31 10月, 2013

セリエA第10節 ミランvsラツィオ

 パルマ戦ではいい時間帯もあったもののお粗末な試合内容で負けてしまいました。人数をかけてひいてくる相手に対する崩しはどのチームでも大きなテーマとなっていますが、アッレグリはそのあたりあまり得意ではないようなのでどうしても個人頼みになってしまいますね。

ACミラン

    GK
  • 59 ガブリエウ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 81 ザッカルド
  • 17 サパタ
  •   2 デ・シリオ
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ → 16 ポーリ (75')
  • FW
  • 14 ビルサ → 9 マトリ (75')
  • 45 バロテッリ
  • 22 カカ → 7 ロビーニョ (84')

SSラツィオ

    GK
  • 22 マルケッティ
  • DF
  • 39 カヴァンダ
  •   2 シアニ
  • 27 カナ
  • 26 ラドゥ
  • MF
  • 15 ゴンサレス
  • 24 レデスマ
  •   8 エルナ → 23 オナジ (46'HT)
  • FW
  • 87 カンドレーヴァ → 17 ペレイリーニャ (90+2')
  • 11 クローゼ
  • 34 ペレア → 99 フロッカリ (68')

 前節のベンチ入りを経てデ・シリオが復帰しました。左サイドバックは完全にウイークポイントとなっていただけに嬉しいです。点を取るポジションでもないですしこのチーム状況を変えてくれと願うのは重責でしょうけど。

Milan 1 - 1 Lazio - legaseriea.it

 雨が激しいからか両チーム共にあまり展開の早い試合にはせず。昨シーズン3位とコッパ・イタリアの覇者の対戦なのですが現在中位にいるチーム同士の試合という感じがあふれています。特にラツィオは中盤の運動量が少なく前線のプレスへの連動やバックラインへのサポートがないためにミランがスペースを有効に使える場面が多かったです。

 それでも点がとれず、失点してしまうのがいまのミランでした。カカのビューティフルゴールは本当に素晴らしかったのですがチャンスらしいチャンスを作れた場面が少なすぎます。バロテッリのコンディションも悪いわけではないと思うのですが周囲との距離が遠すぎるのかなかなか有効な崩しを作っていくまでには至らず。どうしても意図的に形を作り出すことができません。さらにセットプレーのお粗末な守備もあいかわらずでした。モントリーヴォはなんのためにあそこに立っていたのでしょう。

 パルマ戦に続いてもやもやの残る試合でしたがカカが復調してきているのはいい兆しですし復帰したデ・シリオも期待できる動きを見せていました。逆に言えばそこにしか魅力を感じられない今週のミラン。我慢の時期はまだ続きそうです。

29 10月, 2013

プレミアリーグ第9節 チェルシーvsマンチェスター・シティ

 まだシーズンは序盤ですが好調でリーグ首位のアーセナルに離されたくはない両チーム。チャンピオンズリーグもあって過密スケジュールの中ですが上位直接対決です。

チェルシーFC

    GK
  •   1 チェフ
  • DF
  •   2 イバノビッチ
  • 24 ケーヒル
  • 26 テリー
  •   3 アシュリー・コール
  • MF
  •   7 ラミレス
  •   8 ランパード → 12 ミケル (65')
  • 14 シュールレ → 22 ウィリアン (65')
  • 11 オスカル
  • 17 アザール → 29 エトー (83')
  • FW
  •   9 トーレス

マンチェスター・シティFC

    GK
  •   1 ハート
  • DF
  •   5 サバレタ
  • 26 デミチェリス
  • 33 ナスタシッチ
  • 22 クリシー
  • MF
  • 14 ハビ・ガルシア → 13 コラロフ (79')
  • 25 フェルナンジーニョ
  •   8 ナスリ → 15 ヘスス・ナバス (69')
  • 42 ヤヤ・トゥーレ
  • 21 ダビド・シルバ
  • 16 アグエロ → 9 ネグレド (86')

 チェルシーはトーレスをワントップに置いてシュールレが本職のサイドに入る形。前線のメンバーは開幕からターンオーバーもしながら試行錯誤が続いているようです。シティの方はコンパニの欠場と入れ替わるように怪我から復帰したデミチェリスがナスタシッチと共に先発で起用されました。予想フォーメーションではヤヤ・トゥーレが中盤の高い位置に、ハビ・ガルシアが底に入って普段より一列高いところにいます。展開によってバイタルエリアに入ってくる選手が入れ替わることが多いのでどのような攻撃を見せてくるか注目ですね。

