ。今シーズン序盤はあまりいいスタートの切れていない両チームですがここからあげていけるか期待の一戦です。

マンチェスター・シティ

    GK
  •   1 ハート
  • DF
  •   5 サパレタ
  •   4 コンパニー
  • 33 ナスタシッチ
  • 13 コラロフ
  • MF
  • 25 フェルナンジーニョ
  • 42 ヤヤ・トゥーレ
  • 15 ヘスス・ナバス  → 7 ミルナー (71')
  • 16 アグエロ → 14 ハビ・ガルシア (86')
  •   8 ナスリ
  • FW
  •   9 ネグレド → 10 ジェコ (75')

マンチェスター・ユナイテッド

    GK
  •   1 デ・ヘア
  • DF
  • 12 スモーリング
  •   5 ファーディナンド
  • 15 ヴィディッチ
  •   3 エヴラ
  • MF
  • 16 キャリック
  • 31 フェライニ
  • 25 バレンシア
  • 10 ルーニー
  • 18 ヤング → 23 クレヴァリー (51')
  • FW
  • 19 ウェルベック

 

Fixture | Man City vs Man Utd | premierleague.com

 序盤から中盤の選手同士がいい距離を保ってポゼッションしていくシティに対してなかなかバイタルエリアでボールが収まらず形が作れないユナイテッド。両サイドハーフがウイングのような縦の動きを繰り返し単騎突入でロストしてしまうのとルーニーが守備も含めていろんなところに顔を出さざるを得ないことでシティの危険なエリアでのプレーはほとんどさせてもらえません。
 一方のシティはヘスス・ナバスがセンターに寄ってサイドのスペースにサパレタが上がってきたり、逆にサイドでボールを保持するとヤヤ・トゥーレが絶妙なタイミングでサポートに入ったりとうまくバランスがとれていました。特にヘスス・ナバスはこのチームでも得意なエリアでプレーできることで心配されていたプレミアへの順応もうまくいっているようですね。もう1人新加入のフェルナンジーニョも中盤でうまくスペースをつぶしセカンドボールを展開できていましたし、昨シーズンのように前線が上がりすぎて崩壊するようなことはなさそうです。

 後半に入りユナイテッドはルーニーの自由度を増して攻撃につなげようとしてきますがシティもセンターをしっかりおさえて早々にカウンターから試合を決める追加点。あまりにも守備への切り替えが遅すぎるフェライニをひとつあげて前線でボールを持てるようによいう意図は見えましたが時既に遅しという感は否めませんでした。
 各所で言われていることですが、ファーガソンが一時代を築いたイングランドフットボールはもう時代遅れになっている点はあると思います。モイーズにはそれを打破することを期待されていたのでしょうがふたを開けてみれば昨シーズン以上に個人技で縦にごり押しな試合をしていますし崩しの部分でのアイデアがあまりになさすぎるんじゃないでしょうか。まあファン・ペルシーがいれば個人でなんとかなっちゃうというところもあるのかもしれませんが。
 ホームでのダービーを大勝で飾ったでシティは戦力的な充実もさることながらうまく弱点を補強するチーム編成ができ新たなサッカーができている印象です。新監督にCLを託せるかという声もありますがこの試合で見せたクオリティなら十分通用しますし昨シーズンのように1勝もできないなんてことはないでしょう。

23 9月, 2013

セリエA第4節 ミランvsナポリ

 ミッドウイークでセルティックに勝ち一安心したのもつかの間、この試合の相手は今シーズンカバーニをPSGに移籍させたことで非常に効果的な補強ができたナポリです。世界最高のストライカーとセンターバックを移籍させてもフリートランスファーでしか獲得できないクラブからするとうらやましい話ですが、昨シーズン2位の座を奪えなかったリベンジとしても勝ちたい試合ですね。いつものように序盤でもたついて下位に落ちないためにも大事な一戦だと思います。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ → 23 ノチェリーノ (79')
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 28 エマヌエルソン
  • ME
  • 16 ポーリ → 78 ニアン (73')
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • 14 ビルサ → 7 ロビーニョ (56')
  • FW
  • 45 バロテッリ (90+4'退場)
  •   9 マトリ

SSCナポリ

    GK
  • 25 レイナ
  • DF
  • 16 メスト
  • 33 アルビオル
  •   5 ブリトス
  • 18 スニガ
  • MF
  • 85 ベーラミ
  • 20 ジェマイリ
  •   7 カジェホン
  • 17 ハムシク → 19 パンデフ (67')
  • 24 インシーニェ → 88 インレル (84')
  • FW
  •   9 イグアイン → 14 メルテンス (78')

 まだまだ怪我人が多いですがアバーテが復帰しました。サイドバックが本職ではないザッカルドに任せるのはやはり厳しいところがあったのでよかったです。先週の試合で打撲と言われていたポーリも今日はスタートから出場できるようです。

Milan 1 - 2 Napoli - legaseriea.it

 試合開始早々からナポリの攻撃陣が縦横無尽に動いてミランのゴールに襲いかかってきます。リーグ戦全勝、CLでドルトムントに競り勝った勢いは恐ろしいですね。序盤にいきなりいつものだめなパターンで失点してしまったことでよくない流れになってしまいました。  その後はボールを保持できているもののバロテッリが低い位置やサイドで絡むことが多く決定的な形は作れず、中央が崩せないために徐々にサイドに移行するもナポリのディフェンスラインがしっかり引いて守っているためフリーでシュートは打たせてもらません。マトリはもともと当たりの強さで勝負するタイプではないこともありますがなかなか仕事ができない状態。かといってパッツィーニのようにプレーエリアが広いわけではないのでこのままだと個人レベルが高い上位のチーム相手だと苦労しそうですね。

 守備に関してはスペースへ中盤からの飛び込みを基本とするナポリに対して危ないエリアでのイグアインへのパスを中盤でしっかりケアすることでしのいでいたものの、イグアインの強引なターンから強烈なシュートで追加点。これはもうイグアインを褒めるしかないでしょう。デ・ヨングの寄せが軽かったという部分もあるかもしれませんがそれまでが食いついてボールを奪取していただけに難しいところです。どちらかというとシュートを打たれた瞬間のメクセスの対応の方が問題な気がします。
 なかなかナポリゴールに迫れないミランはロビーニョ投入後からゴール前の狭いエリアを狙って裏へのパスを通そうとしますがさすがにナポリの守備陣もそこまで甘くありません。バロテッリのPK失敗というニュースもあってスタジアムの雰囲気もナポリに傾いてきてしまいました。

 バロテッリはイライラのせいか試合後に審判への抗議によって退場というおまけまでついてしまいまい非常に後味の悪い試合になってしまいましたね。完全に余計な行為ですし批判も免れないでしょうが、この性格に関してはプレー中のイライラを緩和する方が現実的な気がします。相手を背負って楔のパスをもらう際には必ず近くに誰かいるようにするとか、サイドにひらいたときにはまわりの選手がスペースを作ってあげるとか相手が無理なタックルで潰しにこれないような場面を作ってあげるのもひとつの解決策なのかなと。コンディションが整って気持ちよくプレーができればすごくおもしろい選手なだけに誰もがもったいないと思っていますしね。

15 9月, 2013

セリエA第3節 インテルvsユヴェントス

 まだシーズンもはじまったばかりですがはやくもビッグマッチです。危なげなく連覇をはたしたユーヴェは今シーズンもその強さを誇るのか、昨シーズンは結果が出ず不本意な順位に終わったインテルが巻き返すのか注目です。

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 14 カンパニャーロ
  • 23 ラノッキア
  •   5 フアン
  • MF
  •   2 ジョナタン
  • 13 グアリン
  • 19 カンビアッソ
  • 21 タイデル → 9 イカルディ (68')
  • 55 長友
  • 11 リカルド・アルバレス → 10 コバチッチ (80')
  • FW
  •   8 パラシオ

ユヴェントス

    GK
  •   1 ブッフォン
  • DF
  • 15 バルザッリ
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  • MF
  • 26 リヒトシュタイナー → 33 イスラ (46'HT)
  • 23 ビダル
  • 21 ピルロ → 20 パドイン (87')
  •   6 ポグバ
  • 22 アサモア
  • FW
  • 10 テベス
  •   9 ヴチニッチ → 27 クアリアレッラ (72')

 どちらも基本的には中盤のセンターに3枚並べ外に運動量のあるウイングバックを置くシステム。この形もセリエの各チームがそれぞれチーム事情に合わせて採用し、アッズーリによってひとつの完成形が見えたと言えるかもしれません。

Inter 1 - 1 Juventus - legaseriea.it

 まず立ち上がりから自分たちの形を作っていったのはユヴェントス。やはりピルロがパス1本で決定機を作れるという強みはこの試合でも活かされ、ゆっくりとしたビルドアップから裏を狙ったりディフェンスラインの前でボールを受けるのがうまいテベスいいパスを通していました。
 インテルはグアリンとタイデルが基本的にポグバとビダルにマンツーマンでつく形をとっていたのですが、ピルロのボールに対して一気に上がってた2人を捕まえきれずに何度も裏を取られていたのは絶対にやられてはいけないところでしたね。さらにカンビアッソがピルロにプレッシャーをかけるのかエリアをカバーするのか中途半端になっていたために結果的にピルロもバイタルも両方使われてしまっていたのもユーヴェが優位に試合を進める要因だったでしょうか。

 普通ならばここでセンターの2人が上がってしまうことでカウンターを受けた際守備がうまいとは言えないピルロだけが残りバックラインの3人で対応しなければならない状況ができてしまいます。まあユーヴェの3バックは全員が対人に強いのでなんとかなってしまうことが多いのですが、インテルもそこを狙っていたのか先制点はボールを奪ってからリカルド・アルバレスの素早い崩しでした。後半15分くらいからは徐々にインテルがボールを持てるようになっていたことやイカルディの投入でターゲットが2人になっていたこともあるでしょうがあのテンポでゴールまで持っていってしまうのはさすがです。
 直後にユーヴェもビダルが同点ゴールを決めますが、ここは逆にリカルド・アルバレスが守備のタスクも負ったことでグアリンとどちらがつくのかはっきりしなくなってフリーにしてしまった場面でした。得点した後は危ない時間帯と言われますがインテルの守備陣の足は完全に止まってしまっていましたしアサモアのボールへの反応が全くできていませんでしたね。

 試合はそのまま1-1で終了。全体として両チームともにシーズン序盤とは思えない高いテンションでやりきった試合でした。王者ユヴェントスは昨季からさらにブラッシュアップされていますしインテルもマッツァーリによってモウリーニョ以来の新しい形を作りつつあります。セリエのビッグマッチを見るとどうしてもミランと比べてしまうのですがこのままだとちょっと分が悪いんじゃないかという危機感を持たざるを得ません。

03 9月, 2013

セリエA第2節 ミランvsカリアリ

 水曜日にPSVに勝利しCL本戦へのチケットを手にしたミランですが、そこから急にピッチ外での話題が大きくなってきました。まずはCLグループステージの組み分け抽選。各所からまたかという声が聞こえる中バルセロナと同組になりました。決勝トーナメントでの対戦も含めると3シーズン連続だそうです。
 それとほぼ同時刻にボアテングのシャルケへの移籍、マトリの加入が発表されるという慌ただしさ。ボアテングは先のPSV戦でも2得点を挙げこれから期待できると思っていただけに残念ですが本人の希望なので仕方ないかなと。マトリに関しては復帰の遅れが伝えられるパッツォの代役アタッカンテとしての獲得のようです。まあテベスなどしっかりとした補強をしたユーヴェのベンチで過ごすよりはっていう判断なんですかね。なにはともあれイケメンおかえりなさい!
 さらにここにきてにわかにカカの復帰も現実味を帯びたものとなり、ホーム開幕戦にもかかわらずガッリアーニはマドリードで交渉中との話です。ほんとは試合前までに話をまとめて一緒にお披露目したかったんでしょうけど続報に期待しましょう。
 カカのレアル・マドリードからの復帰が正式に発表されました!

