13 6月, 2014

FIFAW杯 ブラジルvsクロアチア

 サッカー王国ブラジルで開催される4年に1度の祭典FIFAワールドカップ。普段はクラブ中心であまりナショナルチームの試合を見ることはないのですが、やはり世界最大のスポーツイベント、1カ月間がんばって早起きして見てしまう生活になりそうです。

ブラジル

    GK
  • 12 ジュリオ・セーザル
  • DF
  •   2 ダニ・アウヴェス
  •   3 チアゴ・シウバ
  •   4 ダヴィド・ルイス
  •   6 マルセロ
  • MF
  • 17 ルイス・グスタヴォ
  •   8 パウリーニョ → 18 エルナネス (63')
  •   7 フッキ → 20 ベルナルジ (68')
  • 11 オスカル
  • 10 ネイマール → 16 ラミレス (88')
  • FW
  •   9 フレッジ

クロアチア

    GK
  •   1 プレティコサ
  • DF
  • 11 スルナ
  •   6 ロヴレン
  •   5 チョルルカ
  •   2 ヴルサリコ
  • MF
  • 10 モドリッチ
  •   7 ラキティッチ
  •   4 ペリシッチ
  • 20 コヴァチッチ → 14 ブロゾヴィッチ (61')
  • 18 オリッチ
  • FW
  •   9 イェラヴィッチ → 16 レビッチ (78')

 ブラジルの先発メンバーは1年前のコンフェデレーションズカップでもお馴染みだった構成。抜群の安定感とネイマールのアイドルっぷりで地元優勝を期待されています。対するクロアチアは個々の選手はクラブで見ているもののチームとしてどういうサッカーをするのかは勉強不足にて全く知りません。まあこれからそんな国はたくさん出てくるのであまり気にしないでください。

2014 FIFA World Cup Brazil™: Brazil-Croatia - Overview - FIFA.com

 ブラジルはまずボールを保持して積極的に先制点を狙っていきますが、クロアチアも自陣に入ってから中盤でしっかりと潰す形を作れているために簡単にはシュートまでいかせてくれません。プレスポイントがはっきりしていて前線に入れるグラウンダーのパスを許しませんでした。そこで2列目の3人の位置を入れ替え崩しどころを探っていたところでマルセロのオウンゴールでクロアチアが先制。
 ブラジルの両サイドバックが高い位置をとるのはどのチームも織り込み済みですが、開幕戦からあんなに綺麗に裏をとられるとは思っていませんでした。それまでも何度か狙っていたところでしたが中での人数は足りていましたし付き方も悪いわけではなかったのですが仕方ないですね。

 先制はされましたがブラジルはまだ余裕を持って組み立てていけます。フッキが左に流れネイマールが中央に、マルセロとの3角形を起点にしようというのがひとつ。さらにオスカルが右サイドに張ってダヴィド・ルイスと2人でサイドチェンジや裏のスペースを狙っていくのがひとつ。パウリーニョのボールの受け方も変化をつけて中盤のとりどころをずらしていこうという意図も見えますし、試合中にこれだけ修正してこれるチーム力はすごいです。
 待望の同点ゴールは中盤のつぶし合いを制したネイマールがドリブルで運んでそのままゴール右隅に決めました。執拗な右サイドでの裏狙いの影響か、クロアチアのDFラインが少し下がりはじめたところでネイマールには十分すぎるくらいバイタルエリアがあいてしまいましたね。

 後半はブラジルがサイドバックの上がりを抑え、右サイドのオスカルを起点にする崩しを増やしていきます。前半の左サイドとは違う形でコンビネーションを作っていき1対1の場面では確実に相手DFを外せるテクニックはさすがとしか言い様がありません。クロアチアの左サイドバックに入っているヴルサリコも前半はで耐えていましたが、オスカルの足元に的確なパスが入って前を向かれると止めるのは至難の業です。
 クロアチアのニコ・コバチ監督は中盤のコヴァチッチに代えてブロゾヴィッチを投入。その直後にスコラーリはエルナネスとベルナルジを相次いで入れ中盤を制する戦いになります。このあたりブラジルはもちろんですが、クロアチアも自分たちのやり方にある程度自信を持っているんだなあということがうかがえます。モドリッチもブラジルのはやいチェックに負けずしっかりとした組み立てを見せていましたし、前線にマンジュキッチが入ればさらに出しどころも増えてくるんじゃないでしょうか。

 PKによる勝ち越し点が入ってからは前に出るクロアチアと迎え撃つブラジルという構図に。そして途中交代で元気なベルナルジを中心とした左サイドからの崩しがまた出始めます。試合中意図的に重点を置くサイドを2度も変えてくるチームとかほんと嫌ですね。そこからのカウンターでさっきまで右サイドで起点になっていたオスカルが追加点。
 オスカルは去年のコンフェデではなかなかコンディションが上がらず苦しそうでしたがW杯にはしっかり仕上げてきました。この試合ではある意味ネイマールよりも重要なポジションで結果を出したんじゃないでしょうか。といってもセレソンの照準は確実に決勝に合わせてきてるはずなのでこれが1カ月保てるかはまだ疑問ですが。

 というわけで開幕戦は開催国のブラジルが順当に勝利。内容も素晴らしく今大会の優勝候補筆頭であることはやはり間違いないですね。
 PKの判定については直後から世界中で賛否両論というか主に非難があがっていますが、まあ主審の判断の範囲内なんじゃないかという感想に留めておきます。これで西村さんが決勝トーナメントに登場しなければやはりとるべきでなかったファウル。もし決勝で吹くことになったら賞賛されるべきいい裁定だったとFIFAが判断したということでしょうから。