24 2月, 2014

セリエA第25節 サンプドリアvsミラン

 ミッドウイークのCLアトレティコ・マドリード戦では0-1で試合に敗れはしたものの、内容は悲観するものではないと選手達のコメントもポジティブなものが多かったです。第2戦で逆転してベスト8へ進出するためにも週末の試合でいい流れを作っていきたいところ。シーズン途中で監督をミハイロビッチに交代してからは着実に順位を上げてきているサンプドリアが相手です。

UCサンプドリア

    GK
  •   1 ダ・コスタ
  • DF
  • 44 フォルナシエール
  •   8 ムスタフィ
  • 19 レジーニ
  •   3 アンドレア・コスタ
  • MF
  • 17 パロンボ
  • 14 オビアング → 7 マキシ・ロペス (56')(72'退場)
  • 11 ガッビアディーニ
  • 10 クルスティチッチ → 5 レナン (81')
  • 15 ヴショウェク → 21 ソリアーノ (46')
  • FW
  • 23 エデル

ACミラン

    GK
  •   1 アメーリア
  • DF
  • 20 アバーテ
  • 81 ザッカルド
  • 13 ラミ
  • 21 コンスタン → 28 エマヌエルソン (76')
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ → 15 エッシェン (63')
  • 10 本田
  •   8 サポナーラ → 16 ポーリ (57')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 11 パッツィーニ

 バロテッリ、デ・シリオがアトレティコ・マドリード戦での負傷、アッビアーティが風邪で招集メンバーから外れています。さらにカカがコンディションの問題かミッドウイークに向けた温存かサポナーラが先発しています。それにしても今季は風邪が流行っているなあ……

Sampdoria 0 - 2 Milan - legaseriea.it

 試合開始直後はサンプドリアがわりと高い位置でボールをキープしていく展開。バロテッリ、カカの不在で後ろからのパスが多少荒くても簡単に収めてくれたり単身ドリブルでカウンターを仕掛けていける選手がいないので確実なビルドアップができないと厳しいですね。特にラミは積極的にロングボールを蹴っていましたがなかなかパッツォのタイミングとは合っていません。それでもこの試合のパッツォは気合い十分といった感じで献身的にボールを追っていましたし、モントリーヴォとはやはり息が合うのかいいタイミングで裏を狙っていました。
 2列目の選手もいつもと違う崩し方を狙っているようでサポナーラはカカのような突破はできないものの相手の最終ラインとの駆け引きやスペースを使う動きはカカよりも仕掛けている印象でした。報道ではサイドに開くことを要求しているというセードルフ監督の意図はわかりませんが本田とターラブも積極的にセンターに入ってシュートまで狙っていく姿勢を見せていました。

 前半のうちにターラブがミランに加入して2点目となる先制点を挙げて少し落ち着くことはできましたがそれでもまだサンプの攻撃は続きます。基本的には右サイドで好調のガッビアディーニを起点にバイタルに入り込んだ選手との連携で崩す。もしくは左サイドからの放り込みも何度か見られました。まあいまのミラン相手ならこの方法が効果的ですよね。
 ただミランもアッレグリが最後の頃に採用していたクリスマスツリーから4-2-3-1にシステムを変更したことで4-4の守備ブロックが基本になり、両サイドハーフがしっかり戻っているときはしっかりと守れていました。前半はサイドで数的優位を作られたときにトップ下の守備が欲しい場面もありましたがなんとかしのげていましたし。守備に関してはサポナーラよりも後半途中から交代したポーリの方がしっかり気を利かせている感じでした。

 本当に少しずつですが変わっていているチームを見ていてこの試合は非常に楽しかったです。カカとデ・ヨングをしっかり休ませて勝利したということと、その代わりに入った選手が単なる代役ではなくチーム全体で違うやり方をしていこうとしていたのがおもしろいですね。この試合においてはサンプドリアががっつり引いて守るのではなくある程度前線にスペースがあったことも幸いしてこれまでとは違う攻撃の仕掛けが見られました。今後エル・シャーラウィが戻ってくればまた違う特徴を持った選手ということで新しい展開が見られるのではないかと期待できるのではないかと。まずは次節のユーヴェ戦に向けて全員のコンディションを整えて積極的な試合をしていって欲しいですね。