 とまあ例によって期限ぎりぎりになってからいろいろと話題は尽きず前口上も長くなりましたがとにかく目の前の試合に勝っていかなければならないわけで、セリエA第2節、今期のサンシーロ開幕戦はカリアリとの試合です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 16 ポーリ → 23 ノチェリーノ (78')
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • 18 モントリーヴォ → 92 エル・シャーラウィ
  • FW
  • 45 バロテッリ
  •   7 ロビーニョ → 9 マトリ (66')

カリアリ

    GK
  •   1 アガッツィ
  • DF
  • 21 デッセーナ
  •   3 アリアウド
  • 15 ロッセッティーニ
  • 29 ムール
  • MF
  • 22 カブレラ → 23 イバルボ (60')
  •   5 コンティ
  •   4 ナインゴラン
  • 20 エクダル
  • FW
  • 51 ピニージャ → 19 ネネ (71')
  •   9 サウ → 16 エリクソン (78')

 ミランはいままでの4-3-3の形を変え、モントリーヴォをトップ下に置いた4-3-1-2の布陣をしいてきました。これでベルルスコーニ会長も納得ですね。メンバーはあまり変わっていないですし昨シーズンはじめのような迷走はないとは思いますがどんな試合をしていくのか注目です。

Milan 3 - 1 Cagliari - legaseriea.it

 まずモントリーヴォがトップ下に入ることで変わったのがバロテッリのポジショニングでした。3トップのセンターでは後ろからのボールを受けるために頻繁に後ろを向いてトラップするシーンがあり、相手の寄せも厳しい上にゴールから遠い位置でのプレーを強いられてしまってなかなか決定的な仕事ができないということがミランが点のとれないパターンとなっていたのですが、モントリーヴォがつなぎに入ってくれることでわりと自由にポジショニングできていたように思います。斜めに走って裏を狙ったりサイドに開いてボールを待つようなことが序盤から見られたので、これがやりやすい形であれば昨シーズン以上の結果が期待できるかもしれません。

 もうひとつ、モントリーヴォが前線の高い位置から守備に入っていて、これまでの守備ブロックとは違う戦術でいくのかなという部分も気になりました。4-3-3の配置のときはしっかりと引いて4-5のブロックを作るために両サイドのフォワードも引いて守備をすることが求められました。エル・シャーラウィなんかはこの守備における貢献も評価される要因だと思うのですが、今日の試合を見ていると相手がボールを保持したときにハイプレスをやろうとしている印象もあったのでそのあたりは今後注目していきたい部分です。
 守備時に4-3-3の3ラインを作ろうとするならば中盤との距離ももう少し短い方がいいですし、4-5のラインに比べてサイドのケアも難しくなりますしね。ポーリとムンタリのポジショニングや運動量が求められることになるかと。当然バロテッリはあんまり守備に参加することはないと思うのでその分他の選手、特に2トップのもう1人は攻撃と守備両面で多くの役割を求められることになるんじゃないでしょうか。

 というわけでこれからのミランの前線は誰がバロテッリの相棒になるのかに注目ですね。とりあえずボアテングはそういう意味では脱落だったのかなと思いますし、これまでエル・シャーラウィが歳も近くて仲もいいポジションでしたがそこにモントリーヴォが名乗りを上げた感じでマトリとの関係も悪くなさそうです。ニアンはまあもう舎弟なのでいいとしてパッツィーニが復帰後どう絡んでくるかも楽しみで、なんと言ってもカカが加入すればまた違う攻撃が期待できます。ひさしぶりに終わった後もわくわく感のある試合でした。

29 8月, 2013

UEFA CL プレーオフ第2戦 ミランvsPSV

 第1戦をアウェーで1-1ということで決して悪くはない結果だったのですがPSVに狙い所をしっかり押さえられてしまったこと、さらに週末のセリエ開幕戦でもカウンターからの2失点で敗戦と不安の残る状態で迎えたプレーオフ第2戦です。CLの本戦に出られるかどうかでクラブとしての格や何より賞金に大きな違いが出てくるということでここは何としてでも結果を出していきたいところです。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  •   2 デ・シリオ
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ → 23 ノチェリーノ (82')
  • FW
  • 10 ボアテング → 7 ロビーニョ (86')
  • 45 バロテッリ
  • 92 エル・シャーラウィ → 16 ポーリ (74')

PSVアイントホーフェン

    GK
  • 21 ズート
  • DF
  • 26 ブレネット
  •   5 ブルーマ
  •   3 レキク
  • 15 ウィレムス
  • MF
  • 10 ワイナルドゥム
  •   8 スハールス
  •   6 マヘル → 7 トイボネン (69')
  • FW
  • 33 パク・チソン → 14 ヨゼフゾーン (61')
  •   9 マタヴジュ
  • 22 デパイ → 11 ロカディア (74')

 第1戦からは左サイドバックにデ・シリオが復帰。エマヌエルソンのユーティリティ性も魅力ですが、やはりここは未来のバンディエラ候補と目されている若きサイドバックに期待したいです。週末の試合をコンディションの問題で欠場していたボアテングやデ・ヨングも先発していますしいまのところこのメンバーがアッレグリのファーストチョイスと考えていいのではないでしょうか。

UEFAチャンピオンズリーグ 2014 - ミラン-PSV – UEFA.com

 ミランはホームですがこの試合への気合いの現れでしょうか白ユニを着用。さらに試合開始早々から守備免除のバロテッリを除いて全員がリトリートして4-5の守備ブロックを作り確実に本戦出場を勝ち取ろうという姿勢が見て取れました。

 そんな中でボアテングが前半9分という早い時間帯で得点。前線でバロテッリが存在感を出しDFを引っぱり、低い位置でのパスまわしに相手ボランチを食いつかせることでバイタルエリアをあけさせるいい形でのゴールでした。実際第1戦でも週末のヴェローナ戦でもここはあいていたのでなんでもっとはやく使えなかったんだというところですけどね。
 おそらくアッレグリの攻撃の狙い所はボールをポゼッションした時ここのエリアをいかに攻略するかになると思います。得点したボアテングはもともとこのエリアに入ってくるのが持ち味の選手ですが、今シーズンはエル・シャーラウィもサイドに張るだけでなく積極的に中に絡んでいこうとするのでこれからこの狭いエリアを3人で崩していくシーンが多く見られるんじゃないかと期待してます。

 その後もヴェローナ戦の後のアッレグリとモントリーヴォの喝が効いたのかPSVの中盤がゆるくなったのかボールを保持した時の崩しもでき、相手の時間帯にはアッビアーティのスーパーセーブが炸裂するなどエンターテインメント性の高い試合で3-0で勝利。CL本戦への出場権を得ることができました。決して褒めてはいません。
 内容に関してはまだまだまずいところが見られますがとりあえずは結果が出たということで喜んでいいんじゃないでしょうか。ミランにはやはり最低でもベスト16というところを望んでいますし、賞金によってメルカートも期待できます。残り1週間を切りましたがここからのサプライズはあるのでしょうか。

8/30追記
CL抽選の結果、ミランはグループHでバルセロナ、アヤックス、セルティックと同組になりました。またバルサかよとか言わないでください。
また、ボアテングがシャルケへ移籍し、マトリがユヴェントスから加入しました。今日の3トップで今シーズン崩していくとか書いたんですけど。。。

27 8月, 2013

プレミアリーグ第2節 マンチェスター・ユナイテッドvsチェルシー

 

マンチェスター・ユナイテッド

    GK
  •   1 デ・ヘア
  • DF
  •   5 ファーディナンド
  • 15 ヴィディッチ
  •   4 ジョーンズ
  •   3 エヴラ
  • MF
  • 16 キャリック
  • 23 クレバリー
  • 25 バレンシア → 18 ヤング (66′)
  • 10 ルーニー
  • 19 ウェルベック → 11 ギグス (78′)
  • FW
  • 20 ファン・ペルシー

チェルシー

    GK
  •   1 チェフ
  • DF
  •   2 イヴァノビッチ
  • 24 ケーヒル
  • 26 テリー
  •   3 A.コール
  • MF
  •   8 ランパード
  •   7 ラミレス
  • 15 デ・ブライネ → 9 トーレス (60′)
  • 11 オスカル
  • 17 アザール → 28 アスピリクエタ (90+3′)
  • FW
  • 14 シュールレ → 12 ミケル (87′)

 モイーズ新監督との不仲説から移籍の噂が耐えないルーニーも先発出場してきました。今シーズンは両チームともに監督が交代しましたが、チェルシーがワントップに新加入のシュールレを起用した以外は昨シーズンからの大きなメンバー変更はないようです。まあそこが最も驚きであり最もモウリーニョらしい起用ではあるのですが。

Man Utd vs Chelsea | premierleague.com

 試合は両チームともに慎重な立ち上がりで、特にチェルシーの方がアウェーということもあってかロングボール主体であまりリスクを負ってまで攻めにいっていない印象。守備の方はモウリーニョらしくセンターで自由にやらせずにサイドに追いやるということをしっかりとやってきました。昨シーズンはわりととりどころがはっきりせず対人の強さを全面に押し出していた印象なのですがプレシーズンの短い期間でもやることはきっちりとやってくるあたりさすがですね。
 それと60分の時点でデ・ブライネを下げトーレスを入れたところはやはり試合展開によって柔軟に機能を代えてくるモウリーニョらしいのかな。単純に前線の枚数を増やす以上にいろんなところに影響が出た交代策でした。モイーズがこの試合は同じポジションの選手同士で代えていったのとは対照的に最後もミケル、アスピリクエタの投入で試合をクローズさせにいってますし。

 対するユナイテッドは前プレの意識はあるものの、チェルシーのようにテクニックがありしっかりまわせるチーム相手では2手3手先との連携がうまくいかずあまり機能していない感じです。チェルシーがあまりはやい攻撃を仕掛けてこなかったのでその間に自陣では4-4のブロックをしっかり作れていたのですがこれがモイーズのやり方なんですかね。まだ開幕してすぐなのでプレミア連覇、CL優勝を狙っていくためには今後どんどん変わっていく可能性もあるんじゃないかと思います。  ここまで大きな補強のないピッチ外での話題の中心となっていたルーニーはセカンドチームでの調整が必要どころかこの試合攻守にわたって奮起していました。というかルーニーなしで攻撃を成立させるのが無理なんじゃないかというくらいの存在感。これだけの選手ですから移籍志願すれば欲しいクラブはたくさんあるわけで、チェルシーもそのひとつに名前が挙がってますけどこれからどうなるんですかね。

 試合はスコアレスドローに終わりましたが、ユナイテッドは守備、チェルシーは攻撃面でまだ改善の余地があるように見られました。とはいえまだシーズンは開幕したばかり。両チームともにそのポテンシャルは疑いの余地がなく、この2チームにマンチェスター・シティを加えた3チームがプレミアリーグを引っ張りヨーロッパの舞台でも輝いていくんじゃないでしょうか。

25 8月, 2013

セリエA第1節 エラス・ヴェローナvsミラン

 3ヶ月間のオフシーズンを終え、セリエA13-14シーズンの開幕です。既にCLのプレーオフは戦っていますが開幕戦の前の高揚感はやはり違いますね。順調に補強を重ねたユヴェントスがスクデット候補の筆頭に挙げられていはいますが、ミランも昨シーズンと違い大幅なメンバー変更はないので序盤からしっかりと勝点をとっていって欲しいです。

