25 4月, 2013

UEFA CL 準決勝第1戦 バイエルンvsバルセロナ

 

BAYBAR

バイエルン・ミュンヘン

  •   1 ノイアー
  • 21 ラーム
  • 17 ボアテング
  •   4 ダンテ
  • 27 アラバ
  •   8 ハビ・マルティネス
  • 31 シュバインシュタイガー
  • 10 ロッベン
  • 25 ミュラー
  •   → 14 ピサーロ (83′)
  •   7 リベリー
  •   → 11 シャチリ (89′)
  • 33 ゴメス
  •   → 30 グスタヴォ (71′)

バルセロナ

  •   1 ビクトル・バルデス
  •   2 ダニエウ・アウヴェス
  • 15 バルトラ
  •   3 ピケ
  • 18 アルバ
  •   6 シャビ
  • 16 ブスケツ
  •   8 イニエスタ
  • 17 ペドロ
  •   → 7 ビジャ (83′)
  • 10 メッシ
  •   9 アレクシス・サンチェス
  •  
  •  

 ハムストリングスの故障ということでここのところだましだましの出場が続いたメッシですが、この試合は満を持して先発メンバーに入ってきました。試合前に完治したというニュースは出ていなかったように思うのですがこの試合に合わせて調整してきたのでしょうか。

UEFAチャンピオンズリーグ 2013 - バイエルン-バルセロナ – UEFA.com

 バイエルンはかなり高い位置からボールを奪って前に出れる人がどんどん飛び出していこうという動きが。パスを誘ってはめ込もうとしたミラン、しっかり引いて守ろうとしたPSGとはまた違う正面からバルサに勝とうという形が見られます。特にハビ・マルティネスの動きに対してバルサの中盤がついてこれない場面が多い印象。位置的にはブスケツが見てなきゃいけないのかなというところですが、例によって流動的で各自のポジションが定まらないという攻撃の際の利点がそのまま守備の欠点になってしまっていました。

 結局バルサは中央を完全に制圧されてしまったことでサイドバックのあがりであえて狭いエリアでの抜けるか、サイドチェンジから守備のスライドが間に合わないうちに突破するくらいしかボールを前に運ぶ方法がなくなってしまいました。逆にバイエルンの方はそのサイドを存分に使い高さのミスマッチを使った形で1点目、2点目とリードを奪い、余裕を持ったカウンターでさらに2点、計4点ものリードを持って第2戦へ。正直ここまで差がつくとは誰も想像していなかったでしょう。
 PSG戦であれだけ違いを見せていたメッシのフル出場も最後までバイエルンの網を破るには至らず、バイエルンのハードワークの前にボールは持てているものの全く攻め手がないというバルサの根幹を揺さぶるような敗北でしたがベスト16のミラン、準々決勝のPSGと第1戦では波に乗れずに第2戦のカンプ・ノウでなんだかんだ勝ち上がってきたバルサはこの脅威のバイエルン相手に4点差を跳ね返すことができるのでしょうか。

22 4月, 2013

セリエA第33節 ユヴェントスvsミラン

 フィオレンティーナ、ナポリと引き分け3位は保っているものの上位直接対決でなかなか勝ちきれないミラン。無敗で優勝した昨シーズンの勝点を上回る勢いで今シーズンも2位に圧倒的な差をつけているユヴェントスに対して一矢報いることができるでしょうか。

33juve

ユヴェントス

  •   1 ブッフォン
  • 15 バルザーリ
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  • 23 ビダル
  • 21 ピルロ
  •   6 ポグバ
  • 26 リヒトシュタイナー
  •   → 20 パドイン (81′)
  • 22 アサモア
  •   → 13 ペルーゾ (90′)
  •   8 マルキージオ
  •   9 ヴチニッチ
  •   → 27 クアリアレッラ (90′)

ACミラン

  • 32 アッビアーティ
  •   → 1 アメーリア (15′)
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • 18 モントリーヴォ
  • 23 アンブロジーニ
  •   → 4 ムンタリ (46′)
  • 10 ボアテング
  •   7 ロビーニョ
  •   → 22 ボージャン (71′)
  • 11 パッツィーニ
  • 92 エル・シャーラウィ

 ボアテングが中盤の一角に入り、前線はロビーニョ、パッツィーニ、エル・シャーラウィの3人が並んでいます。ナポリ戦に続いてのスタメンとなったロビーニョですが、アッレグリの起用に結果で答えることができるでしょうか。