Chelsea vs Man City | premierleague.com

 立ち上がり中盤から激しく囲みにいっていたシティですが、チェルシーはあまりテンポの速い試合にはつきあわずシティがボールを持つとしっかりと守備の形を作ってから応戦していく構えを見せます。それに対してシティも徐々にハイプレスからの速攻よりもじっくりと低い位置から作っていくように。ヤヤ・トゥーレが前線から守備に加わっていいプレスを見せていたのですがポゼッションできる相手に90分続けるのは厳しいという判断なのでしょうか。
 ただ守備力の向上と引き換えに中盤での突破力がなくなってしまったのは否めないところです。ダビド・シルバが中に絞って前を向こうというシーンは作れていたのですが、スペースがない状態でしっかりとマークがついているアグエロとナスリしか攻撃に絡めず前線での崩しが難しくなってしまいました。

 一方チェルシーはひとりひとりのプレーエリアが広くいろんなところから攻撃を仕掛けられていました。さらに得点シーンはボールを持ってシュールレとポジションを入れかわったトーレスが個人で打開してしまうという力技まで見せました。あいかわらずイージーなシュート以外は調子が良ければいりろとこなしてしまえるようです。シティのDFラインが急造だったということもありますがなかなかつききれていませんでしたね。
 シティの得点シーンは前線から降りてきてフリーになったナスリが前を向ける状態で縦パスをもらうお手本のような形。ダイレクトであのシュートを叩き込んでしまうアグエロも素晴らしいのですが、あの位置から一気に決定的な場面を作ったナスリもさすがです。DFも人数がいなかったわけではないのですがやはりこのレベルではやらせてはいけない形だったのでしょう。

 その後はウィリアンとミケルの投入でセンターの運動量とポゼッションを確保したチェルシーが優位に進め、中盤からも飛び出しも含め厚みのある攻撃ができるように。最終的な得点はシティのミスによるものでしたが崩しのアイデアも見られましたしモウリーニョのチーム作りもだんだん形になってきているのかなという印象でした。

23 10月, 2013

UEFA CL第3節 ミランvsバルセロナ

 週末にウディネーゼ戦をいい形で勝利したことで少しだけ期待の高まるミッドウイークのチャンピオンズリーグ。芋畑サン・シーロにバルセロナを招いての1戦です。

ACミラン

    GK
  •   1 アメーリア
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   4 ムンタリ
  • FW
  • 14 ビルサ → 16 ポーリ (80')
  •   7 ロビーニョ → 45 バロテッリ (64')
  • 22 カカ → 28 エマヌエルソン (71')

バルセロナ

    GK
  •   1 ビクトル・バルデス
  • DF
  • 22 ダニエウ・アウヴェス
  •   3 ピケ
  • 14 マスケラーノ
  • 21 アドリアーノ
  • MF
  •   8 イニエスタ
  • 16 ブスケツ
  •   6 シャビ
  • FW
  •   9 アレクシス・サンチェス → 4 セスク・ファブレガス (74')
  • 10 メッシ
  • 11 ネイマール → 81 ペドロ (81')

 負傷のバロテッリ、アッビアーティはやはり間に合わず。ウディネーゼ戦で途中から出場したカカが先発メンバーに入ってきました。予想フォーメーションでは3トップの形でしたがカカとビルサを純粋なウイングで使うとも考えにくいのでどういうシステムにしてくるか注目です。

UEFA Champions League 2014 - Milan-Barcelona – UEFA.com

 ユーヴェ戦ほどではないにしても立ち上がりで驚きの先制点。カカとのコンビネーションによってロビーニョがあっさりと決めてしまいました。ウディネーゼ戦でも好調だったとはいえバルサのミスをついてまさかという展開です。この2人がボールに絡んだ時のワクワク感はすごいですね。
 想像していなかった先制点、そしてバルサ相手に意外とボールが持てている状況にこっちがそわそわしてしまったのも束の間、今度は1試合に1回はあるサパタのミスから同点にされてしまいました。その少し前からバルサがいつものボールまわしをはじめてどう仕掛けてくるのかなとう時間帯ではありましたが、完全にミスからの失点なので正直もったいなかったですね。