エラス・ヴェローナ

    GK
  •   1 ラファエウ
  • DF
  • 29 カッチャトーレ
  • 18 モラス
  • 22 マイエッタ
  •   3 アルベルタッツィ
  • MF
  •   2 ロムロ → 21 フアニート (78′)
  •   5 ドナーティ → 10 ハルフレッドソン (84′)
  • 19 ジョルジーニョ
  • FW
  • 11 ヤンコビッチ
  •   9 トーニ → 8 カシア (85′)
  •   6 マルティーニョ

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン → 7 ロビーニョ (77′)
  • MF
  • 16 ポーリ
  • 18 モントリーヴォ
  • 23 ノチェリーノ
  • FW
  • 78 ニアン → 28 エマヌエルソン (64′)
  • 45 バロテッリ
  • 92 エル・シャーラウィ → 37 ペターニャ (64′)

 直近のCLから変わった点は左サイドバックのコンスタン、中盤のポーリ、ノチェリーノ、右フォワードにニアンの4人です。デ・ヨングやボアテングは軽症とのことですが先発メンバーからは外れ、デ・シリオがベンチに戻ってきました。

Hellas Verona 2 - 1 Milan - legaseriea.it

 試合前から予想できたことですが、今季セリエBから昇格してきたヴェローナは守備に入ると前線にトーニを残しそれ以外の10人でしっかり引いて守ってきます。その前にシュートまで持っていければいいのですがミランの3トップにはバックがしっかりついてボールが入ったときに前を向かせないというのをしっかりやってきたために単純な縦への攻撃では崩させてもらえません。
 それでも早い時間帯でポーリがミランでの公式戦初ゴールを決めたことで少し落ち着けるかなと思いましたが、中盤が間延びしてしまう部分は改善されず。ノチェリーノがずっと高い位置にいたことで相手のディフェンスラインと重なってしまいうまくギャップを作れていませんでした。ノチェリーノやムンタリにこういうプレーを求めるならボアテングをトップで使わないで中盤起用してもいいような気がするのですが。

 開幕スロースタートでやきもきされるのは毎年の恒例行事、ビッグクラブはシーズン通してのコンディションを考えるので開幕に合わせてくるプロヴィンチャの方が有利などなどいろいろな意見はありますが2シーズン連続で昇格クラブ相手に黒星スタートというのはどうしても危機感を持たざるを得ません。水曜日にはPSVとの第2戦も控えていますしあんまりチームが仕上がるのを悠長に待っているわけにもいかないので、相手の流動的な動きやバイタルエリアに対する組織的な守備、そして単純な対人守備の改善とフィニッシュまでの形をしっかりと作っていってほしいです。

21 8月, 2013

UEFA CL プレーオフ第1戦 PSV vs ミラン

 昨シーズン3位という成績だったことで13-14シーズンはセリエより先にCLの開幕を迎えることとなりました。相手はエールディビジ2位のPSV。ファン・ボメルは引退してしまいましたがパク・チソンがプレミアリーグから帰ってきています。そういえば以前この2人がPSVに所属していたときもミランとCLで戦ったような気がする。

PSVアイントホーフェン

    GK
  • 21 ズート
  • DF
  • 26 ブレネット
  •   5 ブルーマ
  •   3 レキク
  • 15 ウィレムス
  • MF
  • 10 ワイナルドゥム
  •   8 スハールス → 27 ヒリエマルク (89')
  •   6 マヘル
  • FW
  • 33 パク・チソン → 14 ヨゼフゾーン (68')
  •   9 マタヴジュ → 11 ロカディア (76')
  • 22 デパイ

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  •   4 ムンタリ
  • 34 デ・ヨング → 16 ポーリ (78′)
  • 18 モントリーヴォ
  • FW
  • 10 ボアテング → 78 ニアン (84′)
  • 45 バロテッリ
  • 92 エル・シャーラウィ

 今シーズン最初の公式戦はプレシーズンマッチで様々な選手を試したのとは対照的に昨シーズンとほぼ同じメンバー。デ・ヨングがアキレス腱断裂から復帰しモントリーヴォ、ムンタリと共に中盤を構成しています。それにしても、ベルルスコーニが4-2-3-1のシステムで戦うのを命じたというのは何だったんでしょう。

UEFAチャンピオンズリーグ 2014 - PSV-ミラン – UEFA.com

 まず序盤からしかけてきたのはPSV。運動量と前への積極性がまだ試合に入りきれていないミランを圧倒していました。このあたりは試合後にアッレグリもコメントしていましたが、既にリーグが開幕し数試合をこなしているPSVとまだ公式戦初戦のミランとのコンディションの違いでしょうか。守らざるを得ない状況からカウンターを狙っていく試合展開になりました。

 全体的には今シーズンもアッレグリらしくどうやってボールを奪うかというところからはじまるチームなのかなという感じでした。特に先制してからは最終ライン4枚とバロテッリを除いた5枚でで守備ブロックを作るのは変わらず今シーズンも機能してくれそうです。ただ寄せが甘いのか相手に前を向かれてシュートまで持っていかれるシーンが多かったのが問題ですかね。失点シーンもミドルからでしたし、相手のショートカウンターからアッビアーティのファインセーブに助けられたところもかなりあったのでゴール前ではひやひやさせられました。
 攻撃に関してもボールを持ったときに連動した動きが少なくバロテッリとエル・シャーラウィが単発で終わってしまっていたのが課題なのかな。やり方が違うとはいえPSVがやっていたような前線での動き出しが欲しいのに中盤からの押し上げがあまりに少なかったと思います。

 今シーズン初戦ということであいかわらずまだ成熟していない部分が多いものの、昨シーズンまでのような大幅なメンバー変更がなく同じ路線で戦っているだけにはやく形を作っていきたいところです。昨シーズン後半失速していたエル・シャーラウィもしっかり得点を挙げましたしまずは今週末のセリエ開幕、そして来週のCL第2戦をしっかり勝っていいシーズンにしましょう。

02 7月, 2013

FIFAコンフェデレーションズカップ3位決定戦 ウルグアイvsイタリア

 準決勝ではどちらも素晴らしい試合を見せ、破れはしたものの評価の高かった両チーム。午後1時キックオフで直射日光も厳しい試合ですが来年のW杯本大会でも可能性のあるコンディションということでどういった試合運びを見せてくれるか注目です。

URUITA

ウルグアイ

  •   1 ムスレラ
  • 16 マキシミリアーノ・ペレイラ
  •   → 6 アルバロ・ペレイラ (81′)
  •   2 ルガーノ
  •   3 ゴディン
  • 22 カセレス
  •   5 ガルガノ
  • 17 エヒディオ・アレバロ
  •   → 15 ディエゴ・ペレス (107′)
  •   7 ロドリゲス
  •   → 20 ゴンサレス (56′)
  • 10 フォルラン
  • 21 カバーニ
  •   9 スアレス

イタリア

  •   1 ブッフォン
  •   2 マッジョ
  •   4 アストリ
  •   → ボヌッチ (96′)
  •   3 キエッリーニ
  •   5 デ・シリオ
  •   6 カンドレーヴァ
  • 16 デ・ロッシ
  •   → 7 アクイラーニ (70′)
  • 18 モントリーヴォ (110′退場)
  • 23 ディアマンティ
  •   → 22 ジャッケリーニ (83′)
  • 11 ジラルディーノ
  • 14 エル・シャーラウィ

 ウルグアイはこの試合もフォルラン、カバーニ、スアレスの強力な3トップにハードワークのできるメンバーを中盤にそろえたメンバー。対するイタリアはコンディション不良のピルロをベンチに置き、FIFAの予想フォーメーションでは今大会初の4-3-3を採用してきました。さらにアストリ、エル・シャーラウィといった選手をはじめて先発に起用しこの大会で様々な可能性を試していこうという意図が見えます。

FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Uruguay 2:2 a.e.t. (2:2 0:1) 2:3 PSO Italy - FIFA.com

 イタリアは左サイドでデ・シリオが高い位置をとり、エル・シャーラウィやカンドレーヴァとのコンビネーションで崩そうとしますがお互いに最後の部分でゴールは割れず。プランデッリから怪我や精神面での不安定さが指摘されていたエル・シャーラウィですがなかなか結果が出せないことで焦りもあるのかもしれません。
 ただ3トップでのサイドを起点にした攻撃はチャンスを作りながら得点ををあげられなかったスペイン戦からの発展としては非常におもしろいものだと思います。4バックでサイドがあがることによってより相手のゴールに近い位置でボールをまわすことができますし、今大会イタリアはポゼッションできる試合が少なかったのですがそういった試合で引いて守る相手に対する崩しのオプションにもなるでしょう。

 ウルグアイはやはりきっちりと守ってから前線の3人の推進力によってシュートまで持っていこうという狙いは変わりませんが、先制されてからは前に人数をかけてカウンターだけではないチャンスを作ろうと模索しています。スペイン、ブラジル戦は先制されてしまうとゲームプラン通りにならなかったウルグアイですが、マキシミリアーノ・ペレイラなど中盤の選手がフリーになって絡んでいくことで厚みのある攻撃を見せてくれました。
 さらに後半では運動量の落ちたイタリアに対して前線から積極的なプレスをかけることでパスの出しどころを完全になくしてしまうなど、長くやっているチームならではの一体感で自分たちの時間帯を作るところなどはさすがです。何度も言われているようにコンディションの違いはあったもののイタリアの選手も足下がないわけではないですし、メキシコ戦では前からのプレスを軽く回避していいビルドアップが何度もあっただけにウルグアイの守備の良さが際立ちましたね。

 イタリアは大会を通して戦術や選手の組み合わせなど様々なテストをできましたし、ブラジルの環境で4日で240分という日程を戦いきったことも来年のW杯本大会に向けていい経験ができたのではないでしょうか。もちろん修正点もたくさん露呈しましたし他のチーム同様に1年で改善しなければならない部分はありますが、若い選手も多くこれからの成長が楽しみです。

01 7月, 2013

FIFAコンフェデレーションズカップ決勝 ブラジルvsスペイン

 地元ブラジルと前回王者スペインという組み合わせになったコンフェデレーションズカップ決勝。来年のW杯でもどちらが優勝してもおかしくない2チームだけに前哨戦としても注目です。

BRAESP

ブラジル

  • 12 ジュリオ・セーザル
  •   2 ダニエウ・アウヴェス
  •   3 チアゴ・シウヴァ
  •   4 ダヴィド・ルイス
  •   6 マルセロ
  • 18 パウリーニョ
  •   → 8 エルナネス (88′)
  • 17 ルイス・グスタヴォ
  • 19 フッキ
  •   → 23 ジャジソン (73′)
  • 11 オスカル
  • 10 ネイマール
  •   9 フレッジ
  •   → 21 ジョー (80′)

スペイン

  •   1 カシージャス
  • 17 アルベロア
  •   → 5 アスピリクエタ (46′HT)
  •   3 ピケ (68′退場)
  • 15 セルヒオ・ラモス
  • 18 アルバ
  • 16 ブスケツ
  •   8 シャビ
  •   6 イニエスタ
  • 11 ペドロ
  •   9 トーレス
  •   → 7 ビジャ (59′)
  • 14 マタ
  •   → 22 ヘスス・ナバス (52′)

 両チームともに大会を通して大きな変動はない安定したメンバー。そこまで高齢の選手もいませんしチームのコンセプトにもフィットしているので1年後も同じような選手を揃えてくるんじゃないでしょうか。

FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Brazil 3:0 (2:0) Spain - FIFA.com

 大歓声のマラカナンスタジアムの後押しを受け試合開始早々にブラジルが先制。大会を通して積極的にいっていたとはいえゆっくりボールを持ちながら試合に入っていくスペインにとってはやりづらい試合というのを印象づけました。

 スペインは攻めきれないところでパスミスが頻発しブラジルがそこからカウンターに入る場面が多い展開。さらに1対1でやらせずカバーリングがはやいためスペインの選手が入り込んでくるスペースを許さず、厳しい日程によるコンディション的な難しさがあったとはいえブラジルの激しいチェックからのカウンターにやりたいようにやられてしまった感じになりました。中盤の球際では常にブラジルの選手の方が1歩はやく寄せていましたしハードワークできる選手が連動してチェックに来ると厳しいですね。
 前を向かせてもらえないペドロやマタがいつものように絞って狭い位置でのパス交換ではなく、サイドに出て大きくスペースを作り崩そうとしますがチアゴ・シウヴァやダヴィド・ルイスがサイドまでカバーに入り自由にやらせません。サイドバックが積極的にあがっていくチームなのでセンターバックのカバーエリアがこれだけ広いと楽できそうです。

 3位決定戦で完全に足が止まってしまったイタリア同様スペインもなかなか運動量で勝てず苦しいところでしたが、それ以上にブラジルがスペインのやりたいことをやらせずに勝ちきった印象の試合。いい時間帯に得点がとれたこともそうですがスタジアム全体の雰囲気も含めてブラジルがコントロールした完勝でしょう。会場の外では政治的に様々な問題がありますがW杯本大会ではさらなる盛り上がりを見せてくれると思います。

28 6月, 2013

FIFAコンフェデレーションズカップ準決勝 スペインvsイタリア

 準決勝のもう1試合は前回W杯王者で欧州選手権の覇者スペインとその欧州選手権決勝でスペインに破れたイタリアの対決です。こちらも順当な結果ながら欧州選手権決勝カードの再現ということで、イタリアがリベンジを果たすことができるか嫌が応にも期待が高まります。当の選手や監督たちは記者会見であの試合とは違うということを繰り返し強調していましたけどね。

ESPITA

スペイン

  •   1 カシージャス
  • 17 アルベロア
  • 15 セルヒオ・ラモス
  •   3 ピケ
  • 18 アルバ
  • 16 ブスケツ
  •   6 イニエスタ
  •   8 シャビ
  • 11 ペドロ
  •   → 13 マタ (79′)
  •   9 トーレス
  •   → 4 ハビ・マルティネス (94′)
  • 21 ダビド・シルバ
  •   → 22 へスス・ナバス (53′)

イタリア

  •   1 ブッフォン
  • 15 バルザーリ
  •   → 18 モントリーヴォ (46′)
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  •   2 マッジョ
  • 21 ピルロ
  • 16 デ・ロッシ
  • 22 ジャッケリーニ
  •   6 カンドレーヴァ
  •   8 マルキージオ
  •   → 7 アクイラーニ (79′)
  • 11 ジラルディーノ
  •   → 10 ジョビンコ (91′)

 イタリアがグループリーグ3試合で採用した4バックではなく欧州選手権の初戦で披露した3バックで臨んできました。ウイングバックに多大な運動量が求められるシステムですが、マッジョとジャッケリーニが献身的に走り続け数的優位を作ることでスペインを追い込んだため好きなシステムのひとつです。前線のメンバーは変わっていますがその試合の先発メンバーはこんな感じでした。

ESPITA EURO2012

FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Spain 0:0 a.e.t. 7:6 PSO Italy - MatchCast - FIFA.com

 試合は序盤からスペインがいつも通りボールをポゼッションして攻撃の機をうかがうも、イタリアが最終ライン5枚、その前に3、4枚かけてブロックを作りしっかりとスペースを潰して守ってきます。中盤で日本戦とブラジル戦では先発メンバーに入らなかったキエッリーニがしっかりと引いて、いいところでスペインの攻撃の起点を作らせないような動きをしていました。
 攻撃面でもボールを奪ったらウイングバックの上がりに合わせてワイドに展開し、そこからゴールを狙っていこうという流れがきっちりとできています。右サイドのカンドレーヴァとマッジョが2人ともあがって何度もいい崩しを見せてくれましたし、エリア内でプレーしたいジラルディーノに合わせて中盤の選手がドリブルで持ち上がる場面も多かったです。スペインのサイドバックも中央でのパスまわしに合わせてあがっていき攻撃参加をしたかったのでしょうが、守備に忙殺されてしまいなかなか高い位置をとれなかったのはイタリアの戦術がはまっていたと言えるでしょう。

 前半はスペインが相手陣地でまわしている時間は長いもののチャンスの数はイタリアの方が多く作れていましたが、ハーフタイムでイタリアのプランデッリ監督はデ・ロッシをバックラインに下げボランチにモントリーヴォを入れてきます。プランデッリとしてはスペインがかなり前から追いかけてくるようなプレッシングをしてきていたので、デ・ロッシに最終ラインでそれをかわしてビルドアップの起点になるような役割を期待したのかもしれません。イタリアとしても厳しいコンディションの中90分間トランジションサッカーを続けるわけにもいかないでしょうし。
 しかし、代わりに入ったモントリーヴォがやはり今大会イタリアのウイークポイントとなっている中盤での守備の甘さを抱えているために、スペインに入り込んでこられる隙をわざわざ作ってしまったような気もします。スペインは後半開始直後からボールまわしのエリアを前半より明らかに後ろで行い、マルキージオとカンドレーヴァをハーフウェーライン付近で食いつかせることによってその前のスペースをあけようと試みていましたし、53分には縦への突破力のあるヘスス・ナバスの投入によってバックラインを下げさせイタリアの守備ブロックを間延びさせようという狙いが明確に見られました。

ITAdefense

 右サイドはパスアンドゴーについていかない中盤の守備によってイニエスタが飛び出してくる形を許してしまい、左サイドではヘスス・ナバスのマークについたキエッリーニがサイドに流れたところまでケアしなければならないような状態とスペインが先制するのも時間の問題かと思われるような試合展開でしたが、スペインも途中から厳しい日程の影響からか目に見えて運動量が落ちてきて前線に人数をかけられなくなり、低い位置からロングボールを放り込むなどらしくない攻撃が続きます。
 イタリアも前半からいい崩しを見せていた右サイドからのクロスを何度も狙っていきますが、ダイレクトシュートを得意としているはずのジラルディーノに合わせることはできず両チームともに打開策を見いだせないまま120分が終了してしまいました。ハビ・マルティネスとジョビンコが両チームのセンターフォワードに入る試合なんてなかなか見られないのでそこはおもしろかったかもしれませんが。

 PK戦も両チームともに落ち着いたクオリティの高いキッカーを揃え見応えのあるものになりましたが、決勝にはスペインが進むことになりました。年間の試合数が増えナショナルチームの国際大会も短い期間で終わらせなければいけないので、中3日など厳しい日程で試合が続くのも仕方のない部分はありますが、もっといいコンディションで対戦することができればよりおもしろい試合が見れたのかなとも思ってしまいます。来年のW杯では気温が30度をこえ湿度も高い環境の中で大会期間中のペース配分ができるチーム力も鍵になってくるかもしれません。

27 6月, 2013

FIFAコンフェデレーションズカップ準決勝 ブラジルvsウルグアイ

 プレW杯という位置づけのコンフェデレーションズカップもグループリーグを終えて今日から準決勝です。最初のカードは開催国ブラジルと南米王者ウルグアイ。どちらもしっかりとしたチームの動きとレベルの高い個人技が共存した魅力的なチームなのでいい試合が見られそうです。
 試合前にはちょうど10年前の6月26日に試合中の心臓発作で亡くなったフォエへの黙祷が捧げられました。サッカーの試合中に突如倒れるというショッキングな事件で当時もかなり話題になりましたがもうあれから10年たつんですね。

BRAURU

ブラジル

  • 12 ジュリオ・セーザル
  •   2 ダニエウ・アウヴェス
  •   3 チアゴ・シウヴァ
  •   4 ダヴィド・ルイス
  •   6 マルセロ
  • 18 パウリーニョ
  • 17 グスタヴォ
  • 11 オスカル
  •   → 8 エルナネス (73′)
  • 19 フッキ
  •   → 20 ベルナルジ (64′)
  •   9 フレッジ
  • 10 ネイマール
  •   → 13 ダンテ (90+2′)

ウルグアイ

  •   1 ムスレラ
  • 16 マキシミリアーノ・ペレイラ
  •   2 ルガーノ
  •   3 ゴディン
  • 22 カセレス
  • 20 アルバロ・ゴンサレス
  •   → 5 ガルガノ (83′)
  • 17 エヒディオ・アレバロ
  •   7 ロドリゲス
  • 10 フォルラン
  • 21 カバーニ
  •   9 スアレス
  •  
  •  

 ブラジルはいつものと言っていい先発メンバー。イタリア戦では怪我の影響で欠場したパウリーニョも戻ってきました。ウルグアイは今大会途中から出場し好調のフォルランがこの試合も先発に入り3トップに近い形とナイジェリア戦と同じメンバーで挑みます。

FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Brazil 2:1 (1:0) Uruguay - FIFA.com

 両チームともに慎重な立ち上がりでしたがウルグアイのPKからは徐々にテンポがあがってきました。ブラジルはネイマールが中に入りボールを受け、そこから個人技を活かしたドリブル突破を中心とした攻撃。ウルグアイはしっかりと引いて中盤の3人がスペースを潰すことでその部分を許さず、ボールを奪ったら前線の3人に預けることで前への推進力を作っていこうという意図が見えました。

 相手のやり方を熟知しているチーム同士の対戦だからか仕掛けどころをしっかりと抑え、やらせない展開が続きますが先制したのはホームブラジル。ネイマールが中盤でプレッシャーを受け前を向けないところからパウリーニョに預けるとマキシミリアーノ・ペレイラを振り切ってディフェンスラインの裏まで抜け出し、ルガーノと2人背負った状態でしたがしっかりとボールをコントロールしてシュート。キーパーが弾いた所にフリーのフレッジがつめて得点しました。それまで激しいチェックを受けドリブルで仕掛けてもなかなかシュートまではいけなかったネイマールでしたが、前半41分という時間帯に今までと違うスピードでの崩しをしてくるあたりやはり素晴らしいですね。

 後半ゴール前の混戦からカバーニが同点とするとボールをポゼッションできているブラジルはいろいろな手でウルグアイの最終ラインを崩そうと模索してきます。ネイマールが中に絞ったりサイドに出たりするのはもちろん、右サイドで浮き気味だったフッキを代えてベルナルジを投入し起点を増やしたりパウリーニョ、グスタヴォがミドルシュートを狙ってみたりと仕掛けの数だけならば相当な数になりましたがウルグアイの守備ブロックが非常に固く同点の時間が長く続きます。

 決勝点はCKからパウリーニョのヘディングで決めたブラジルがあげ、ホームできっちりと決勝まで勝ち上がりました。ウルグアイはしっかりとした守備を見せてくれましたが前線の選手だけで得点がとれなかったために苦しい時間帯が長かったですね。やり方は違いましたがどちらが勝ってもすごくレベルの高い決勝戦になることは間違いないと確信できました。