ミラン撃破、ユヴェントスが連覇に迫る - Goal.com

 試合開始直後からお互い積極的に仕掛けにいきますが、シュートまではいくもののアッビアーティもブッフォンも一流のGKらしい素晴らしい反応でしっかり守っています。序盤は右サイドのリヒトシュタイナーが高い位置を保っていたためにコンスタンが押さえ込まれてしまって何度かチャンスを作られてしまいましたが、徐々にミランのポゼッションも増えてチャンスを作れるようになりました。中盤の3人が運動量多く繋ぎの役割を果たしていたのと、前線も左右にプレーエリアが広くよくボールを引き出していたと思います。

 足を気にしていたアンブロジーニが前半終了の時点で交代し、後半からはムンタリが入ってきます。前半はコンスタンやアバーテがあがったスペースをアンブロジーニがケアし、モントリーヴォがセンター、ボアテングがトップ下の位置に動いてうまく攻撃を組み立てていたのですが、そのアンブロジーニがいなくなったことで少しバランスが崩れてしまいました。特にユヴェントスの中盤の選手が縦や斜めに入り込んできたときに捕まえ切れていない場面が多く、いい流れでボールを運ばせてしまっていたのがPKにもつながってしまったのではないでしょうか。アバーテが目測を誤ったような感じもありましたが崩されていたわけではないだけに悔しい失点です。

 ロビーニョからボージャンへの交代によって前線のスペースを作ろうという動きは活性化したものの、しっかりと引いて守りはじめたユーヴェ相手に得点をあげることができずPKの1失点によって負けてしまいました。この3バックはほんとに1対1に関して強いですね。キエッリーニは前線にいるロビーニョにほとんど仕事をさせませんでしたし、エル・シャーラウィの切り込みに対しても全く遅れることなくコースを限定していました。ボアテングが何度か斜めに走り込んで裏をとろうとしていましたが、こういう動きが増えないと崩して点を取るのは難しいのかもしれません。もしくはムンタリやモントリーヴォのミドルシュートに期待といったところですかね。

 アウェーで出場停止者もいる中で内容としては悪くないゲームでしたがこれによって2位ナポリとは勝点差8と逆転が厳しい状態、逆に4位のフィオレンティーナに勝点差1と迫られてしまいました。ボアテングの中盤起用はビルドアップの点ですごく効果的でしたが、代わりに右トップで入ったロビーニョはチャンスでボールに絡むものの組み立てへの参加はほとんどなく、途中出場のボージャンも存在感はありましたが決定的な仕事はできませんでした。この2人はシーズン終了後の移籍、レンタルバックの話が絶えないだけに必要な選手だというアピールをしてほしかったですね。アッビアーティ、アンブロジーニの怪我も気になりますが、残り5戦全てに勝利しないとCL出場も厳しくなってしまうのではないでしょうか。

16 4月, 2013

セリエA第32節 ミランvsナポリ

 前節フィオレンティーナ戦に勝ちきれず現在勝点58で3位につけているミラン。2位ナポリとの差は4に開いてしまいましたが、CL本戦出場ラインである2位にあがるためには絶対に勝っておきたい直接対決です。

32napoli

AC ミラン

  • 32 アッビアーティ
  • 20 アバーテ
  •   →2 デ・シリオ (86′)
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  • 21 コンスタン
  • 16 フラミニ (72′ 退場)
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ
  • 10 ボアテング
  •   → 19 ニアン (36′)
  • 11 パッツィーニ
  •   7 ロビーニョ
  •   → 92 エル・シャーラウィ (73′)

SSCナポリ

  •   1 デ・サンクティス
  • 14 カンパニャーロ
  • 28 カンナヴァーロ
  •   5 ブリトス
  • 11 マッジョ
  •   → 9 カライオ (83′)
  • 85 ベーラミ
  • 20 ジェマイリ
  • 18 スニガ
  • 17 ハムシク
  •   → 27 アルメロ (70′)
  • 19 パンデフ
  •   → 24 インシーニェ (67′)
  •   7 カバーニ

 バロテッリがフィオレンティーナ戦での累積警告により出場停止、さらに暴言を吐いたということで3試合の追加処分に対してミランは異議申し立てをしていますがとりあえずこの試合は出られないということで3トップはボアテング、パッツォ、ロビーニョというメンバーにいじってきました。