 システムについてですが守備時は昨シーズンのチャンピオンズリーグで見せたような4-5の守備ブロックをつくってとにかくスペースをつぶしていくという戦術が基本でした。バルサが右サイドから執拗に仕掛けてきていたために基本的にカカが低い位置までカバーしていたのが特徴的です。バイタルエリアを人数かけて力ずくで埋める手段としてインテルはセンターバック3枚にウイングバックを加えたのに対してミランは4バック+カカという奇策ですね。
 アレクシス・サンチェスひとりならまだしも徐々にダニエウ・アウヴェスも上がってきて押し込まれてしまうためにけっこうきつそうではありましたけど。逆に右サイドのビルサはアバーテが1人でネイマールを抑えていたこと、アドリアーノの上がりが少なかったためにそこまで守備に忙殺されてはいませんでした。メッシがバイタルをあける際も右サイドに流れていったことを考えるとネイマールというひとりでスペースを使った突破が得意な選手を置いているためにわざと非対称な形を作っていたのかもしれません。
 メッシは途中でかなりバイタルエリアから離れて自由に動いていましたが、その時もセンターバックの2人はついていかずにペナルティエリアを守り続けていたので中盤で数的優位は作られていましたがこれは最後のところで守ればいいという想定通りだったのでしょう。シャビやイニエスタ、アレクシス・サンチェスが入ってきたときに捕まえきれずに崩されたシーンもあったのが2戦目に向けてかなりの不安材料ではありましたけど。それでもゆっくりとまわしてくるバルサに対してしっかりと守備ブロックを作ったポジショニングはもはや美しいと言える領域でさすがでした。

 攻撃は基本的にカウンター一辺倒になりましたが、ロビーニョがセンターライン付近でボールを持つと高い位置にいる選手が一斉に前に駆け上がっていく形でやはりウイングがサイドに張る3トップではありませんでした。カカやムンタリが追い越していく時の迫力はすごいですね。そのスピードについていけないのかビルサが攻撃時に消えてしまったいたのが気になりますが何度かスペースでボールをもらおうという動きもあったのでそういう役割だったのかもしれません。

 後半はずっとバルサのターン。守備の集中力が怪しいシーンもありましたがバルサが最後のところで決めきれず助かりました。ミランもカウンターから何度かチャンスを作っていたものの、カカが交代してからはバロテッリも低調でゴールを脅かすまでにはいたらず90分終えて引き分け。完全に戦力的に劣る位置づけになっているミランとしてはバルサから勝点をとったということで満足できる結果ではないでしょうか。特にいま出場できるメンバーでバルサシフトを敷いて戦うことができたという意味でアッレグリの引き出しの多さには驚きです。

07 10月, 2013

セリエA第7節 ユヴェントスvsミラン

 

ユヴェントス

    GK
  •   1 ブッフォン
  • DF
  • 15 バルザーリ
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  • MF
  • 23 ビダル
  • 21 ピルロ
  •   8 マルキージオ
  • 20 パドイン → 6 ポグバ (55')
  • 22 アサモア
  • FW
  • 27 クアリアレッラ → 12 ジョビンコ (67')
  • 10 テベス → 14 ジョレンテ (85')

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス (74'退場)
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 23 ノチェリーノ → 78 ニアン (72')
  • 34 デ・ヨング → 16 ポーリ (85')
  •   4 ムンタリ
  • 18 モントリーヴォ
  • FW
  •   9 マトリ
  •   7 ロビーニョ → 81 ザッカルド (76')

 

Juventus 3 - 2 Milan - legaseriea.it

 なんというか立ち上がりのどさくさから開始0分でムンタリが先制。昨シーズンまでのチームをさらに磨き上げ今シーズンここまで無敗のユーヴェに対していい入り方ができました。しかしその後はユーヴェのペースに引きずられるような形でボールをまわされ、逆にミランはユーヴェのブロックに阻まれなかなか前線まで運べません。そうこうしてるうちにピルロのフリーキックで同点にされてしまいました。