21 2月, 2014

UEFA CL第1戦 ミランvsアトレティコ・マドリード

 チーム状態は非常に悪いですがそれでもCLでベスト16に進出したミラン。優勝までは長い道のりですが、なんとか勝ち残っていくために大事なホームでの第1戦です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ → 20 アバーテ (26')
  • 25 ボネーラ
  • 13 ラミ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 15 エッシェン
  • 34 デ・ヨング
  • 16 ポーリ → 21 コンスタン (85')
  • 22 カカ
  • 27 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ → 11 パッツィーニ (78')

アトレティコ・マドリード

    GK
  • 13 クルトゥワ
  • DF
  • 20 フアンフラン
  • 23 ミランダ
  •   2 ゴディン
  • 22 インスーア
  • MF
  •   4 マリオ・スアレス
  • 14 ガビ
  • 10 アルダ・トゥラン → 11 クリスティアン・ロドリゲス (74')
  •   6 コケ
  • FW
  •   8 ラウール・ガルシア → 7 アドリアン・ロペス (80')
  • 19 ジエゴ・コスタ

 登録できない本田を除く新加入選手のラミ、エッシェン、ターラブが先発メンバーに名を連ねています。何故かターラブはセリエでつけている背番号の23ではなく27番をつけていますが、ノチェリーノが今シーズン既に出場していたからでしょうか。モントリーヴォとムンタリが出場停止のため中盤の底はエッシェンとデ・ヨングという組み合わせとなりました。

UEFA Champions League 2014 - Milan-Atlético – UEFA.com

 序盤はミランがあまりスペースを与えず引いて守備から作っていくような展開。しかし前線へうまくボールを繋いでいけずに最終的にロングボールを蹴って失ってしまう場面が多かったです。システムとしては前節の4-2-3-1とは違い、ターラブが左サイドに出てカカが少し高い位置をとっているような印象ですがうまく狙いがはまったとは言い難いでしょう。とにかく前線の選手の突破力には期待できるのですがそれ以上のコンビネーションが見られないのでしっかりと守備ブロックを作れるチーム相手には通用しない攻撃となってしまいます。

 アトレティコ・マドリードの攻撃の方はしっかりと後ろから飛び出した選手を使っていこうという意図が見られ非常におもしろいものでした。ただゴールまでは遠くミランが最終ラインでなんとか食い止めこのまま試合巧者ぶりを見せつけるのかと思われた83分、コーナーキックからジエゴ・コスタのヘディングでアウェーゴールを奪われてしまいました。第1戦のホームで敗れたことでアウェーでの第2戦は厳しいものになりそうですがなんとか意地を見せて欲しいですね。

16 2月, 2014

セリエA第24節 ミランvsボローニャ

 前節でナポリに力の差を見せつけられて敗れたものの下位相手にはさすがに勝ちたい現在11位のミラン。16位で1月に監督が交代し主力のディアマンティも離脱したボローニャに負けるような事態は見たくないものです。さらにミッドウイークにはCLアトレティコ・マドリード戦も控えているのでコンディション調整まで含めいい形で勝ちたいですね。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  • 81 ザッカルド
  • 21 コンスタン
  • MF
  • 34 デ・ヨング → 4 ムンタリ (64')
  • 18 モントリーヴォ
  • 10 本田 → 11 パッツィーニ (66')
  • 22 カカ → 16 ポーリ (80')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ

ボローニャFC

    GK
  •   1 クルチ
  • DF
  •   5 アントンソン
  • 14 ナターリ
  • 22 マントヴァーニ
  • MF
  •   8 ガリッチ → 10 モスカルデッリ (88')
  • 19 フリストドゥロプーロス
  •   4 クルヒン
  •   3 モルレオ
  • 15 ディエゴ・ペレス → 11 フリーベリ (89')
  • FW
  •   9 ビアンキ
  • 99 クリスタルド → 13 ラクサール (84')