10人のミラン、2位ナポリとの直接対決はドロー - Goal.com

 ミランの3トップに対してナポリは3バックということで、序盤からボアテングとロビーニョが積極的にDFラインを動かそうとしていました。ボアテングがトップ下のような位置まで下りてボールを受けパッツォがDFラインを引っ張ると同時にロビーニョがスペースを狙ったり、ロビーニョがボールを持ってリズムを作り出しボアテングをフリーにするなどいろいろなアイデアが見られておもしろかったです。各々の距離感なども平均年齢20歳のトリオには見られない形でしたね。

 先制したのはミランでしたが時間帯としてはナポリが徐々にボールを持てるようになっていた流れで、すぐに返されてしまう展開。ミランはナポリの3バックを崩すために3トップが連動的に動き、ダイレクトパスで切り込んだところにフラミニが絡んでくるお手本のような形で点が取れました。こういう意図したとおりの得点は興奮しますね。久々の先発となるロビーニョのいいところも活かされていましたし。
 一方のナポリの同点弾もDFをサイドに引き出し中のスペースをあけた上でパンデフが飛び込んで完全に崩されてしまいました。本来モントリーヴォがしっかりついてくる場面なのでしょうけど… ハムシクがやたら左サイドに流れていたのもメクセスのギャップを狙ったものだったとしたら敵ながらやられたとしか言えませんね。あまり守備に走り回らないレジスタを置くチームはバイタルの左右がアキレス腱になるのが定跡なので狙ってくるのも当然といえば当然なのかもしれませんが。

 その直後にボアテングが左足首の打撲で負傷交代。代わりにニアンが投入されたのですがここでアッレグリのプランが崩れてしまったのではないかと思います。30分ほどの時間でしたがパッツィーニを頂点にロビーニョとボアテングが支える3トップがかなりいい場面をつくっていたのに対して、ニアンはサイドに張って自分で持っていきたい感が大きく前線の形が大幅に変わってしまいました。前節のフィオレンティーナがヨヴェディッチを欠いた後も基本的には同じ攻撃を仕掛けてきていたのとは対照的でしたね。まあバロテッリやエル・シャーラウィと組んでるときはサイドが主戦場になっているのでニアンとしてはいつも通りなのかもしれませんが、ボアテングがかなり中に入ってプレーしていてかつそれがいい形を生み出していただけに惜しい気持ちが残ってしまいます。

 後半はフィオレンティーナ戦と同じように中盤が中途半端な位置で攻め手に欠けてしまうような展開。モントリーヴォが相手DFラインの狭い場所にわざわざ入っていくことはないと思うのですがずるずると上がっていってしまう場面が増えて、それによって守備にも穴ができてしまう悪循環。よくない流れは簡単には払拭できませんね。

 結局そのままナポリに流れをつかまれた様な形で単調な攻撃に終始してしまい引き分けに。2位との勝点を縮められないままとなりました。フィオレンティーナ戦から何か決め手に欠ける試合が続いてしまいましたが次節は圧倒的安定感で首位を独走するユーヴェとの試合になります。アウェーとはいえ2位にあがるためには勝点3が欲しいのですがバロテッリの出場停止も軽減されそうにないですしこの試合でフラミニも退場してしまいました。ここのところ不調なエル・シャーラウィがバルザーリ相手に爆発してくれるのに期待するくらいしかない気もしますが諦めないでいきましょう。

10 4月, 2013

セリエA第31節 フィオレンティーナvsミラン

 CLではカンプ・ノウでバルセロナに歴史的大敗を喫してベスト16敗退となってしまいましたが、セリエの方ではいまだ2013年負け無しと好調が続いているミラン。アルテミオフランキに乗り込んで4位フィオレンティーナとの直接対決です。

31viola

フィオレンティーナ

  •   1 ヴィヴィアーノ
  •   4 ロンカリア
  • 40 トモヴィッチ (40′ 退場)
  • 15 サヴィッチ
  •   →5 コンパー (30′)
  • 23 パスクアル
  • 10 アクイラーニ
  •   7 ピサーロ
  • 20 バレロ
  • 11 クアドラード
  •   8 ヨヴェディッチ
  •   →92 ロメロ (45′)
  • 22 リャイッチ
  •   →21 ミリアッチョ (82′)