23 6月, 2013

FIFAコンフェデレーションズカップ イタリアvsブラジル

ITABRA

イタリア

  •   1 ブッフォン
  • 20 アバーテ
  •   → 2 マッジョ(30')
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  •   5 デ・シリオ
  • 18 モントリーヴォ
  •   → 22 ジャッケリーニ (26')
  •   7 アクイラーニ
  •   6 カンドレーヴァ
  •   8 マルキージオ
  • 23 ディアマンティ
  •   → 14 エル・シャーラウィ(72')
  •   9 バロテッリ

ブラジル

  • 12 ジュリオ・セーザル
  •   2 ダニエウ・アウヴェス
  •   3 チアゴ・シウヴァ
  •   4 ダヴィド・ルイス
  •   → 13 ダンテ (34′)
  •   6 マルセロ
  •   8 エルナネス
  • 17 グスタヴォ
  • 19 フッキ
  •   → 5 フェルナンド(76′)
  • 11 オスカル
  • 10 ネイマール
  •   → 20 ベルナルジ (69′)
  •   9 フレッジ

 イタリアはピルロが怪我ということで欠場。センターにモントリーヴォとアクイラーニというゲームのコントロールができる2人を、トップ下にはマルキージオを配置してきました。日本戦で緩かった中盤の守備は大丈夫なのでしょうか。ブラジルはこちらもパウリーニョが怪我でエルナネスが先発に入っています。

FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Italy 2:4 (0:1) Brazil - FIFA.com

 立ち上がりから積極的に出たのはこの試合もブラジル。イタリアはバロテッリを残して9人で守備ブロックを作る。ゴール前のところで防ぐ集中力はさすがだけど、ブラジルに引っ張りだされた後の置いていかれる感じは日本戦同様改善しなければいけないところなんじゃないでしょうか。
 怪我人による交代でプランが狂ってしまったのか当初から想定していた流れなのかかなり引いた時間帯が長く、このまま守りきるのかと思いはじめた前半ロスタイムでの失点。やっぱり厳しい試合ですね。

 後半も全体的にブラジルペースで余裕を持ってまわす時間帯が長く、イタリアの攻撃は単発で終わってしまうことが多かったですね。最後のカードとしてエル・シャーラウィを投入するも前を向いてボールを持たせてもらえず流れを変えることはできませんでした。

 結果的にはイタリアの選手が疲労と怪我でなかなか打開策を見いだせない中ブラジルの安定感と個人技が目立つ試合でした。B組の結果はまだですが1位通過してくるのは十中八九スペインじゃないかということで、準決勝でユーロ2012決勝カードの再現となります。スペインのここまでの試合を見ていても強いのはもう間違いないですがイタリアがどういう対策を持ってくるのか注目したい所です。

21 6月, 2013

FIFAコンフェデレーションズカップ スペインvsタヒチ

 初戦しっかりと守ってくるウルグアイを自分たちのポゼッションサッカーで打ち砕いた世界王者スペインと、初戦しっかりと守る姿勢を見せながらナイジェリアに完膚なきまでに打ち砕かれ、それでも1点をもぎとりその果敢にチャレンジする姿で世界中から拍手を浴びた国際大会初出場のタヒチ。誰が見ても一方的な虐殺にしかならないであろう試合の幕が今開かれます。

EPSTAH

スペイン

  • 23 レイナ
  •   5 アスピリクエタ
  • 15 セルヒオ・ラモス
  •   → 22 ヘスス・ナバス (46HT′)
  •   2 アルビオル
  • 19 モンレアル
  •   4 ハビ・マルティネス
  • 20 カソルラ
  •   → 6 イニエスタ (76′)
  • 21 ダビド・シルバ
  • 13 マタ
  •   →10セスク・ファブレガス(69′)
  •   9 トーレス
  •   7 ビジャ

タヒチ

  •   1 ロシュ
  • 16 アイタマイ
  •   4 ルディビオン
  • 10 バラル
  • 17 ジョナタン・テハウ
  • 12 ルメール
  •   → 20 ヤニク・ベロ (74′)
  •   3 ヴァイリュア
  •   7 ブールバル
  •   → 15 ロレンツォ・テハウ (69′)
  •   6
  • 13 チョンフェ
  •   2 アルバン・テハウ
  •   → 9 テアオヌイ・テハウ (53′)

 スペインはなんとウルグアイ戦からセンターバックのセルヒオ・ラモスを除く全先発メンバーを代えてきました。これはスペイン代表で長期政権を築き上げたデル・ボスケ監督がサブメンバーの層の厚さを世界に知らしめたい、そして来年のワールドカップに向けて新たな可能性を試したいというコンフェデレーションズカップならではの采配であり、決して格下相手のターンオーバーではないと確信しています。実際全員初戦では控えだったとは思えない実力者揃いですしね。
 一方のタヒチも大会前から3人で1試合ずつの出場と決めていたというGKをはじめ、ナイジェリア戦では先発でなかった名前も見られますが全くわからないので割愛します。

FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Spain 10:0 (4:0) Tahiti - FIFA.com

 ここ数年圧倒的な結果を残しているスペインやバルセロナのポゼッションサッカーに対して、様々な対戦相手が攻略を試みてきました。記憶に新しいところでは今シーズンのCLでバルセロナに大勝したバイエルン、昨年のEUROで一度はスペインに迫りつつも決勝で敗れたイタリア。少し前までさかのぼればモウリーニョ率いるインテルがエトーまで守備に動員し守りきったり、世界最高クラスの個々の能力を最大限に活かして数的優位を作らせなかったレアル・マドリードなど。時には勝利し、時には破れながら王者に挑んできた歴史は枚挙に暇がありません。
 そんな王者への挑戦権を得たタヒチはナイジェリア戦で見せた冒険的とも言える5バックをこの試合でも見せてきます。オフサイドのルール改訂により相手の攻撃に対して高いラインを保ち続けることがなかなか難しくなっている現在のサッカーにおいて非常に勇気のある選択と言っていいのじゃないでしょうか。さらに5バックで相手の前線に対してスペースをなくしてしまうことで単純に入れてくるボールに対しては自由にやらせないという意思を感じます。まあナイジェリア攻撃陣にズタズタにされてしまったバックラインですけども。

 とまあやっぱりタヒチの試合はネタに走ってしまうきらいがあるのですが、そろそろ飽きたので得点シーンのハイライトだけ書いて終わりにしようと思います。

  • 5分 トーレスが左サイドをマタとのワンツーで崩し、そのままペナルティエリアに侵入しニアサイドに丁寧に流し込むシュート
  • 31分 ビジャが左から横に切り込んできたところに後ろから走り込んできたダビド・シルバがスルーパスをもらい綺麗に裏をとってシュート
  • 33分  トーレスが一度落とした後に迷わず裏に飛び出してGKまでかわしてシュート
  • 39分 左サイドのスペースに抜けたダビド・シルバからビジャにパスが出てシュート。ゴール前で3人フリーになっていました。
  • 49分 ゴール前が混戦になっていたところから左サイドをオーバーラップしてきたモンレアルに出してクロスからビジャがシュート
  • 57分 今度は右サイドのヘスス・ナバスのオーバーラップから走り込んできたトーレスへクロスが出てシュート
  • 64分 低い位置から裏を狙ったロングボールにビジャが飛び出しキーパーのミスもあって無人のゴールにシュート。うなだれるロシュをトーレスが起こしてあげる優しい場面も。
  • 66分 ゴール前の狭いところをマタとダビド・シルバがワンツーで3人一気にかわしてシュート
  • 78分 低い位置からの縦パスをそのまま裏に抜けたトーレスが落ち着き払ってGKまでかわしてシュート
  • 89分 右サイドからのクロスにトーレスが打ちきれなかった所をダビド・シルバが拾い振り向きざまにシュート
  • FIFAコンフェデレーションズカップ ナイジェリアvsウルグアイ

    NGAURU

    ナイジェリア

    •   1 エニェアマ
    •   5 アンブローズ
    •   2 オボアボナ
    • 22 オメルオ
    •   3 エチエジレ
    •   4 オグ
    •   → 19 ムバ (66')
    • 10 ミケル
    • 13 オグデ
    • 20 オドゥアマディ
    •   → 15 オグデ (45')
    •   8 イディエ
    •   → 9 アクパラ (73')
    •   7 ムサ

    ウルグアイ

    •   1 ムスレラ
    •   3 ゴディン
    •   2 ルガーノ
    • 22 カセレス
    • 16 マキシミリアーノ・ペレイラ
    • 17 エヒディオ・アレバロ
    • 20 アルバロ・ゴンサレス
    •   7 ロドリゲス
    •   → 6 エルナンデス (88')
    • 10 フォルラン
    •   9 スアレス
    •   → 4 コアテス (83')
    • 21 カバーニ
    •  

     ウルグアイのフォルランが先発に入り、フォルラン、スアレス、カバーニという今シーズンの実績でいえば世界一の得点力を誇る攻撃陣がそろいました。

    FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Nigeria 1:2 (1:1) Uruguay - FIFA.com

     スペイン戦同様しっかりと引いて守り、ボールを奪うとはやいカウンターを狙っていくウルグアイ。その分ポゼッションはナイジェリアの方に分があり前線にボールを預けてからの崩しを仕掛けていきます。ウルグアイが先制したことでこの流れはさらに顕著になり、スペイン戦のように無理に前からいく必要がなくなったために少し試合が停滞する時間帯もありました。
     しかしミケルがゴール前でディフェンスを完全にかわして同点ゴール。それまで最終ラインの前で止めることができていたウルグアイですが、CKののセカンドボールからイディエにはやい縦パスが入るとディフェンスラインのギャップが生まれ崩されてしまいました。

     後半もナイジェリアが仕掛けどころを探しながらゴール前に入ってくるところからはじまりましたが、中盤の縦パスを奪ってからスアレスが運びカバーニ、フォルランとシンプルにまわしてウルグアイが再びリード。前がかりになっていたナイジェリアの虚を付き10秒ほどでゴールまで持っていく狙い通りの形でした。
     その後もウルグアイはしっかりと守りシンプルな攻撃というのを徹底していました。ナイジェリアのオーバーラップに対してはカバーニ、フォルランも下がってついていき、ボールをとってからは縦か再度に開いた選手に大きくボールを動かしてナイジェリアにはやいプレスを許さないというチームの動きが全員でできていたために安定した試合運びができていたと思います。ナイジェリアも個々の場面では身体能力を発揮して勝っていたのですが、狭い所でのボールタッチがなかなか収まらず攻撃の最後の所までつなぐのは難しかったですね。

     両チームともにに自分たちの色が出た試合でしたがチーム全体できっちりとはめてきたウルグアイの方が1枚上手だった印象。長く熟成してきたチームだけあって安定感が違います。ウルグアイは直接対決に勝ったことで決勝トーナメント進出に向けて1歩リードし次節世界中の注目を浴びているタヒチと、ナイジェリアは王者スペインとの対戦になります。

    20 6月, 2013

    FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジルvsメキシコ

    BRAMEX

    ブラジル

    • 12 ジュリオ・セザール
    •   2 ダニエウ・アウヴェス
    •   3 チアゴ・シウバ
    •   4 ダヴィド・ルイス
    •   6 マルセロ
    • 17 ルイス・グスタヴォ
    • 18 パウリーニョ
    • 11 オスカル
    •   → 8 エルナネス (62')
    • 19 フッキ
    •   → 7 ルーカス (78')
    •   9 フレッジ
    •   → 21 ジョー (82')
    • 10 ネイマール

    メキシコ

    • 12 コロナ
    • 21 ミエル
    •   2 ロドリゲス
    • 15 モレノ
    • 20 トーレス・ニロ
    •   → 7 バレーラ (70′)
    • 22 フローレス
    •   → 16 エレーラ (58′)
    •   3 サルシド
    •   6 トラード
    •   → 19 ヒメネス (88′)
    • 18 グアルダード
    • 10 ドス・サントス
    • 14 エルナンデス