 事前の予想ではカカを先発から外しポーリが先発という見方もありましたが結局カカがトップ下に入り、右サイドに本田、左サイドにナポリ戦で怪我をしたロビーニョに代えて再びターラブが先発出場しています。さらに復帰と報じられていたサパタは間に合わなかったのか大事をとったのかザッカルドが久々の出場。エマヌエルソンとボネーラが練習中の怪我で離脱し左サイドバックにコンスタンが入っています。

Milan 1 - 0 Bologna - legaseriea.it

ミランはポゼッションができているもののゴール前での崩しがなく、人数をかけて固めてきた相手に攻めあぐねてしまういつものパターン。セードルフ監督が就任してそろそろ1ヶ月になろうとしていますが模索しているのはわかるもののこれという形ができていません。単純に選手同士お互いの動きがわかっていないというのもありますがチームとしての動きというのもはっきりしないのが不安ですね。
 それでも最後はバロテッリがミドルシュートでなんとかしてくれたのが救いです。3試合だめでもたまにこういうことやってくれるからこの人は外せないのか。セードルフ監督とはいい関係を築いているようなのでコンスタントに結果が出せ、チームの動きができる選手になってほしいですね。これまでの監督ともいいコメントは残していたりしますが。

 ナポリ戦での完敗を払拭する結果とはなりませんでしたが、なんとか勝点3をとれたことでアトレティコ・マドリード戦少しはいいチーム状態で迎えることができるのでしょうか。ムンタリ、パッツィーニ投入後は少し流動性も作れるようになっていましたし流れとしては悪くなさそうです。現在のところ来シーズンのCL圏内は厳しい順位にいるので今シーズン少しでも長く勝ち残って欲しいものですね。

15 2月, 2014

プレミアリーグ第26節 アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッド

 前節リバプールの前プレに為す術のなかったアーセナル、最下位のフラムにクロスを上げ続けながらも勝点3を逃したマンチェスター・ユナイテッド。勝つことを義務づけられたメガクラブ同士のビッグマッチです。

アーセナルFC

    GK
  •   1 シュチェスニー
  • DF
  •   3 サニャ
  •   4 メルテザッカー
  •   6 コシェルニー
  • 28 ギブス
  • MF
  •   8 アルテタ
  • 10 ウィルシャー
  •   7 ロシツキー → 15 アレックス・チェンバレン (74')
  • 11 エジル
  • 19 カソルラ
  • FW
  • 12 ジルー

マンチェスター・ユナイテッドFC

    GK
  •   1 デ・ヘア
  • DF
  •   2 ラファエウ → 5 リオ・ファーディナンド (46'HT)
  • 12 スモーリング
  • 15 ヴィディッチ
  •   3 エヴラ
  • MF
  • 16 キャリック
  • 23 クレバリー
  • 25 バレンシア → ヤング (81')
  • 10 ルーニー
  •   8 マタ → ヤヌザイ (74')
  • FW
  • 20 ファン・ペルシー

 両チーム共に満足のいく結果ではなかった前節から先発メンバーを変更してきました。それだけ戦力が充実してるとも言えますが、どのように修正してくるか注目です。

Arsenal vs Man Utd | premierleague.com

 立ち上がりまだ落ち着かないうちに前線でボールを奪ったファン・ペルシーがキーパーとの1対1を作ったり、アーセナルがCKから簡単にフリーで打ったりと派手な試合になりそうな気配はありましたが、徐々に守備が安定してくると両チームの特色が見えてきます。