ACミラン

  • 32 アッビアーティ
  • 20 アバーテ
  • 17 サパタ
  •   5 メクセス
  •   2 デ・シリオ
  • 16 フラミニ
  •   →19 ニアン (77′)
  • 18 モントリーヴォ
  •   4 ムンタリ
  •   →8 ノチェリーノ (46′)
  • 10 ボアテング
  •   →11 パッツィーニ (84′)
  • 45 バロテッリ
  • 92 エル・シャーラウィ

 この試合なんと昨季までフィオレンティーナに在籍していたモントリーヴォがゲームキャプテンとなっています。今シーズンこれまではアッビアーティがキャプテンマークを巻くことが多かったのですが、古巣フィオレンティーナのホームでいまのミランには絶対に欠かせないレジスタがキャプテンとは。公式の各種SNSでも大々的に取りあげていましたね。手元にデータなどはありませんが移籍1年目にしてミランのゲームキャプテンを務めた選手はあまりいなかったのではないでしょうか。

ミラン、10人相手に2点リードを守れず フィオレンティーナとドロー - Goal.com

 案の定モントリーヴォがボールを持つと激しいブーイングを受ける中ミランは全体的にかなり引き気味な入りでした。センターはハーフの3人でカバーしていて、ボアテングとエル・シャーラウィがプレスに加わることでサイドでは自由にさせないという形がうまくできていたと思います。金髪になって試合を見ててもやたらと目立つボアテングが中に入りトップ下のような位置をとることでアバーテに上がるスペースができて徐々に高い位置がとれるとうになってきたのも好材料ではないでしょうか。逆にパスクアルにオーバーラップさせる余裕も与えていましたがここはメクセスがしっかり抑えていましたし。

 ミランが先制するも両チーム共に前線の選手がよく動いてチャンスは作っていた印象で前半は終わりますが、どちらかというと前に人数をかけていけていたのはフィオレンティーナの方じゃないでしょうか。あまり退場による数的不利を感じさせませんでした。枠内シュートはミランの方が多かったのですが攻撃が単発で終わっていたのが惜しいところですが、当たりが激しく少し荒れ気味の試合だったので中盤との距離よりも展開の速さを優先した結果なのかもしれません。

 後半はノチェリーノの投入をはじめ中盤の攻撃参加を増やそうという意図があったのかもしれませんが、攻めのバリエーションに乏しくなかなかシュートまで持っていけない時間帯が続きます。2本のPKはそこまで崩されていたわけではなかったので不幸としか言えませんが、あれだけボールを持っていながら得点が入らないことに関しては少し危機感を持った方がいいのではないでしょうか。途中出場のパッツィーニもハンド疑惑のヘディングを除けばそこまで存在感を示せませんでしたし。

 この3試合でシーズンが決まるとまで言われている試合の初戦を勝ちきれなかったことがシーズン終了後どう振り返られるのかはまだわかりませんが、とにかく勝たないと上位には上がれません。バロテッリが累積警告で出場停止となってしまうため頼ることはできませんがパッツィーニやロビーニョ、ボージャンといったタレントはいるので勝点1ではなく3をもぎとって欲しいところです。

UEFA CL 準々決勝第2戦 バルセロナvsパリSG

 第1戦を2-2のドローで終え、カンプ・ノウで行われる第2戦。CLで勝ちきれない試合が多く怪我人が続出しているバルセロナ相手に挑戦者とも言えるPSGがどんな戦いをするか注目です。

BARPSG

バルセロナ

  •   1 バルデス
  •   2 ダニエウ・アウヴェス
  •   3 ピケ
  •   → 15 バルトラ (63′)
  • 21 アドリアーノ
  • 18 アルバ
  •   6 シャビ
  • 16 ブスケツ
  •   8 イニエスタ
  •   4 セスク・ファブレガス
  •   → 10 メッシ (62′)
  • 17 ペドロ
  •   7 ビジャ
  •   → 25 ソング (84′)

パリSG

  • 30 シリグ
  • 26 ジャレ
  •   → 23ファン・デル・ヴィール(88′)
  • 13 アレックス
  •   2 チアゴ・シウヴァ
  • 17 マクスウェル
  • 29 ルーカス
  • 28 チアゴ・モッタ
  • 24 ヴェラッティ
  •   → 32 ベッカム (83′)
  • 27 パストーレ
  • 18 イブラヒモヴィッチ
  • 11 ラヴェッシ
  •   → 19 ガメイロ (81′)