     FIFAの予想フォーメーションによるとブラジルはメンバーは変わっていないものの4-3-3に近い形。メキシコはイタリア戦から両サイドバックを変更してきました。

    FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Brazil 2:0 (1:0) Mexico - FIFA.com

     序盤は慎重に入ったメキシコと対照的に激しくいったブラジルが主導権を握ります。中盤の選手やダニエウ・アウヴェスが積極的に攻め上がっていくため厚みのある攻撃ができシュートで終える回数も多かったですね。メキシコも少人数でのカウンターではなくしっかりとポゼッションをしてサイドからの攻撃を狙うもブラジルゴールを割るまでには至らず、9分にネイマールのボレーで先制したブラジルが1点リードで前半を終えます。

     後半も中盤で数的優位を作りそこからワイドに展開していったメキシコですが、ブラジルもネイマールやフッキがフレッジを追い越していく形で多くのチャンスを作っていきます。さらに後半15分頃からは両チームとも徐々に運動量が落ちてブラジルはルイス・グスタヴォ、メキシコはトラードを残してあまりコンパクトな距離を保てなくなってきました。ここからはバックラインからあまり効果的とはいえないロングボールを放り込む時間帯もありましたが、前線は個人技を中心としたカウンターが主な攻撃となり、ドリブル突破でかなり見せ場を作ってくれました。特に途中出場のエルナネスやバレーラは積極的に勝負を仕掛け相手のバックラインを崩す起点となるなど試合を動かす役割を十分に果たしていたんじゃないでしょうか。

     最後にネイマールが大きなサイドステップからディフェンス2人の間を抜いてから追加点で2-0として連勝。2試合を終えて2得点2アシストとはやくも大会の主役を決めてしまいそうな勢いです。メキシコはチャンスは作れていたものの無得点という結果に終わりましたが、スペースのある場面での攻撃はかなりの勢いがあり自分たちのペースを保てていただけにこのままグループリーグで敗退してしまうのはもったいないチームですね。

    19 6月, 2013

    FIFAコンフェデレーションズカップ タヒチvsナイジェリア

     各大陸王者が集う今大会1番「え?」という印象で語られることが多いタヒチ代表。OFCネイションズカップでを勝ち抜いて出場している立派な大陸王者なのです。まあそれもオーストラリアがAFCに移籍した後ひとり勝ちを続けていたニュージーランドをニューカレドニアが破り、そのニューカレドニアに決勝で勝った微妙に棚ぼた感のある優勝だったのですが。
     ユニフォームキットが以前の映像で見たアディダスからナイキに華麗なる契約変更を行っていたり、選手入場の際に全員がタヒチの伝統工芸品っぽい首飾りをつけ、さらにナイジェリアの選手と握手する際にそれをプレゼントするサービス精神を見せるなど試合前から期待は高まる一方でした。まあ肝心のサッカーについては正直誰も試合を見たことがないばかりかヴァイリュア以外の選手知らない感じなんですけどね。というか僕はヴァイリュアがいまフランスではなくギリシアでプレーしてることすら知りませんでした。

    TAHNGA

    タヒチ

    • 23 サミン
    •   7 ブールバル
    • 10 バラル
    •   → 8 ファーティアラウ(54′)
    •   4 ルディビオン
    • 17 ジョナタン・テハウ
    • 19 シモン
    •   → 12 ルメール (77′)
    •   3 ヴァイリュア
    •   → 11 アタニ (69′)
    •   6 カロワヌ
    • 16 アイタマイ
    • 13 チョンフェ
    •   2 アルバン・テハウ

    ナイジェリア

    •   1 エニェアマ
    •   5 アンブローズ
    •   2 オボアボナ
    • 22 オメルオ
    •   → 6 エグウェクウェ (74′)
    •   3 エチエジレ
    • 13 オグデ
    • 10 ミケル
    •   7 ムサ
    • 19 ムバ
    •   → 4 オビオラ (55′)
    • 20 オドゥアマディ
    • 14 ウジャ
    •   → 8 イディエ (52′)

     最近は日本代表もヨーロッパでプレーする選手が増え、海外組なんていう表現もあまり聞かなくなりましたがやはりこのメンバーと比べると豪華と言わざるを得ません。ナイジェリアもプレミアなどで活躍している選手ばかりというわけではないということで、海外組と国内2部リーグの選手だけで構成される日本代表はやっぱりすごいですね。

    FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Tahiti 1:6 (0:3) Nigeria - FIFA.com

     タヒチはこの絶望的な戦力差を考えてかもはや国際大会では絶滅したと考えられていた純粋な5バックで望んできました。5バックが主流となれなかったのはその堅守と引き換えに攻撃参加できる選手が少なくなってしまうこと、サッカーの進歩によって流動的な動きが増え最終ラインで守るだけでは守備ブロックを崩されてしまうことが挙げられると思うのですが、そのデメリットを甘受してもゴール前を守りきるというタヒチの決意のあらわれでしょう。
     さらに驚いたのが先発メンバーの配置です。全く知名度のない選手とはいえFIFAの国際大会です。各国メディアは事前に主要メンバーの経歴を調べ、どんなプレーをするのかリサーチしてから試合の記事を書いていたはず。なのに試合が始まってみるとその情報とは全く違うポジションで選手がプレーしているじゃないですか。「そもそもヴァイリュアってフォワードじゃなかったっけ?」「17番のテハウもフォワード登録なのに最終ラインにいるんだけど」「トップにいるテハウって違うの? 2番だけどワントップだよ。え? あれ17番のテハウの兄弟? しかももう1人いるのかよ」などと混乱を誘ってきました。
     ただ考えてもみてください。現代サッカーではひとりの選手が複数のタスクを要求されるのは当然のこと。守備をしないフォワードは監督の悩みの種になりますし、センターバックにはパスでビルドアップする能力が、サイドバックには攻撃と守備の両面でボールに絡める運動量が不可欠なのです。さらにチーム事情によっては不本意でも本来とは違うポジションで起用されることも珍しくありません。日本代表ではハイタワーとして前線で待っていればいいハーフナー・マイクはフィテッセではサイドの組み立てをしているそうですしあの不器用な長谷部がサイドバックで使われたりもするのです。能力の高い選手はどこで起用されても結果を出せるということでしょう。決して監督が守備重視だからってうまい順に後ろから並べていったわけではないことを願います。

     そんなタヒチに対してナイジェリアもスポーツマンシップで応えます。通常どん引きした相手にはミドルシュートを狙っていくかサイドから揺さぶりをかけるのが定石でしょう。しかしナイジェリアの選手たちはそんな小手先で勝つことをよしとせず、序盤から縦パスを放り込んであとは前線の選手の個人技で打開するという男らしい戦術をとってきたのです。国中の期待を背負っているのは彼らも同じ。この大会で世界に見せることによって経験を得てよりよい環境でサッカーができるようになるのもナイジェリアとて同じなのです。各国のスカウトの目に留まれば今シーズンでのビッグクラブ移籍も夢ではないだけに大事な就活の場でもある分ナイジェリアの方が真剣かもしれません。そう易々とぽっと出の島国に成長著しい新興国の座を渡す訳にはいかないですしね。
     というわけで内容としてはまるで90年代のようなサッカーをやり始めたナイジェリアですが、さすがのアフリカンパワーでタヒチの守備ブロックを突破してしまいました。突破されたのはタヒチだけでなくタヒチの最終ラインと共に上下を繰り返す副審も同じ。短距離走の選手並みのスプリント力を誇り、オフサイドなんて知るかというタイミングで飛び出してくるナイジェリアの選手に対して時には毅然と旗を上げ、時には完全に遅れて見逃してしまったりとこちらも大変そうでした。

     国際大会初得点という歓喜の瞬間はあったもののナイジェリアにフルボッコにされ、英雄ヴァイリュアも世界との差を感じたのか複雑な表情を浮かべていました。まるでブラジル戦の後の本田のようです。しかし、ナイジェリアがスーパーイーグルスと呼ばれヨーロッパのトップリーグにどんどん選手を送り込むようになったのもここ20年の話。20年もたてばワールドカップに出たこともなかった日本がアジアの盟主面してベスト4だ!みたいなことも言い出しちゃうくらいなので、タヒチのサッカーもこの大会を機に実力、人気両面で向上していけるといいですね。系図をがんばればフランス国籍ということでEU枠になれる選手も多そうですし。

    18 6月, 2013

    FIFAコンフェデレーションズカップ スペインvsウルグアイ

     ワールドカップの前回王者として、さらには昨年のヨーロッパ選手権優勝まで引っさげて文句のつけようのない無敵艦隊スペインと前線にタレントを揃え破壊力のあるワイドなカウンターで南米王者となったウルグアイの対戦。日本が誇るプロフェッショナルレフェリーとして国際大会の常連となっている西村主審にも注目していきたいです。

    SPAURU

    スペイン

    •   1 カシージャス
    • 17 アルベロア
    •   3 ピケ
    • 15 セルヒオ・ラモス
    • 18 アルバ
    • 16 ブスケツ
    • 10 セスク・ファブレガス
    •   → 20 カソルラ (65′)
    •   8 シャビ
    •   → 4 ハビ・マルティネス (77′)
    • 11 ペドロ
    •   → 13 マタ (81′)
    • 14 ソルダード
    •   6 イニエスタ

    ウルグアイ

    •   1 ムスレラ
    • 16 マキシミリアーノ・ペレイラ
    •   2 ルガーノ
    •   3 ゴディン
    • 22 カセレス
    • 15 ディエゴ・ペレス
    •   →10 フォルラン (69′)
    •   5 ガルガノ
    •   →14 ロデイロ (63′)
    • 18 ラミレス
    •   →20 ゴンサレス (46′)
    •   7 ロドリゲス
    • 21 カバーニ
    •   9 スアレス

    FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Spain 2:1 (2:0) Uruguay - FIFA.com

     試合は序盤からスペインがボールを保持して崩していくチャンスをうかがい、ウルグアイがしっかりと引いてからのカウンターを狙うという両チームともに前評判通りの展開。どちらもこのチームを長く熟成してきただけあって完成度が高く緊張感のある時間帯が続きます。
     少し不運な形で先制されたウルグアイはそれまでのしっかりと引いて守る形から積極的に前から守備に行きますがなかなかフィニッシュまではいけず。敵陣でボールを持った時の怖さはさすがでしたがスペインの守備を崩すのは難しくチャンスは主に個人のキープ力によって得たフリーキックからでした。

     2点目はスペインとしては珍しい数的不利な場面でカウンターを仕掛けてのゴールでした。まだ前半ですしあの場面ではボールをキープしつつ人数が揃うのを待つことが多いと思うのですが、セスク・ファブレガスは気にせずドリブルで切り込みセンターバックが食いついてきた裏を狙うという惚れ惚れするようなプレーでしたね。セスクについてきていたはずのカセレスが、後ろから追い越してきたイニエスタのサイドをケアしようとした逆をついたところも素晴らしいです。

     2点ビハインドで相手にボールを持たせてカウンターというゲームプランが崩れてしまったウルグアイはハーフタイムで選手を交代しワイドに展開しようとするも2点のリードで無理に前に人数をかける必要のなくなったスペイン相手に逆転までいくのは難しく、フリーキックで1点かえしただけで終わってしまいました。
     これだけの安定感と選手層のあるスペインがナイジェリア、タヒチ相手に取りこぼしをするとは考えづらく、盤石のままコンフェデレーションズカップまで攫っていくのか。はたまた決勝トーナメントでA組を勝ち上がったチームが無敵艦隊を沈めるのか。短い大会ですが楽しみは尽きませんね。

