03 5月, 2013

UEFA CL 準決勝第2戦 バルセロナvsバイエルン

 第1戦で4-0と誰も想像しなかった大差をつけられたバルセロナ。ミランとは違う方法でバルサの中央突破を封じ、PSGとは違うやり方でゴールをあげてきたバイエルンが第2戦も完璧なバルサ対策を披露するのか。これまでも厳しいコンディションの中美しく勝つサッカーを体現してきたバルサがミランもPSGも返り討ちにしてきたカンプ・ノウでバイエルンにアジャストしたポゼッションを見せてくれるのか。どちらにしても非常に楽しみな一戦です。

BARBAY

バルセロナ

  •   1 ビクトル・バルデス
  •   2 ダニエウ・アウヴェス
  • 15 バルトラ
  •   → 19 モントーヤ (87′)
  •   3 ピケ
  • 21 アドリアーノ
  • 25 ソング
  •   6 シャビ
  •   → 9 A.サンチェス (55′)
  •   8 イニエスタ
  •   →11チアゴ・アルカンタラ(64′)
  •   7 ビジャ
  •   4 セスク・ファブレガス
  • 17 ペドロ

バイエルン・ミュンヘン

  •   1 ノイアー
  • 21 ラーム
  •   → 13 ラフィーニャ (77′)
  • 17 ボアテング
  •   5 ファン・ブイテン
  • 27 アラバ
  •   8 ハビ・マルティネス
  •   → 44 ティモシュチュク (74′)
  • 31 シュバインシュタイガー
  •   → 30 グスタヴォ (66′)
  • 10 ロッベン
  • 25 ミュラー
  •   7 リベリー
  •   9 マンジュキッチ

 第1戦では先発で起用してきたメッシはベンチスタートとなり、前線がビジャ、セスク・ファブレガス、ペドロという組み合わせになっています。さらにブスケツが故障により離脱し元アーセナルのソングがボランチの位置に入りました。バイエルンの方は出場停止明けのマンジュキッチがワントップに復帰しているのと、センターバックにファン・ブイテンが入っているのが第1戦から変わっています。

UEFAチャンピオンズリーグ 2013 - バルセロナ-バイエルン – UEFA.com

 アリアンツ・アレーナでも中盤のスペースを潰し、さらにスピードとフィジカルをもってバルサの侵入を許さなかったバイエルンですが、基本的なやり方はカンプ・ノウでも踏襲してきました。文章にしてしまうとディフェンスラインを高く保ってコンパクトな陣形を作り、4-4-2の形で中央でのパスまわしを許さないというものすごくありがちな戦術なのですが、チェックにいくまでの速さと前を向かせない強さによってバルサを上回ってしまえばいいのだという至極単純な話のようにも見えます。
 いままで色々なチームがやりたくても常に近い距離でサポートされるパスコースと足下の確固たる技術の前に散ってきたやり方がバイエルンによって完成されたとも言えるかもしれません。中央の潰しに関しては@yuukikouheiさんが「ミュンヘンはあなたを愛してる」という記事で詳しく書いているので僕の稚拙な分析なんかよりそちらを読んでもらえればと思います。

 もう1つバルサ対策として必要なのがサイドのケアです。圧倒的なポゼッションを維持することによって右サイドバックのダニエウ・アウヴェスが守備を放棄してどんどんオーバーラップしてくるというのがバルサの主な攻撃の形の1つとしてあり、ブスケツやシャビがセンターサークルあたりでゆっくりまわしてると思ったらサイドハーフが最前線まで飛び出してきたダニエウ・アウヴェスを見きれずに簡単に突破を許してしまうというシーンはバルサを相手にするチームではよくあることです。
 これに対してバイエルンが出した答えも非常に単純なもので、ボールをとられたらリベリーが確実に戻ってサイドのスペースをケアするというもの。ミランのエル・シャーラウィなどもそうでしたが、ウイングの選手が最終ラインまで下がることをいとわない献身的な守備をするというのはもはや必須条件になっていますね。かつてモウリーニョのインテルがバルセロナ相手にどん引きカウンターで勝ちきったときはエトーの守備意識の高さに驚きましたがそれが全員に求められている時代になったようです。

 バルセロナの方もただやられっぱなしというわけではなく、ロングボールを併用したりしてだんだんと高い位置まで運ぼうとしていきます。最初に抑えられたとしても相手に合わせて次の手が出せるのが恐ろしいですね。ボールを散らして前線に当ててきたことで徐々にバイエルンのバックラインも下がってきて前のスペースを使えるようにもなってきましたし、シュートまで持っていける場面も増えました。それでもバイエルンは最後まで打たせないところを徹底しハビ・マルティネスとシュバインシュタイガーのボランチ2枚を代えてまで中盤で自由にさせませんでした。4-0、3-0という結果だけでも素晴らしいですがバルセロナにやりたいことをやらせなかったという部分で完勝と言えるでしょう。

 バイエルンは昨シーズン決勝で負けた雪辱を果たせるのか。このテンションで決勝を戦うことができれば自由にボールをまわせるチームなんてほぼないと思いますし、攻撃面でもアイデアの豊富なチームなので楽しみです。