 バルセロナはメッシのコンディションが相変わらずよくないということでベンチスタート。さらにセンターバックのプジョルもマスチェラーノも欠場ということで本来サイドバックであるアドリアーノを起用してきました。PSGは第1戦からセンターのマテュイディとベッカムを代え、チアゴ・モッタと若手の注目株であるヴェラッティというイタリアコンビを先発に使っています。

UEFAチャンピオンズリーグ 2013 - バルセロナ-PSG – UEFA.com

 勝ち上がるためにはアウェーとはいえ勝利が必要なPSGは立ち上がりから攻守の切り替えを速くしてしっかりとした守備とカウンターで仕掛けてきます。ベッカムよりもヴェラッティという選択はこういうトランジションサッカーには効果的ですね。対するバルセロナはいつも通りというかのように落ち着いてボールを保持し押し込んでいく展開。常にトライアングルを作る基本の形を崩さずに最善の状況を狙っていく姿勢に確固たる信念を感じます。

 前半はお互いの志向がはっきりと出た試合で単純なスタッツでの比較はできませんがPSGの勢いがバルサを上回った印象。センターにボールを捌ける選手が多いことでバルセロナのファーストチェックをうまくかわして前線まで運べていました。後半に入ってもその流れはかわらず、少ない人数で縦に速い攻撃を繰り返していたPSGが先制します。綺麗なカウンターでパストーレの判断もよく狙い通りの得点だったんじゃないでしょうか。アウェーで2得点をあげホームで有利な立場だったバルサも変わらず自分たちのサッカーをできてはいましたが最後の部分で決めきれず、やっぱりメッシを投入してきました。

 メッシが入りさらに前線で起点を作ることができたバルサはやっぱり強いですね。得点シーンもペドロが少し引いたところにビジャが右から流れてポストとなり、ワンタッチでシュートまでいけるパスを出すというお手本のようなプレーでした。ああいう形が常に作れるのはやっぱり強いです。この場面ではペドロに落としてシュートしていましたが、ビジャがディフェンスを2枚引きつけてあけたスペースにメッシも入りこんでいましたし、メッシからペドロに当ててワンツーでもゴールにつながる動きだったと思います。

 PSGもイブラというターゲットかつアイデアのある選手がいることで最後まで縦への動きを崩さずゴールを狙っていましたが、いい形を作れずに結局アウェーゴールでバルセロナが準決勝進出を決めました。守備に少々甘い部分はあったもののほんの少しの差でしたし、ベスト16第1戦のミランのように抑えこめることがかなわなかったのが残念です。それとメッシが入ることでバルサの前線にさらなる余裕ができたというのもこのチームの恐ろしいところですね。レアル・マドリードがクリスティアーノ・ロナウド依存、バルセロナがメッシ依存と言われていますがこれだけ違いの作れる選手がいるのといないのとではやはりチームの形が変わってくるのは当然ですし、メッシがいなくてもバルサのサッカーをしているという部分で他の選手も十分賞賛に値すると思います。

03 4月, 2013

UEFA CL 準々決勝第1戦 パリSGvsバルセロナ

 

PSGBAR

パリSG

  • 30 シリグ
  • 26 ジャレ
  • 13 アレックス
  •   2 チアゴ・シウヴァ
  • 17 マクスウェル
  • 29 ルーカス
  • 32 ベッカム
  •   → 24 ベラッティ (70′)
  • 14 マテュイディ
  • 27 パストーレ
  •   → 19 ガメイロ (76′)
  • 18 イブラヒモヴィッチ
  • 11 ラヴェッシ
  •   → 7 メネズ (66′)

バルセロナ

  •   1 バルデス
  •   2 ダニエウ・アウヴェス
  •   3 ピケ
  • 14 マスチェラーノ
  •   → 15 バルトラ (84′)
  • 18 アルバ
  •   6 シャビ
  • 16 ブスケツ
  •   8 イニエスタ
  •   9 アレクシス・サンチェス
  • 10 メッシ
  •   → 4 セスク (46′)
  •   7 ビジャ
  •   → 37 テージョ (81′)

 