    17 6月, 2013

    FIFAコンフェデレーションズカップ メキシコvsイタリア

     日本がブラジルに力の差を見せつけられた試合から1日、同じグループのもう一試合メキシコ対イタリアも行われました。正直ワールドカップの本戦でこんなグループに入ったらたまったものではないのですが大陸王者の集う大会ということでかなりレベルの高いチームが揃っています。

    MEXITA

    メキシコ

    • 12 コロナ
    • 22 フローレス
    •   2 ロドリゲス
    • 15 モレノ
    •   3 サルシド
    • 17 サバラ
    •   → 19 ヒメネス (86′)
    •   6 トラード
    • 11 アキノ
    •   → 21 ミエル (53′)
    • 10 ドス・サントス
    • 18 グアルダード
    • 14 エルナンデス
    •  

    イタリア

    •   1 ブッフォン
    • 20 アバーテ
    •   3 キエッリーニ
    • 15 バルザーリ
    •   5 デ・シリオ
    • 16 デ・ロッシ
    • 21 ピルロ
    • 18 モントリーヴォ
    •   8 マルキージオ
    •   → 17 チェルチ (68′)
    • 22 ジャッケリーニ
    •   → 7 アクイラーニ (88′)
    •   9 バロテッリ
    •   → 11 ジラルディーノ (86′)

     メキシコはエルナンデスをトップにロンドンオリンピックで金メダルをとったドス・サントスが中心。 イタリアは4バックでこちらも若手のデ・シリオを先発に使ってきました。

    FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Mexico 1:2 (1:1) Italy - MatchCast - FIFA.com

     イタリアは昨年のEURO2012で準優勝したときのような3バックを基本にしているのかと思いきや、アバーテとデ・シリオというミランの両サイドバックを起用した4枚でラインを構成してきました。予想フォーメーションの図だけ見るとミランが06-07シーズンあたりで採用していたクリスマスツリーにもよく似ています。レジスタのピルロが中盤の底、その両脇にハードワークのできる選手を配置しスペースを潰していくという手法はユヴェントスでもやってますが、バロテッリが純粋なワントップとして入ることでターゲットにもなりますし様々な形で攻めることができそうです。
     さらに4バックにしたことでサイドバックが攻撃参加した際にデ・ロッシが常に低い位置に残っていた3バックに比べより前の人数を増やせる形と言えるでしょう。先発の所属クラブを見てもうち6人がユヴェントス、4人がミランという選出になっていて、戦術としても両クラブのいいとこ取りのようなサッカーを志向しているんじゃないでしょうか。

    EURO2012
    EURO2012
    confeds2013
    コンフェデレーションズカップ2013

     

     ただこの形にまだ選手自身が慣れていない部分も多いようで、特にセンターバックのキエッリーニとバルザーリは2人で中央をカバーするにはポジショニングに難があるように見えました。特にメキシコの前線が斜めに入り込んでギャップをついてくる動きに長けていたために、片方が前に出た時にこのスペースのカバーが遅れがちになってしまったのは少し不安が残ります。ボールと反対のサイドバックが絞って擬似的に3バックのような形を作るか、デ・ロッシが最終ラインに入るとかなり安定していたのですが。
     また、厳しく見れば中盤での守備に関しても少し甘い部分があったのという印象も拭えません。攻守両面で消えがちだったマルキージオはもっとボールホルダーに対して素早いチェックが必要ですし、ピルロはカバーするエリアがはっきりせずに飛び込んでこられる場面があいかわらずありました。

     戦術的にはまだ改善の余地があるのは事実ですが、ピルロのフリーキックとバロテッリのフィジカルで勝ちきってしまうところはさすがですしメキシコが前からボールに食いついてきたところをいとも簡単にかわして前線にボールを供給し続けるクオリティの高い中盤であることは間違いありません。まだグループリーグの初戦ということで次の日本戦やその先の試合ではさらにおもしろい試合を見せてくれるんじゃないかと期待が高まりました。

    16 6月, 2013

    FIFAコンフェデレーションズカップ ブラジルvs日本

     ブラジルワールドカップの最終予選も無事1位通過を決め、まさに国中がわいている日本代表。1年後のワールドカップに向けワールドカップと同じ会場でワールドカップで対戦するであろう相手と勝負できるいい機会であるコンフェデレーションズカップに挑みます。
     イラク戦から長距離移動を含む中3日での試合ということでコンディション的には厳しそうですがせっかく最終予選の日程をこの大会のために考慮してもらったということもありますし何かしらの収穫を持ってかえりたいところです。

    BRAJPN

    ブラジル

    • 12 ジュリオ・セーザル
    •   2 ダニエウ・アウヴェス
    •   3 チアゴ・シウヴァ
    •   4 ダヴィド・ルイス
    •   6 マルセロ
    • 18 パウリーニョ
    • 17 ルイス・グスタヴォ
    • 19 フッキ
    •   → 8 エルナネス (75′)
    • 11 オスカル
    • 10 ネイマール
    •   → 7 ルーカス (74′)
    •   9 フレッジ
    •   → 21 ジョー (81′)

    日本

    •   1 川島永嗣
    •   6 内田篤人
    • 22 吉田麻也
    • 15 今野泰幸
    •   5 長友佑都
    • 17 長谷部誠
    •   7 遠藤保仁
    •   → 13 細貝萌 (78′)
    •   9 岡崎慎司
    • 10 香川真司
    •   8 清武弘嗣
    •   → 18 前田遼一 (51′)
    •   4 本田圭佑
    •   → 19 乾貴士 (89′)

     日本は前田やハーフナー・マイクではなく本田をトップに入れてきました。ブラジルの方は最近の親善試合と同じメンバーです。

    FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Brazil 3:0 (1:0) Japan - MatchCast - FIFA.com

     試合前の速報では4-2-3-1の本田1トップでしたが、試合がはじまってみるといきなり岡崎が前線からプレスに走って本田は少し引いたような位置。いきなり前線にボールを当てるのが難しいからか本田がバックラインより手前でボールをもらいにいくような形で望んでいました。
     そんな試合開始早々にマルセロからのはやいクロスをフレッジが胸で落としてネイマールの素晴らしいボレーシュートでブラジルが先制。アジアではあり得ない素晴らしいゴールでしたね。マルセロのクロスもとんでもないスピードでほんとにパスかよっていうボールでしたが、それをきちんとコントロールするフレッジの安定感と迷いなく振り抜いてきっちりと抑えたシュートにしたネイマールもさすがです。というかこれをやってのけるのが世界トップレベルなのでしょうか。

     ただ日本も一方的にやられていたというわけではなく、お互いが前から仕掛けていった時間帯ではうまくブラジルのプレスをかいくぐって前を向ける場面も多くできました。香川のファーストタッチと前を向く速さがアタッキングサードだけでなく中盤でも活かせればそのままスピードのあるカウンターに持っていけるのでここで勝負できるのは好材料だと思います。
     もう1つ同じような場面で気になったのが中盤でのプレスに対してもう少しパスでも対抗できたんじゃないかというところ。ブラジルのプレスがお世辞にも洗練されていて穴がないとは言えないものだっただけに序盤で見られたような遠藤からの縦パスや展開がもっと積極的に出れば攻撃につなげられたんじゃないでしょうか。

    JPNcenter

     それとこれらのビルドアップの起点として内田がよく絡んでいたのも印象的でした。ブラジルのエースネイマールを1対1で抑えきったことですごく評価されていますが、ボールを奪ってからも落ち着いて攻めにつなげていたと思います。守備のタスクが多かったために攻撃参加の機会が限られてしまったことと、ブラジルの守備がサイドでは完全に縦を切る方向だったのでなかなかタッチライン際でいい仕事はできませんでしたがそれ以外は安心して見ていられる選手となっていました。
     ただボランチや中盤の選手がなかなかいい形でボールを受けられなかったのは残念でした。普段サイドバックの近くでボールをもらって展開する遠藤は判断が遅いためにプレッシャーを受けて戻してしまうことが多く、長谷部は運動量不足で顔を出せずにパスコースにすらなれていない状態。本田と香川が低い位置でしか受けられなかったのもボランチから前線につながるボールがなかったからですし、もう少し吉田からもトップまで当てるボールが出てもおもしろかったかもしれません。

     というわけで中盤からの攻めに関してだけでも通用するところ、改善するところが多くわかったブラジル戦。スコアは残念でしたが1年後につながる収穫という意味ではこの1試合だけでも大きかったのではないでしょうか。これからイタリア、メキシコとブラジルに劣らない強豪国との試合が続きますがいろいろテストする絶好の機会を存分に使っていってほしいです。

    21 5月, 2013

    セリエA第38節 シエナvsミラン

     12-13シーズンもこの試合で最後となりました。ベテランの契約終了とイブラヒモビッチ、チアゴ・シウバという攻守の要を放出してのスタートとなった今シーズンですがなんとかCL出場圏内である3位を確保するために最終節まで争いは続きます。

    38siena

    ACシエナ

    • 25 ペゴーロ
    • 19 テルツィ
    • 88 テルリッツィ
    • 18 フェリペ
    • 36 ボルゾーニ
    • 14 デッラ・ロッカ
    •   2 ヴィティエッロ
    •   5 カレーロ
    • 33 ルビン
    •   → 23 ボグダニ (89′)
    • 27 ロジーナ
    •   → 81 アグラ (61′)
    • 10 エメガラ
    •   → 24 パーチ (75′)

    ACミラン

    • 32 アッビアーティ
    • 20 アバーテ
    •   → 21 コンスタン (78′)
    • 17 サパタ
    •   5 メクセス
    •   2 デ・シリオ
    • 23 アンブロジーニ (69′退場)
    • 18 モントリーヴォ
    •   8 ノチェリーノ
    •   → 92 エル・シャーラウィ (60′)
    • 19 ニアン
    •   → 11 パッツィーニ (46′)
    • 45 バロテッリ
    •   7 ロビーニョ

     モントリーヴォがなんとか最終節に間に合い先発出場。中盤がアンブロジーニ、モントリーヴォ、ノチェリーノというシーズン序盤と同じ構成になり、前線はバロテッリの両隣にニアンとロビーニョが並んでいます。

    ミラン、薄氷を踏む思いでCL出場権獲得 - Goal.com

     立ち上がりからミランのゲームになりそうな展開で、ロビーニョもバロテッリもどんどん打っていきます。ノチェリーノも積極的に高いポジションをとれていましたし、ニアンとアバーテの連携もよくどこからでも点がとれそうな雰囲気はありました。
     徐々にテンションの低さか慢心か雑なプレーが目立ち、失点シーンもボールの出どころへのプレスはなしエリア内で思いっきりフリーにしてしまうと最悪の形。フィオレンティーナが早い時間帯からリードを奪っていたという情報もあって時間の経過と共に焦りとイライラがはっきりわかるようになってしまってモントリーヴォが審判と口論する場面も見られました。