 ユナイテッドは今シーズン散々叩かれながらも守備はしっかり作ってきていて、半年前に比べると前で取りに行くところと引いてブロックを作るところがチームではっきりしているのが素晴らしいですね。アーセナルも引いたチームを崩すのは得意としているのですがバイタルエリアで簡単に前を向かせないこと、サイドから斜めに走って裏を狙ってくる選手に対してしっかりとケアにいくことをきちんとやっていたのでなかなかいい形でシュートまで持っていけません。
 アーセナルの守備はまずはリトリートして4バックの位置を安定させていく狙い。ユナイテッドのビルドアップに対して無理にボールを追うのではなく、個々のエリアを捨てずにパスコースを切っていくような守り方でした。特にサイドにおいてはサニャとギブスが裏のスペースをあけないように注意を払っていたのが印象的です。前節のユナイテッドがとにかくサイドからの放り込みを仕掛け続けていたのでその対策なのかもしれませんが、マタが中央に入ってあけたスペースをエヴラがオーバーラップして完全に裏を取るような場面はこの試合ではほとんど見られませんでした。

 最後までテンションの高い見応えのある試合でしたが、スコアレスドローという結果になったのも両チームの意図がある程度うまくいった結果ではないかと思います。前線の選手まで含めて守備から入ってフィニッシュまで繋げるチームはプレミアの中でも上位陣だけなので、どちらも無冠で終わってしまうのはもったいないチームではないでしょうか。

09 2月, 2014

セリエA第23節 ナポリvsミラン

 ここ数ヶ月不振の続くミランですが、ここ数試合勝ちのないナポリのホームに乗り込んでの一戦です。怪我や出場停止でメンバーが安定しませんが上位相手に勝点3をもぎ取っていきたいところです。

SSCナポリ

    GK
  • 25 レイナ
  • DF
  • 11 マッジョ
  • 21 フェルナンデス
  • 33 ラウール・アルビオル
  • 31 グラム
  • MF
  •   8 ジョルジーニョ
  • 88 インレル → 20 ジェマイリ (88')
  • 17 ハムシク → 85 ベーラミ (82')
  • FW
  • 14 メルテンス
  •   9 イグアイン
  • 24 インシーニェ → カジェホン (78')

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  •   5 メクセス
  • 13 ラミ
  • 28 エマヌエルソン → 18 モントリーヴォ (69')
  • MF
  • 34 デ・ヨング
  • 15 エッシェン
  • 20 アバーテ
  •   7 ロビーニョ → カカ (46')
  • 23 ターラブ
  • FW
  • 45 バロテッリ → 11 パッツィーニ (73')

 カカがコンディション不良、本田が胃腸炎とやりくりの難しい中盤で新加入のエッシェンとターラブが初先発しています。さらにここ数年はサイドバックが板についてきたアバーテが以前のポジションであった右サイドハーフで先発との予想。サポナーラやなど他の選手がいないわけではないのでしょうがかつてMFとしてプレーしていた時代を共にしていたセードルフ監督の判断

Napoli 3 - 1 Milan - legaseriea.it

 試合はターラブがいきなりのゴールでデビュー戦を飾ります。QPR、フラムでのプレーはほとんど見たことがなかったのですがドリブルのリズムといいシュートのキックといい独特のリズムを持った選手のようですね。
 しかし全体的にはナポリが優勢に進めていると言わざるを得ない流れ。第4節に対戦したときと比べると前線の選手に合わせるだけでなく中盤からしっかり組み立てていけるようになったことで厚みのある攻撃ができている印象です。デ・ヨングとエッシェンのコンビも2人でスペースを潰すのが難しいところはありますがフィルターとして機能しきれませんでしたし、ターラブは守備の面では意識がないので厳しくなってしまいます。逆に右サイドのインレル、ハムシク、インシーニェの組み合わせに対してはデ・シリオとアバーテがお互いにいい位置関係を保ってあまりやらせていなかったのでバランスはとれているのかもしれませんが。

 ナポリは縦への速い攻撃とそれができなかったときの崩しがしっかりとできていました。今シーズンのナポリは意思を持っていろんな形に攻撃を変化させることができるのではまると見ていておもしろいですね。前からしっかりとプレッシャーをかけビルドアップのところで捕まえられればよかったのですが、ミランがどうしても前プレをかけるチームではないことと苦し紛れのロングボールでもナポリの前線が収めてしまう力を持っているだけに打つ手がありません。
 上位にいるチームとの力の差を見せつけられた試合でしたがセードルフ監督の試行錯誤はボールの持ち方や選手起用に少しずつ現れていますし、早急な結果を求められる監督でもありませんのでしばらくは見守っていく必要がありますね。