UEFAチャンピオンズリーグ 2013 - PSG-バルセロナ - UEFA.com

 バルサはあいかわらず立ち上がりからゆっくりとボールを回して隙をうかがってきます。このチームのすごさはこれをいつでもどこでも徹底できる部分にあるとは思うんですが、事前のスカウティング攻めるポイントを決めたりはしてないんでしょうか。ミラン戦はホームの試合でアウェーの第1戦の修正をしてきた印象ですけどまずはやりやすい形で通るかやってみるんですかね。

 一方PSGは個人の突破力を存分に活かして速い攻撃を主力にしています。イブラが絶対的な標的になるのに加え、パストーレやラヴェッシなど縦への突破力がある選手がボールを運び、さらにベッカムの長距離砲が入ったことによって少ない人数での攻撃がかなり強力になっています。
 余談ですが、絶対的なエースを擁する金満クラブで監督がアンチェロッティということで いまのPSGはかつてのチェルシーを彷彿とさせるところがあります。アンチェロッティの戦術ノートによれば "当時のチェルシーはスピードのあるカウンターで十分強力だったが、プレミアリーグでよりコンスタントに勝点を重ねていくためにポゼッションサッカーへの移行をしていった。" というようなことが書いてありましたが、PSGもその移行期にあたるのかそれともカウンターサッカーを貫くのかも興味深いですね。

 両チーム共にいくつかのチャンスはあるもののやっぱり全体的にはバルサがボールを持ってシュートチャンスをうかがう形で前半は進んでいきました。ポゼッションサッカーの基本になるのかもしれませんが、バルサはトップが少し動いてスペースを作り、ペナルティーエリアの角のあたりで裏を狙うというのがよく当たっていました。PSGのカバーリングがうまくて得点にはなりませんでしたけど中盤の選手が献身的に守備をしないでセンターバックがついていくチームだと完全にやられてしまうパターンですね。この試合はパストーレでしたが、イタリアだとピルロやモントリーヴォがしっかり追っていないときによくやられてしまいます。

 後半15分をすぎる頃にはバルサのキープが徐々に低い位置で安定しだし、PSGの運動量が落ちてくる時間帯のプレスを回避すると共に大きく開いて穴をうかがいだします。1点ビハインドの状況でこれやられるとほんとにきついと思うのですが、アレクシス・サンチェスのトラップミスなどにも助けられてよく守り切ったなあという印象で、2〜3人でのカウンター以外でボールを前に運ぶことができなくなってしまいました。ベッカムはやっぱりセンターに置いてハードワークさせるには酷な年齢になってしまったようです。あいかわらずロングボールの精度はピカイチなんですけど、こういった試合でサイドに張ってばかりいるわけにもいかないので仕方ないですね。

 バルサの運動量も落ちてきてからは攻撃の機会も増え、お互い前への意識が先行して こういう時間帯にチアゴ・シウヴァからイブラまで1本でパスが出せるというのは本当に強いですね。正直中盤のクオリティではバルサに劣っている場面が目立つチームですが、この2人を中心に構成するという明確な意思によってまわりの動きも活かされていると思います。

01 4月, 2013

セリエA第30節 キエーヴォvsミラン

 インテルとユヴェントスの最先端かつハイレベルな戦いから数時間後、同じ北部同士の試合ですが盛り上がりに欠ける気がしてしまうアウェーでのキエーヴォ戦です。

31chievo

キエーヴォ

  •   1 プッジョーニ
  • 21 フレイ
  •   → 10 ルシアーノ (62′)
  •   3 アンドレオッティ
  •   2 ダイネッリ
  • 12 ツェサル
  • 93 ドラメ
  • 14 コフィー
  • 16 リゴーニ
  •   5 グアーナ
  •   → 39 ストヤン (46′)
  • 43 パロスキ
  •   → 31 ペリッシエール (73′)
  • 77 テレオー

ACミラン

  • 32 アッビアーティ
  • 20 アバーテ
  • 25 ボネーラ
  •   5 メクセス
  •   2 デ・シリオ
  • 18 モントリーヴォ
  • 23 アンブロジーニ
  •   4 ムンタリ
  •   7 ロビーニョ
  •   → 19 ニアン (84′)
  • 45 バロテッリ
  • 92 エル・シャーラウィ
  •  
  •  

