26 12月, 2012

セリエA第18節 ローマvsミラン

 ウインターブレイク前の最後のゲーム、相手はセリエの中では早くから独自路線をとり今シーズン好調と言えるローマですがミランも新しいスタイルができてきて結果がついてきているので楽しみな試合になりそうです。
18roma

ASローマ

  • 13 ゴイゴエチェア
  • 23 ピリス
  •   3 マルキーニョス (78′退場)
  • 29 ブルディッソ
  • 42 バルザレッティ
  •   4 マイケル・ブラッドリー
  • 16 デ・ロッシ
  • 15 ピアニッチ
  •   9 オズヴァルド
  •   → 22 デストロ (69′)
  •   8 ラメラ
  •   → 48 フロレンツィ (68′)
  • 10 トッティ
  •   → 46 ロマニョーリ (80′)

ACミラン

  •   1 アメーリア
  •   2 デ・シリオ
  •   5 メクセス
  • 76 ジェペス
  • 21 コンスタン
  • 18 モントリーヴォ
  • 23 アンブロジーニ
  •   → 4 ムンタリ (77′)
  •   8 ノチェリーノ
  •   → 11 パッツィーニ (56′)
  •   7 ロビーニョ
  •   → 22 ボージャン (70′)
  • 10 ボアテング
  • 92 エル・シャーラウィ
 
ローマが4得点快勝 ミランの連勝は4でストップ - Goal.com
 試合開始直後からお互いテンションの高いゲーム入りで攻撃への自身が表れてるようでした。前への意識が強くボールは運べているのですがその分間延びしてしまって単発の攻撃を出し合っている感じ。特にミランの方は中盤から早いタイミングで裏を狙っていたのでこれは想定通りの展開といったところでしょうか。ただ90分これをやるつもりはなかったのかローマに先制されてからは少し落ち着いていました。
 前半途中からはトッティがサイドに開ききっていなかったのでノチェリーノとモントリーヴォでケアできていたこととメクセスが1対1で勝てていたのでDFラインが安定していたので徐々に攻撃の時間が長くなり、ミランがポゼッションをしてデ・シリオやアンブロジーニが高い位置をとれるようになってきました。ただここで2点目、3点目を許してしまったのが本当に痛かったところですね。サイドからのクロスに弱いといういつも通りの弱点は治りませんね。ジェペスだけを責められるものでもないですがああいう失点が多いのは事実なので。昨シーズンなどはサイドで数的優位を作ってクロスの出しどころを潰したりといった対策もできていたのでどうにかして欲しいところです。
 さらに3点目に関しては完全にノチェリーノとアンブロジーニが見なければいけない場所をあけてしまったのですが、ボールを持ったところで少し上がり気味になっていたのかもしれません。あのポジションで後ろからゆっくり追いかけても駄目ですよね。この時点でリードしたローマは守備に人数をかけてスペースを潰せるようになって裏を狙うというもくろみも崩れてしまいました。
 後半はもうローマが無理して前に来なくなりポゼッションはできるもののシュートまで持っていけない状態に。こうなると今シーズンは厳しくなってしまうんですよね。中盤のプレッシャーがかなりきつくて両サイドバックが上がる余裕もそこまでありませんでしたし。デ・シリオとコンスタンの組み合わせは守備の面では安定しますがこうしたときに打開できる勢いはなかなか出ませんね。パッツィーニ投入後からサイドに張ったボアテングは正直消えてしまっていたのでそのスペースにデ・シリオが入り込んできたりすればまたおもしろい展開も作れそうだったのですが。
 結局2012年は開幕前から暗雲の立ちこめていた部分が修正されないまま終わってしまいました。唯一の明るい話題であるエル・シャーラウィはアンブロジーニのおごりでドバイでバカンスらしいのでうまくリフレッシュして年明けから巻き返していって欲しいですね。今のところパト、ロビーニョといった放出話ばかり目立ちますがもちろん冬のメルカートにも期待です。

17 12月, 2012

FIFAクラブW杯決勝 コリンチャンスvsチェルシー

 クラブ「の」ワールドカップという言い方にはいまだに慣れませんがJリーグのチームがアジアチャンピオンや開催国枠で出場することにはだんだん違和感もなくなってきました。スポンサー席が多いのかけっこういろんなところからチケットがまわってくることの多い大会なので今年も現地観戦することができた決勝戦を振り返ってみようと思います。

CORCHE

コリンチャンス

  • 12 カシオ
  •   2 アレッサンドロ
  •   3 シカォン
  • 13 パウロ・アンドレ
  •   6 ファビオ・サントス
  •   8 パウリーニョ
  •   5 ハウフィ
  • 23 ジョルジ・エンリケ
  • 20 ダニーロ
  • 11 エメルソン
  •   → 4 ワラシ (90′)
  •   9 ゲレロ
  •  → 7 ファン・マルティネス (87′)
  •  