 その後もある程度の位置まではボールを保持して動かせるものの、ユーヴェの中盤がピッチの3分の1くらいのエリアからきっちりと前を向かせないプレスをかけてくるためにいたずらにパスをまわしているだけの時間が長くなってしまいました。モントリーヴォが降りてきてボールに触る回数は多いもののそこから前を向けないのが痛いですね。やはりこの人はスペースの内試合ではレジスタの方が活きるのかな。
 同様にマトリも相手DFを背負った状態では仕事ができず。同じような形でもためを作ったり自分で勝負のできるテベスとの差を見せつけられてしまいました。ここにボールが収まるのと収まらないのでは攻撃における選択肢がぜんぜん違ってきますし、言っても仕方のないことですがやはりバロテッリがいればという気持ちです。というかムンタリやノチェリーノ、ポーリといった中盤の選手の飛び出しによって攻撃に厚みを作っていくいまのミランのやり方はイブラヒモビッチの加入によって作られてきたものですし、体の張れるフォワードの存在は不可欠なはずなんですよね。ニアンにも期待はありますがプレッシャーの少ないサイドの位置だけでなくマークされた状態の2トップで前を向くというのができないと難しいのかなとも思います。

 怪我人が相次いで苦しいチーム状況が続きますが上位陣とはだんだん差をつけられてしまっていますし、代表ウイークの間にまずはこのメンバーでどういうサッカーができるのか立て直しをはかってほしいです。アッレグリは手持ちの戦力で組み立てることに関しては実績があるので期待はしています。

06 10月, 2013

セリエA第7節 インテルvsローマ

 ここまで4勝2分と好調なシーズンスタートをきったインテルですが、こちらも6戦全勝と絶好調で首位を走るローマを迎えてのホームゲームです。

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 35 ロランド
  • 23 ラノッキア
  •   5 フアン
  • MF
  • 55 長友
  • 13 グアリン → 22 ガブリエル・ミリート (69')
  • 19 カンビアッソ
  • 21 タイデル → 10 コバチッチ (57')
  • 31 アルバロ・ペレイラ → 9 イカルディ (46'HT)
  • FW
  • 11 リカルド・アルバレス
  •   8 パラシオ

ASローマ

    GK
  • 26 デ・サンクティス
  • DF
  • 35 トロシディス
  • 17 ベナティア
  •   5 レアンドロ・カスタン
  • 42 バルザレッティ
  • MF
  • 16 デ・ロッシ
  • 15 ピアニッチ → 11 タッディ (57')
  •   6 ストロートマン
  • FW
  • 27 ジェルビーニョ
  • 10 トッティ → 3 ドド (81')
  • 24 フロレンツィ → 7 マルキーニョ (76')

 インテルは3センターと両ウイングバックでしっかり守ってカウンターという基本戦術は変わらず。ローマの方は新加入のジェルヴィーニョとマイコンの突破力を活かした攻撃が持ち味でしたがこの試合マイコンは怪我で欠場となっています。

Inter 0 - 3 Roma - legaseriea.it

 ローマの前線まで持っていくスピードがはやいからか、インテルはいつものカンビアッソの前でプレスをかけ縦に入れさせない守備がうまくいかないときはサイドのジェルヴィーニョやフロレンツィにボールが入ったタイミングで数的優位を作って囲っていく場面が多く見られました。もちろん自分たちの時間では高い位置からの守備も機能していたのですがそこを外されても次の手があるというのは素晴らしいですね。
 ただこの試合はローマがさらに上をいく素晴らしさを見せていました。トップに素早くボールを当てた後はトッティが下がって中のスペースをあけ、そこにドリブルを仕掛けることによってサイドで孤立することを避けています。さらに少し遅れてピアニッチやストロートマンの上がりが入ってくることで中央の狭いスペースで近くに味方を配置することにより中央を絞ったインテルの守備ブロックを攻略しようという明確な意図が見られました。少し前にやっていたトッティゼロトップに似た形ですがよりコンパクトにしたアップグレード版というところでしょうか。

 この形だけで前半3得点をあげてしまうとあとは前がかりになった相手に引いてカウンターだけでも試合を作れてしまうのはさすがセリエの強豪クラブです。インテルも後半からシステムを変更し厚みのある攻撃を仕掛けましたがゴールを割るまでは至らず。バルザレッティの退場後もしっかり守りきったローマがアウェーで盤石の勝利を挙げました。