06 2月, 2014

プレミアリーグ第24節 マンチェスター・シティvsチェルシー

 独走ではなくなったものの以前として圧倒的な攻撃力で首位にいるシティと勝点差3で3位につけているチェルシー。優勝の行方を占う好調チーム同士の上位直接対決です。

マンチェスター・シティFC

    GK
  •   1 ハート
  • DF
  •   5 サバレタ
  •   4 コンパニ
  • 33 ナスタシッチ
  • 13 コラロフ
  • MF
  • 42 ヤヤ・トゥーレ
  • 26 デミチェリス
  • 15 ヘスス・ナバス
  • 21 ダビド・シルバ
  • FW
  • 10 ジェコ
  •   9 ネグレド → 35 ヨヴェティッチ (56')

チェルシーFC

    GK
  •   1 チェフ
  • DF
  •   2 イヴァノビッチ
  • 24 ケーヒル
  • 26 ジョン・テリー
  • 28 アスピリクエタ
  • MF
  •   4 ダビド・ルイス
  • 21 マティッチ
  •   7 ラミレス
  • 22 ウィリアン → 12 ミケル (90+1')
  • 17 アザール → 19 デンバ・バ (90+3')
  • FW
  • 29 エトー → 11 オスカル (82')

 シティはフェルナンジーニョとアグエロが怪我によって離脱。中盤の底にはデミチェリスが入りジェコとネグレドの2トップが先発出場しています。チェルシーはダビド・ルイスとマティッチのコンビが中盤の底に入り、ラミレスが右サイド、前線にはウィリアンとエトーが先発しています。両チーム共にハードスケジュールの中いつものベストメンバーではありませんがこの試合にどういった策を持ってくるか楽しみです。

Man City vs Chelsea | premierleague.com

 試合はホームのシティが積極的に前に出て仕掛けていきます。前線が自由にスペースを使いさらにスペースを作っていく攻撃は通常通りですがさらにチェルシーのDFラインに対して4人ともがしっかりとプレッシャーをかけ主導権を握ろうとしていました。一方のチェルシーはセンターをしっかりと閉めたブロックを崩さずエトー以外は守備面でのハードワークをこなしていました。そのためボールは常にチェルシーのサイドにあるのですが危険なエリアで前を向いたプレーはさせてもらえません。シティの攻撃はバイタルエリアの使い方が非常にうまいと思うのですがそれでも自由にやらせないチェルシーの守備ブロックはすごいですね。
 さらにバイタルエリアの外でパスを回しているヤヤ・トゥーレやデミチェリスに対しては中盤の選手が果敢にチャレンジしてカウンターを狙っていく場面が何度もあり、攻撃時にサイドバックが高い位置をとるシティはリスクを冒した攻撃が難しくなってしまいました。

 後半もチェルシーが主導権を握りゲームをコントロールしていく展開。1-0での逃げ切りをやらせたら今最もうまいのはイタリアのクラブではなくモウリーニョなのかもしれません。ボールを持った時も中盤で奪われないような仕掛けが随所に見られましたしチーム全体でやるべきことが統一されているすごさがあります。インテル時代に培われたエトーの守備に対するバランス感覚は今も健在でしたね。最後もミケル、デンバ・バの投入で時間をしっかり消費しシティの攻撃陣に仕事をさせることなく試合をクローズさせたチェルシーが首位に近づく勝利を挙げました。

04 2月, 2014

セリエA第22節 ユヴェントスvsインテル

 ミラニスタとしては納得ができませんがイタリアダービーと称されるユヴェントスとインテルの一戦。今シーズンも半分を過ぎていますがホーム全勝を続けているユヴェントスに今年に入ってまだ勝ちのないインテルが挑みます。