チェルシー

  •   1 チェフ
  •   2 イヴァノビッチ
  •   → 28 アスピリクエタ (83′)
  • 24 ケーヒル
  •   4 ダビド・ルイス
  •   3 アシュリー・コール
  •   8 ランパード
  •   7 ラミレス
  • 10 マタ
  • 13 モーゼス
  •   → 11 オスカル (72′)
  •   9 トーレス
  • 17 アザール
  •   → 21 マリン (87′)

 こういった大会にはつきものですが両チームの情報があんまりないのでメンバーを見ても判断がしづらいです。準決勝からはチェルシーがランパードを先発させ、ダビド・ルイスをバックラインに戻してきました。右サイドにドリブルや献身的な守備を得意とするモーゼスが入りプレミアの試合で前線を効果的にかき回しているオスカルはベンチスタートとなっています。コリンチャンスは元浦和のエメルソン、元鹿島のダニーロがスタメンに入っています。

コリンチャンスがチェルシーを破り、世界王者に! - Goal.com

 試合開始早々からチェルシーはトーレスをはじめ前線の選手3人をバックラインに張り付かせてロングボールで裏を狙ってきます。今シーズンのプレミアでの戦い、準決勝でのコリンチャンスの守備ブロックを見る限りでは中盤からの崩しでも十分ゴールを狙えると感じていたのでこれは意外でした。ベニテスにもそういうイメージはありませんでしたし。ただコリンチャンスの守備もそこまでガチガチなわけではないのでこの放り込みがかなり効果的でさらに驚きでした。
 コリンチャンスの方は10分ほど時間が経過したあたりでアシュリー・コールの上がったスペースを使うためにゲレロを右サイドに寄らせ、センターに縦の意識の強いエメルソン、左にダニーロと少しいじってきましたね。右サイドの守備はボランチでカバーできていたのでより攻撃的な布陣と言えそうですが、バックラインからのボールの出所までは潰せなかったのが惜しいところですね。

 後半途中からは運動量も落ちてきてしまって日程の難しさを感じますし、長距離移動や資金面での問題はどうしてもつきまとうことになりますが、両チーム共に個人、組織としてのレベルが文句なしに高く見応えのある試合が生で観戦できるのは素晴らしいですね。

14 12月, 2012

セリエA第16節 トリノvsミラン

 首位ユヴェントスに競り勝ちチャンピオンズリーグでもベスト16進出と復調の兆しが出てきたミラン。昇格組で格下のトリノが相手とはいえ開幕戦のような失態は演じたくないところです。

16torino

トリノ

  •   1 ジレ
  • 36 ダルミアン
  •   5 ディ・チェーザレ
  •   6 オグボンナ
  • 17 マシエッロ
  •   4 パシャ
  • 14 ガッツィ
  •   9 ビアンキ
  • 69 メッジョリーニ
  •   → 24 サンソーネ (65′)
  • 11 チェルチ
  •   → 86 ビルサ (46′)
  •   7 サンターナ
  •  → 92 シモーネ・ヴェルディ (74′)

ミラン

  •   1 アメーリア
  • 20 アバーテ
  •   5 メクセス
  • 76 ジェペス
  •   2 デ・シリオ
  •   8 ノチェリーノ
  • 34 デ・ヨング
  •   → 23 アンブロジーニ (21′)
  • 28 エマヌエルソン
  •   7 ロビーニョ
  • 11 パッツィーニ
  •   → 22 ボージャン (81′)
  • 92 エル・シャーラウィ
  •   → 16 フラミニ (79′)

 ボアテングが出場停止、モントリーヴォが怪我で欠場して臨んだメンバー。前線はパッツィーニをトップにロビーニョとエル・シャーラウィの3人が並んでいます。

トリノに敵地で4-2と白星のミラン - Goal.com

 トリノはヴェントゥーラ監督の4-2-4という布陣ですが、序盤から後ろの6人が押し上げきれずに前の4人との間が開きすぎ、前線が下がって守備をせざるを得ないこともあって結局数人を残してのカウンターしか攻め手がなくなっていました。ミランもモントリーヴォの不在からか一本で決定的なパスが出せずどちらもゆっくりとした展開から攻めきれない試合運びに。
 ただ3トップにノチェリーノやエマヌエルソンが絡んでの連動した動きが多く見られ、チームの好調と成熟してきたのを感じます。この試合ではトリノのプレッシャーが緩く、人数をかけられたという部分もあるのでしょうが攻撃面でやりたいことというのはかなりはっきりしていたんじゃないでしょうか。こういう形なら途中出場したボージャンももっと活きるといいのですが、あまり存在感があったとは言い難いのが気がかりですけど。チーム全体での共有がまだできていないのか、まあ点差と時間帯を考えると仕方のない部分ですかね。

