日本がブラジルに力の差を見せつけられた試合から1日、同じグループのもう一試合メキシコ対イタリアも行われました。正直ワールドカップの本戦でこんなグループに入ったらたまったものではないのですが大陸王者の集う大会ということでかなりレベルの高いチームが揃っています。
メキシコ
- 12 コロナ
- 22 フローレス
- 2 ロドリゲス
- 15 モレノ
- 3 サルシド
- 17 サバラ
- → 19 ヒメネス (86′)
- 6 トラード
- 11 アキノ
- → 21 ミエル (53′)
- 10 ドス・サントス
- 18 グアルダード
- 14 エルナンデス
イタリア
- 1 ブッフォン
- 20 アバーテ
- 3 キエッリーニ
- 15 バルザーリ
- 5 デ・シリオ
- 16 デ・ロッシ
- 21 ピルロ
- 18 モントリーヴォ
- 8 マルキージオ
- → 17 チェルチ (68′)
- 22 ジャッケリーニ
- → 7 アクイラーニ (88′)
- 9 バロテッリ
- → 11 ジラルディーノ (86′)
メキシコはエルナンデスをトップにロンドンオリンピックで金メダルをとったドス・サントスが中心。 イタリアは4バックでこちらも若手のデ・シリオを先発に使ってきました。
FIFA Confederations Cup Brazil 2013: Mexico 1:2 (1:1) Italy - MatchCast - FIFA.com
イタリアは昨年のEURO2012で準優勝したときのような3バックを基本にしているのかと思いきや、アバーテとデ・シリオというミランの両サイドバックを起用した4枚でラインを構成してきました。予想フォーメーションの図だけ見るとミランが06-07シーズンあたりで採用していたクリスマスツリーにもよく似ています。レジスタのピルロが中盤の底、その両脇にハードワークのできる選手を配置しスペースを潰していくという手法はユヴェントスでもやってますが、バロテッリが純粋なワントップとして入ることでターゲットにもなりますし様々な形で攻めることができそうです。
さらに4バックにしたことでサイドバックが攻撃参加した際にデ・ロッシが常に低い位置に残っていた3バックに比べより前の人数を増やせる形と言えるでしょう。先発の所属クラブを見てもうち6人がユヴェントス、4人がミランという選出になっていて、戦術としても両クラブのいいとこ取りのようなサッカーを志向しているんじゃないでしょうか。
ただこの形にまだ選手自身が慣れていない部分も多いようで、特にセンターバックのキエッリーニとバルザーリは2人で中央をカバーするにはポジショニングに難があるように見えました。特にメキシコの前線が斜めに入り込んでギャップをついてくる動きに長けていたために、片方が前に出た時にこのスペースのカバーが遅れがちになってしまったのは少し不安が残ります。ボールと反対のサイドバックが絞って擬似的に3バックのような形を作るか、デ・ロッシが最終ラインに入るとかなり安定していたのですが。
また、厳しく見れば中盤での守備に関しても少し甘い部分があったのという印象も拭えません。攻守両面で消えがちだったマルキージオはもっとボールホルダーに対して素早いチェックが必要ですし、ピルロはカバーするエリアがはっきりせずに飛び込んでこられる場面があいかわらずありました。
戦術的にはまだ改善の余地があるのは事実ですが、ピルロのフリーキックとバロテッリのフィジカルで勝ちきってしまうところはさすがですしメキシコが前からボールに食いついてきたところをいとも簡単にかわして前線にボールを供給し続けるクオリティの高い中盤であることは間違いありません。まだグループリーグの初戦ということで次の日本戦やその先の試合ではさらにおもしろい試合を見せてくれるんじゃないかと期待が高まりました。