ユヴェントス

    GK
  • 30 ストラーリ
  • DF
  • 15 バルザーリ → 4 カセレス (63')
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  • MF
  • 26 リヒトシュタイナー → 33 イスラ (82')
  • 21 ピルロ
  • 22 アサモア
  • 23 ビダル
  •   6 ポグバ
  • FW
  • 14 ジョレンテ → ヴチニッチ (86')
  • 10 テベス

インテル

    GK
  •   1 ハンダノビッチ
  • DF
  • 14 カンパニャーロ
  • 35 ロランド
  •   5 フアン
  • MF
  •   2 ジョナタン → 33 ダンブロージオ (58')
  • 17 クズマノビッチ → 22 ミリート (55')
  • 10 コヴァチッチ → 20 ボッタ (66')
  • 21 タイデル
  • 55 長友
  • FW
  • 11 リカルド・アルバレス
  •   8 パラシオ

 ユヴェントスは前節退場処分となったブッフォンに代わりストラーリが先発出場していますがそれ以外はいつもの完成度の高いサッカーを見せるメンバーです。ストラーリも2ndGKの役割が長いですがカップ戦などで出場した際にはいいプレーを見せているので穴とは言えないでしょう。
 対するインテルはサネッティとカンピアッソの離脱で長友がキャプテンマークを巻いていますがウイングバックの彼が5得点でチーム2位とやや得点力が物足りない状態。冬のメルカートで獲得したばかりのダンブロージオがベンチ入りしていますが途中出場の機会はあるのでしょうか。

Juventus 3 - 1 Inter - legaseriea.it

 今シーズンのユーヴェの守備はセンターではピルロを門番に置きビダル、ポグバ、さらにジョレンテが加わってインテルのビルドアップを妨害する形。インテルが楔のパスを入れようとしても3バックが近い位置でバイタルエリアを埋め、ピルロがポジショニングのうまさによってパスコースを消している間に前の3人が後ろからプレッシャーをかける場面が何度も見られました。これがアントニオ・コンテが3年をかけて作り上げ今シーズン完成された守備のメカニズムの基本になります。
 センターが閉じているならとインテルがサイドからの攻略を目論んでも、守備ブロックの見事なスライドによって数的優位が作られるため簡単に突破はさせてもらえず。長友もジョナタンも元々個の力でぶち抜いていける選手ではないのでユーヴェの守備陣にカバーされてしまうといい位置までボールを運んでいくことができませんでした。

 ユーヴェがボールをまわしインテルのプレスが途切れたところで低い位置のピルロによる完璧なタイミングのロングパスによってリヒトシュタイナーが先制します。ウイングバックがペナルティエリアまで入り込んでクロスに合わせるというインテルのお株を奪うようなゴールでした。
 さらに後半開始早々に追加点を許し3点差となったところでインテルはミリートとサイドアタッカーのダンブロージオを投入。さらに65分にはコヴァチッチに代えてボッタと前線で突破できる選手を使ってなんとか一矢報いようとします。しかし点差と時間でユーヴェの運動量も減ってくるにしたがってポゼッションは増えたもののCKからの1点にとどまりこの試合は完全にやられてしまいましたね。コッパ・イタリアの敗退とラツィオ戦に勝ちきれなかったことで連勝は途切れてしまいましたが、CLも既に敗退していますし逆にリーグに集中できることでシーズン後半もスクデットに向けて大本命であることに変わりはないようです。

03 2月, 2014

セリエA第22節 ミランvsトリノ

 冬のメルカート期間が終わり各チームシーズン後半に向けての陣容が明らかになりました。ミランはラミ(バレンシア・レンタル)、本田(CSKAモスクワ)、エッシェン(チェルシー)、ターラブ(フラム・レンタル)を獲得、サンプドリアにレンタルされていたペターニャを呼び戻しました。懸念されていたDFラインの補強はラミだけですがメクセスも残留しましたしこれで十分だという判断なのか。
 放出されたのはニアン(モンペリエ)、マトリ(フィオレンティーナ)、ヴェルガラ(パルマ)、ノチェリーノ(ウェストハム)とほぼ獲得した選手と同じポジションとなっています。マトリ以外は出場機会のなくなっていた選手ですし妥当な放出ですかね。