 FWの3人がそれぞれ得点、失点につながるミスをしたノチェリーノも汚名返上のゴールと申し分のない結果。さらに崩しの形が多数見られるなどひさびさに見ていて痛快な試合でした。
 ただデ・ヨングがアキレス腱断裂で手術、今シーズン絶望となると中盤の軸が抜けるだけに今後が心配ですね。ハードワークができ試合の流れを見て落ち着かせることのできる選手というのは重要で、モントリーヴォやノチェリーノなどとも少しタイプが違います。ムンタリの復帰は間近と言われていますが年明けからどんどんスケジュールが厳しくなっていく中アンブロジーニのフルタイム出場も望めないでしょうし冬のメルカートでの新たな獲得、場合によってはアッレグリも再び戦術の見直しを迫られるかもしれません。難しいシーズンはまだまだ続きますがまずはウインターブレイクまでの試合をしっかり見ていきたいと思います。

01 12月, 2012

セリエA第14節 ミランvsユヴェントス

 エル・シャーラウィがセリエでの得点王トップを走り、ロビーニョとパトも復帰し徐々に歯車が噛み合ってきたミラン。対するはインテルに破れ無敗記録こそ途絶えたもののしっかりと首位をキープし好調を続けているユヴェントスをサン・シーロに迎えてのの大一番です。余談になりますがミランはFacebookをはじめSNSの活用も積極的に行っていて、この試合の前も日ごとのカウントダウンをはじめ様々なPRを行っていました。

14juve

ミラン

  •   1 アメーリア
  •   2 デ・シリオ
  •   5 メクセス
  •   → 17 サパタ (73′)
  • 76 ジェペス
  • 21 コンスタン
  • 18 モントリーヴォ
  • 34 デ・ヨング
  •   8 ノチェリーノ
  •   7 ロビーニョ
  •   → 11 パッツィーニ (65′)
  • 10 ボアテング
  •   → 16 フラミニ (84′)
  • 92 エル・シャーラウィ

ユヴェントス

  •   1 ブッフォン
  • 15 バルザーリ
  • 19 ボヌッチ
  •   4 カセレス
  • 23 ビダル
  • 21 ピルロ
  •   8 マルキージオ
  • 33 イスラ
  •   → 20 シモーネ・パドイン (46′)
  • 22 アサモア
  •   →   6 ポグバ (72′)
  •   9 ヴチニッチ
  • 27 クアリアレッラ
  •   → 12 ジョヴィンコ (57′

 なかなか安定しないシステムの中で今日は4-3-3を採用しています。4-3の守備ブロックに加えてボアテングの戻り、エル・シャーラウィとロビーニョもある程度チェイスできますし攻撃の時には大きく開いてポゼッションできるのが強みでしょうか。さらにこの試合のキャプテンマークはモントリーヴォが巻いています。今シーズンはカピターノのアンブロジーニ、アッビアーティ共に先発でない試合もありますしプレイだけでなくまわりを鼓舞する役割としても重責を担うことになると思いますががんばって欲しいです。それとデ・シリオはここ数試合右サイドバックの先発として定着しています。同い年のエル・シャーラウィの活躍が目立ちますがこちらも期待ですね。

12位ミラン、ロビーニョのPKで首位ユヴェントスを撃破 - Goal.com

 試合は開始直後からユヴェントスがボールを保持して進めていきます。このあたりはチーム力の差、システムの違いがある以上しかたのない部分もあるのでしょうが自陣内でゲームが進むのは気持ちのいいものではありませんね。ただユヴェントスにミスが多くゴールまで結びつかなかったのが幸運だったという以上のことはないと思います。

 結局前半のPKでの1点を守り切って勝利しましたが、メガクラブのミランの試合としてこれでいいわけではありませんし、ユヴェントスとの力の差が見えてしまった部分は多かったです。特に中盤をあまり重視しない今のシステムでは攻めに入ったときにボールをとられてからのカウンターに対応できていないためピルロからいいボールを出されてしまっていたシーンが多くありました。
 攻撃に関しても多くの時間を守備に割かれてしまうために中盤の選手とサイドバックの参加が遅くなり、ユヴェントスの苦手とする2列目でのスペースをうまく使えていませんでした。ここは試合前から絶対狙い所だと思っていたので疑問でしたね。ロビーニョやボージャンならあそこで前を向いて崩すのは可能ですし。シンプルな攻撃でシュートまでいけていたのでそれを狙っていたのかもしれませんが。

 それとアッレグリのコメントにもありましたがこの4-3-3の形はレオナルド時代の4-2-ファンタジーを彷彿とさせます。つまりあの頃と同じ弱点が出てきてしまうということで。ロナウジーニョ、イブラヒモビッチのようなシュートも打ててチャンスも演出できる、簡単に言ってしまえば試合をひとりで決めてしまうタレントがいない現在のチームでこうした個人の力に頼る攻撃がどこまで通用するか疑問もあります。せっかくパッツィーニやボージャンを獲得して前線のバリエーションは豊かなのでこうしたメンバーを活かした戦術を目指して欲しいとも思います。

 完成されたチームに近いユヴェントス相手に勝点3をとれたことは素晴らしいですし、チャンピオンズリーグもなんだかんだ決勝トーナメント進出を決め徐々に結果が出てきているので今シーズンクラブとして目指すところを安定してとれるように高めていきたいところです。