 スターティングメンバーに多少の変動はあるものの、ここ数試合は基本的にはコッパイタリアもCLも敗退したことでリーグに戦力を集中できています。

ミラン、4連勝でナポリにプレッシャー - Goal.com

 普段サンシーロで散々見慣れているとはいえ雨の影響で非常に荒れたグラウンド状態でした。選手が足を取られるというのは見ていて気分のいいものではありませんね。さらにキエーヴォがゴール前をガチガチに固めてきたためにバロテッリにボールが入ってもつぶされてしまう場面が目立ちました。ロビーニョも足下はうまいのですが守備のブロックをかいくぐってシュートまで持っていける場面は少なく、ボアテングのようにサイドや中盤でのつなぎとしての役割を担っているわけでもなかったためあまりいい印象とは言えませんでした。何度かあったチャンスも相手キーバーにうまく反応されしまいましたし。放出話もありなかなかコンディションもよくないのでしょうがこのままニアンの控えとして甘んじてしまうのでしょうか。

 バロテッリが孤立してしまったことで相手のマークが集中し、結果としてフリーキックが増えたことで点を入れることができましたがそれでも1点しか入らないのは苦しいですね。バロテッリのフリーキックが悪いというわけではなくこの試合はキーパーを褒めるしかない部分もありますが、リードが1点しかないとカウンターの度にひやひやしてしまいます。もともと相手が引いたときに点が取れない今シーズン、ポゼッションができている試合だからといって安心できないチームです。

 次節フィオレンティーナ戦からはナポリ、ユヴェントスと上位陣との対戦が続きます。ユヴェントスとは勝点で11の差がありますが2位ナポリとは1試合で逆転できる2差なので連勝で2位浮上を狙っていきたいですね。

セリエA第30節 インテルvsユヴェントス

 ユヴェントス、ミラン、インテルはよく北の3大クラブと言われることが多いのですが、なぜインテルとユヴェントスがイタリアダービーと言われるのでしょうか。ミラニスタとしては多少不満もありますが、この2つがビッグクラブであることに異論はありません。ミランがほとんど採用しない流行の3バックを違った形で成功させている2チームという点で非常に興味深い試合です。

INTJUV

インテル

  •   1 ハンダノビッチ
  • 23 ラノッキア
  •   →19 カンビアッソ (66′)
  • 25 サムエル
  • 26 キヴ
  •   4 サネッティ
  • 21 ガルガーノ
  •   →19 ロッキ (79′)
  • 10 コヴァチッチ
  • 31 ペレイラ
  • 11 リカルド・アルバレス
  •   →14 グアリン (46′)
  •   8 パラシオ
  • 99 カッサーノ

ユヴェントス

  •   1 ブッフォン
  • 15 バルザーリ
  • 19 ボヌッチ
  •   3 キエッリーニ
  • 23 ビダル
  • 21 ピルロ
  •   8 マルキージオ
  • 20 パドイン
  • 22 アサモア
  •   →13 ペルーゾ (63′)
  • 27 クアリアレッラ
  •   →12 ジョビンコ (82′)
  • 32 マトリ
  •   →6 ポグバ (74′)

長友復帰はお預け イタリアダービーはユヴェントスに軍配 - Goal.com

 試合開始早々ユヴェントスが前線に積極的にボールを回し、インテルのバックラインをかき回したことでクアリアレッラのミドルシュートで先制。中央でセーフティにいこうとするあまりサムエルとキヴがよくないかたちであまってしまい、引いてスペースを作ったクアリアレッラにやられてしまいました。ここは最初から狙っていたところなのか、すごくうまいプレーでしたね。

 その後も全体的に中盤から試合を支配していたのはユヴェントスの方でした。ピルロのポジショニングのよさはポゼッションができている試合においてはほんとに際立ってきますね。マルキージオやビダルもプレーエリアが広く球際で厳しく行けているので自陣でほとんど危ないパスを出させていないという優秀さ。逆にインテルはバイタルエリアを埋めるために守備に人数を割かざるを得ず攻撃は単発のロングボールで終わってしまっている印象で、ユヴェントスの3バックに簡単に跳ね返されてしまっていました。

 それでも前半途中からはインテルもボールを持てるようになり、プレスのポジショニングが改善されたことで前線で人数を使った攻撃が徐々にできるようになってきました。カッサーノが前で待ってるだけではなくサイドの上がりも使えるような位置でボールを持つと幅ができるのでおもしろいですね。ただゴール前で脅威になっていたのは結局エリア内での細かいダイレクトプレーだったので、こういう選手を揃えるなら3バックにする必要があるのかという疑問は残ってしまいました。