 新戦力の期待もありますし前2節を連勝したことでここからの巻き返しをしたいところ。チェルチとインモービレという絶好調の2トップをサン・シーロに迎えての一戦です。

ACミラン

    GK
  • 32 アッビアーティ
  • DF
  •   2 デ・シリオ
  • 13 ラミ
  • 25 ボネーラ
  • 28 エマヌエルソン
  • MF
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ → 34 デ・ヨング (63')
  • 10 本田 → 37 ペターニャ (88')
  • 22 カカ
  •   7 ロビーニョ → 8 サポナーラ (75')
  • FW
  • 11 パッツィーニ

トリノFC

    GK
  • 30 パデッリ
  • DF
  • 19 マクシモヴィッチ
  • 25 グリク
  • 24 モレッティ
  • MF
  • 36 ダルミアン
  •   4 バシャ → 4 バシャ (69')
  • 20 ヴィヴェス
  •   8 ファルネルド → 7 カドゥーリ (53')
  • 17 マジエッロ
  • FW
  • 11 チェルチ → 69 メッジョリーニ (90+3')
  •   9 インモービレ

 バロテッリが前節でカリアリサポーターに対して侮辱的なジェスチャーを行ったということで警告を受け累積での出場停止。もう今シーズン何度目なんでしょう。センターバックは前節ミスはあったものの継続してラミとボネーラのコンビなので汚名返上を期待したいところです。

Milan 1 - 1 Torino - legaseriea.it

 序盤からボールを持って試合を進めていくミランに対して2トップ以外はしっかりと引いて守るトリノ。ゴールまで30メートルくらいのところまでは簡単に持っていけるもののそこからは人数をかけて固めてくる相手に有効な攻め手が打てませんでした。カカがセンターで上下し本田とロビーニョが中に入ることで崩しの糸口を掴みたかったのですが連携不足もあり得点には至らず、17分にはカウンターからインモービレに先制されてしまいました。ボネーラの対応も稚拙でしたがこれを狙い続けて決めてしまうところはさすがですね。

 後半は前半狭いエリアでプレーしていた前線の選手がワイドに開くことで守備ブロックを広げようという意図が見て取れました。併せてモントリーヴォが少し高い位置をとるようになりカカの守備の負担も少し減っていたようにも思えます。前半よりもスペースを作れたことでシュートは増え得点になってもおかしくない場面も多くありましたが一貫してゴール前を固め続けるトリノの壁は厚かったですね。マンツーマンで食らいついてくる相手を外すことができていたのはカカくらいで、他の選手はボールを持ってしまうと前を向くのさえ難しそうでした。
 ただそういった状況だからこそラミのオーバーラップからミドルシュートが有効だったのでしょうし、素晴らしいシュートを打てるDFは重宝しそうです。パッツィーニがもう少しロングボールに対していい反応ができると攻撃の幅も広がりそうですが、フィジカルの強いDF相手ではなかなか期待もできません。

 結果は1-1のドロー。順位はトリノの方がはるかに上ですが、好調の2トップに攻撃を任せ先制点をあげたところや守備の足を止めないために早めに中盤の選手を交代してきたところなど格上相手の戦い方を徹底してきたトリノのゲームプランがはまってしまった気がします。ミランは中盤のムンタリからデ・ヨングの交代によってバランスをとれるようになりスムーズな攻撃が作れていたものの後の2人は苦しい試合を打破するには物足りない若手でした。もちろんこういう試合で活躍することで成長することも期待できますが今シーズンのことを考えると勝点3はもう落とせません。「今後への好材料」と「今現在の結果」、両方やらなければならないのがミランの監督のつらいところですが、セードルフ監督はこの難しい任務を遂行できるでしょうか。