前節のサッスオーロ戦に敗れたことでアッレグリ監督の解任、タッソッティ助監督の暫定的な監督就任、ミランを去ってブラジルのボタフォゴでプレーしていたセードルフの監督就任と目まぐるしい1週間でした。この時期だということを除いてはこれまでに報道されていた噂通りとなった部分も多いのですが、ちょうどシーズンの前半を終えたタイミングでの刷新ということになります。
ミッドウイークにはコッパ・イタリアでセリエBのスペツィアに3-1と快勝し、本田が先発したことで日本のニュースでも大きく取り上げられました。本田の初得点と勝利は喜ばしいのですが1失点はどうしたのでしょう。セリエBのチーム相手にも守備が崩壊してしまったのかと気が気じゃありません。試合自体は見れていないのでわかりませんが少し気になる状態で開幕節で敗れたエラス・ヴェローナとの対戦です。
ACミラン
- GK
- 32 アッビアーティ
- DF
- 2 デ・シリオ
- 17 サパタ
- 25 ボネーラ → 26 シルヴェストレ (52')
- 28 エマヌエルソン
- MF
- 34 デ・ヨング
- 18 モントリーヴォ
- 10 本田 → 14 ビルサ (63')
- 22 カカ
- 7 ロビーニョ → 37 ペターニャ (78')
- FW
- 45 バロテッリ
エラス・ヴェローナ
- GK
- 1 ラファエウ
- DF
- 23 アレハンドロ・ゴンザレス → 11 ヤンコビッチ (85')
- 18 モラス
- 22 マイエッタ
- 33 アゴスティーニ
- MF
- 14 シリグリアーノ → 30 ドナデル (90')
- 2 ロムロ
- 10 ハルフレッドソン
- FW
- 15 イトゥルベ
- 8 カシア → 6 マルティーニョ (61')
- 21 フアニート
セードルフ監督はアッレグリのような3センターではなく2ボランチを基本とするのではないかというガゼッタの報道通り、事前の予想では4-2-3-1のフォーメーション。前線はバロテッリをトップにその下に右からカカ、本田、ロビーニョという並びが基本になるようです。
Milan 1 - 0 Hellas Verona - legaseriea.it
新監督1戦目ということでまずはメンバーの配置から注目されていますが、マトリがフィオレンティーナに移籍、パッツィーニが再び筋肉トラブルで離脱といきなり純粋なFWのプレーヤーが不足してしまいました。出場停止の多すぎるバロテッリとほとんど試合出場のないペターニャしかいない状態で2トップを選択できるはずもなく1トップ、もしくはサイドアタッカーを置いた3トップになるのは自然な形でしょう。
また、様々な形で試行錯誤を重ねながら長らくミランの屋台骨を支えてきた4バックと3センターの守備ブロックも4-2-3-1のシステムで多少への変化がありそうです。ここ1ヶ月くらいの試合ではクリスマスツリーにおいて弱点となっていたサイドの守備を突かれて失点することが多かったためにこの点での改善も期待したいです。
試合内容としてはまず攻撃の際目立った変更点として相手DFラインに張り付く形ではなく少し下がって受けようという間の意識が見られました。これまでは中盤から飛び込んでもそこで停滞してしまい形を作れないことが多かったのですが、2列目の選手が自由に動くことで相手のマークをずらしバロテッリもカカも比較的ボールを持ちやすいスペースでもらえていました。さらにいい時間帯では近い距離で自由に動きダイレクトでの簡単なパス交換が増え、純粋なサイドアタッカーを配置しない4-2-3-1のシステムとしてはまずいいやり方ができているのではないかと思います。
ただヴェローナも立ち上がりから9人で守備ブロックをしっかりと敷いていたので簡単にシュートまで持っていける場面は多くありませんでした。動いて崩す意識はあるものの監督交代直後ということもあってなかなかシュートまでのイメージは共有できていないのかなという印象です。まあこのあたりはアッレグリのときもはっきりと狙い所があったわけではなさそうなのでこれからのセードルフ監督の手腕に期待しましょう。
後半全体的に運動量が落ちてくると序盤に見られた近い位置でのパスやエリアをまたいでの動きもなくなり、いつもの危ない空気が漂ってきます。ビルサの投入も大きく流れを変えるには至らず、何度かカウンターでチャンスを作られ昇格クラブ相手にまたしてもしてやられてしまうのかという気持ちがありましたが82分にPKを獲得して1-0での勝利。カカはあまりいい体勢ではありませんでしたし完全にもらいに行った動きでしたね。とりあえずセードルフの初陣を勝利で飾るという最低限の結果は出しましたがこれまでできていなかった動きが急でにできるようになるはずもなく、徐々にでもクラブ全体がよくなっていくように願っています。