     前半なかなか前を向いたプレーができなかったニアンをハーフタイムで代え、パッツィーニをトップにバロテッリが右に開いてフリーでボールが持てるような位置に入りました。さらにノチェリーノに代えてエル・シャーラウィを投入。ロビーニョが少し引いたポジションで苦しい時恒例の4人前に置く形を早々に作ってきます。
     圧倒的に相手陣地でボールを支配しているものの点がとれずに68分まできてしまったところでアンブロジーニの退場で万事休すかと思われましたが直後にバランス裁定のような感じでシエナもテルリッツィが2枚目のイエローカードで退場。個人的には両方ともすぐにカードを出すようなプレーではないような気もしますがまあそういう判断なのでしょう。
     これで少しゲームが動き出し、シエナが露骨に時間を消費しにきました。前線で積極的に仕掛けて脅威となっていたエメガラを下げたことでこのままでいいという意志を明確にしてから、アッレグリはコンスタンをセンターの位置で入れてきます。シーズン序盤の迷走していた時期以来の3バック。相手が10人になっていて守備の心配もあまりなく、絶対に点が欲しいといういろいろなことがあったのでしょうがこういう交代はミランには珍しいですね。

     その後5分あまりの間でバロテッリがPKを得て同点、メクセスが泥臭く押し込んで逆転と、なんでもっとはやい時間帯にできなかったんだろうと言いたくなるような、よく言えば劇的な展開で辛くも勝点3をもぎとることができました。ヒートアップした試合になって主審も抑えるために苦心していましたが試合序盤にはこんな展開になるとは想像できませんでしたね。
     最終節を終えて12-13シーズンはCL予備予選出場権を獲得できる3位という結果でした。既知の通り非常に苦しいシーズン開幕でしたが終わってみれば当初の目標は達成できましたね。それもウインターブレイク後はユヴェントス以外に負けていないという快進撃を遂げ、チームとしてもしっかりとした形ができたことは間違いなくアッレグリの功績ではないでしょうか。シーズンの総括は改めて書こうと思いますが、柱がごっそりと抜けた後で新加入選手の活躍、若手の台頭など様々なことが噛み合っての現状としてはかなり満足できる結果だと思います。試合後の笑顔も厳しいシーズンをやりきったことへの現れでしょう。

    16 5月, 2013

    UEFA EL 決勝 SLベンフィカ vs チェルシーFC

     

    BENCHL

    SLベンフィカ

    •   1 アルトゥール
    • 34 アルメイダ
    •   4 ルイゾン
    • 24 ガライ
    •   → 33 ジャルデウ (78′)
    • 25 メルガレホ
    •   → 15 ジョン (66′)
    • 35 ペレス
    • 21 マティッチ
    • 19 ロドリゴ
    •   → 11 リマ (66′)
    • 20 ガイタン
    •   7 オスカル・カルドソ
    • 18 サルビオ

    チェルシーFC

    •   1 チェフ
    • 28 アスピリクエタ
    •   2 イバノビッチ
    • 24 ケイヒル
    •   3 アシュリー・コール
    •   8 ランパード
    •   4 ダビド・ルイス
    •   7 ラミレス
    • 10 マタ
    • 11 オスカル
    •   9 トーレス
    •   
    •   
    •   

     テリー、アザールを怪我で欠くチェルシーですがCBはイバノビッチとケイヒルのコンビ、中盤にはラミレスが先発しています。ベンフィカはポルトとの首位決戦に敗れた直後の試合となりますが基本的には同じメンバーで臨んでいるようです。

    UEFAヨーロッパリーグ 2013 - ベンフィカ-チェルシー – UEFA.com

     まず試合開始直後から流れをつかみにいったのはベンフィカでした。中央のガライ、マティッチがボールに近い位置に寄ってサイドで数的優位を作りどんどん人が入ってくるので非常に連動性の高い攻撃になっていましたね。対するチェルシーは守備陣のフィードを活かした縦パスを前線に放り込むシンプルなサッカー。序盤はベンフィカの動きに抑えられていましたが、ラミレスがセンターの守備をカバーするようになってからは落ち着いて裏を狙えるようになりました。前半はボール保持率、パス成功率ともにベンフィカが勝っていたのに対してオフサイドの数はチェルシーが圧倒的だったので両チーム共にある程度狙った展開だったと言えるでしょう。

     後半ベンフィカは前半ほどに極端な戦術はとらずある程度それぞれのポジションを守りつつリスクを抑えてきました。チェルシーの前線の守備がかなり機能していたのでカウンターを恐れていたのしてませんが、その分チェルシーが守りやすくなった感は否めず、先制したのはチェルシー。トーレスの裏をとる動きはやはり素晴らしいですね。体の入れ方も完璧ですし。それまでガライがサイドに流れていたところのプレスを一手に担っていて消耗もしていると思うのですが、高いDFラインの背後のスペースを完全に自分のものにしていました。

     さらにこの得点によってベンフィカのDFラインがそれまでのような極端に高いラインをとることができなくなってスペースがあき、マタとオスカルが存分に動けるようになるというチェルシーのいい流れが完全にできていたんじゃないでしょうか。追加点はCKからでしたが、それまでにもベンフィカが中盤をつかまえきれずにかなりやられていましたし。まあワンボランチでそのマティッチも攻撃参加しているような状態だとあの位置がカバーしきれないのは仕方がないのかもしれませんが。
     PKで1点は返したものの、バックラインがリトリートしたことで前半のような積極的な攻撃に出ることができなくなって単発の攻撃に頼らざるを得なくなってしまったベンフィカは徐々に押し込まれていってしまい、ガライの負傷交代によって完全にチェルシーのペースにはまってしまいましたね。チェルシーは前半のうちにベンフィカの攻撃に対応して前線からの守備をアジャストできたのが大きかったと思います。これで昨年のCLからELの連覇というある意味すごい偉業を成し遂げました。ベニテス暫定監督(まだ暫定だったのかという突っ込みは置いといて)の後任にモウリーニョとの噂が絶えませんが、かなり面白いサッカーをしているチームだと思いますので来シーズン以降も期待できるんじゃないかと思います。

    14 5月, 2013

    セリエA第37節 ミラン vs ローマ

     CL出場圏内である3位という明確な目標に向けて確実に勝ち点を重ねたいミラン。こちらもEL出場のために勝利が必要なローマをホームに迎えての一線です。今シーズンサン・シーロでの最終戦ということで、マーケティングに賢いミランはアディダスの13-14シーズン用3rdユニフォームを着用してのゲームとなりました。3rdなのでシーズン通しても数試合の着用になるかとは思いますがボアテングやバロテッリなど金髪の選手は非常に似合いますね。

    37roma

    ACミラン

    • 32 アッビアーティ
    •   2 デ・シリオ
    •   5 メクセス
    • 17 サパタ
    • 21 コンスタン
    • 16 フラミニ
    •   → 11 パッツィーニ (81′)
    • 23 アンブロジーニ
    •   4 ムンタリ (41′退場)
    • 10 ボアテング
    •   → 8 ノチェリーノ (78′)
    • 45 バロテッリ
    • 92 エル・シャーラウィ
    •   → 7 ロビーニョ (72′)

    ASローマ

    •   1 ロボント
    •   3 マルキーニョス
    • 29 ブルディッソ
    •   5 カスタン
    •   4 ブラッドリー
    • 20 ペッロッタ
    •   → 15 ピアニッチ (70′)
    •   7 マルキーニョ
    •   → 48 フロレンツィ (74′)
    • 27 ドド
    •   8 ラメラ
    • 10 トッティ (90′退場)
    •   9 オズヴァルド
    •   → 22 デストロ (82′)

     アンブロジーニが復帰し中盤はフラミニ、アンブロジーニ、ムンタリという組み合わせ。サイドバックは右にデ・シリオと左にコンスタンが入っています。

    ミラン、ローマとスコアレス CL出場争いは最終節に持ち越し - Goal.com

     序盤からミランがローマのシステム上のスペースをついてしっかりとボールをポゼッションしていきます。サイドや中盤などから崩しにはかかっているもののゴール前を固められていい形でシュートまでは持っていけないという嫌な展開。さらにローマの選手が全体的に球際でしっかりと抑えにきていたためにミスからボールを奪われてカウンターまでいかれてしまうというシーンもありました。

     41分にムンタリが審判へ食い下がったことで退場し、中盤の運動量という面でかなり不利になってしまったことでローマの時間帯が増えてきます。ただ防戦一方というわけではなくボアテングが下がり気味にポジションをとり、両サイドバックやフラミニが積極的に前に飛び出すことで前線での形を作ろうとしていますがなかなか攻撃がつながらない状態。苦しい時間帯でしたが交代した選手のがんばりもあってよく耐えたと言えるんじゃないでしょうか。特にミランの苦手とするパターンであるアーリークロスをローマが多用していたのでここからの失点がなかったのはよかったです。

     試合の半分をひとり少ない状況で戦い、フィオレンティーナより上位を守ったことは評価できると思います。ローマからしたら勝点3を落としたという感想でしょう。ただメクセスをはじめ選手達に非常に勝ちに行く姿勢が見られた試合だけにこの試合で順位を確定できなかったという気持ちが残ってしまったのは僕だけではないと思います。最終節はアウェーシエナ戦、降格が決まっている相手とはいえフィオレンティーナもペスカーラが相手で条件は一緒ですし間違いなく勝ってくるとは思うので今日のように引き分けでいいというわけにはいかない試合です。主力の大量離脱からはじまった12-13シーズンでしたが結果よかったと言うためにもCLの出場権は絶対にとらなければいけないですね。

    06 5月, 2013

    セリエA第35節 ミランvsトリノ

     

    35torino

    ACミラン

    • 32 アッビアーティ
    • 20 アバーテ
    • 17 サパタ
    •   5 メクセス
    • 21 コンスタン
    • 16 フラミニ
    •   → 7 ロビーニョ (81′)
    •   4 ムンタリ
    •   8 ノチェリーノ
    • 10 ボアテング
    •   → 19 ニアン (76′)
    • 45 バロテッリ
    • 92 エル・シャーラウィ
    •   → 11 パッツィーニ (55′)

    トリノ

    •   1 ジレ
    •   5 ヴァレリオ・ディ・チェーザレ
    •   → 3 ダンブロージオ (83′)
    •   2 ロドリゲス
    •   6 オグボンナ
    • 36 ダルミアン
    • 17 マジエッロ
    • 33 ブリーギ
    •   → 7 サンターナ (75′)
    • 20 ヴィヴェス
    •   4 バシャ
    • 11 パガーノ
    • 10 バレート
    •   → 69 メッジョリーニ (84′)

     モントリーヴォが右大腿二頭筋の負傷によってシーズン中の復帰が難しいと報じられる中、この試合の中盤はムンタリを中心にフラミニ、ノチェリーノが先発しています。今シーズン新たに加入し現在のミランの戦術に欠かせない選手となっているのでここにきてゲームの作り方を再考しなければならないのはアッレグリも頭が痛いでしょう。

    ミラン、バロテッリ弾でCLを引き寄せる - Goal.com

     結論から言ってしまうと、今シーズンのワースト試合でした。アッレグリがピッチサイドで指示を飛ばすも改善されず、前線の選手までの距離はずっとあいたままでモントリーヴォ不在の大きさを痛感する時間帯が長かったです。ムンタリもよくボールに絡んでいってゲームを作ろうとしてはいるのですが、中盤の底から存在感を示すまでにはいたりませんでした。

     後半に入ってこちらも足首の怪我が伝えられているエル・シャーラウィに代えてパッツィーニが入り、ボアテングとバロテッリのポジションを修正したり試行錯誤をしていたのですがなかなかトリノの守備陣を崩せず、何度かトリノのカウンターで危ない場面も作られてしまいます。ニアンとロビーニョの投入で前線が整理されてごり押しをはじめ、トリノが前に出られなくなってようやく得点できたという感じでしたね。

     CL出場圏内である3位以内を死守するためにひとつも落とせない試合が続くので不安はありますが、とにかく勝点3を手にしたことでフィオレンティーナとの差を広げることができました。残り3試合、大一番となるであろうローマ戦まで連勝でいきたいものです。